社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



【労働者性】INAXメンテナンス事件(第一審 東京地判平成21.4.22労判982号17頁)

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INAXメンテナンス事件(第一審 東京地判平成21.4.22労判982号17頁)

1.事件の概要

原告であるX社は、親会社製品のエンドユーザに対する修理サービスを行う会社である。本件は、Xと個人業委託契約を締結して業務に従事するカスタマーズエンジニア(以下「CE」という。)らが結成した組合分会らに対する団交拒否が争われた事案である。中央労働委員会は、同人らを労組法上の労働者と認めて団交応諾義務等を命じたので、X社がその命令の取消しを求めた。

2.判決の概要

労組法3条の労働者は、労働組合運動の主体となる地位にあるものであり、単に雇用契約によって使用される者に限定されず、他人との間において使用従属の関係に立ち、その指揮監督のものとに労務に服し、労働の対価としての報酬を受け、これによって生活するものを指すと解するのが相当である。そして、この労組法上の「労働者」に該当するか否かの具体的な判断は、労務提供者とその相手方との間の業務に関する合意内容及び業務遂行の実態における法的な従属関係を基礎付ける諸要素(労働力の処分につき指揮命令ないし支配監督を受け、これに対して対価を受けるという関係を基礎付ける諸要素、より具体的には労務提供に業務の依頼に対する諾否の自由があるか否か、労務提供者が時間的・場所的拘束を受けているか否か、労務提供者が業務遂行について具体的指揮監督を受けているか否か、報酬が業務の対価として支払われているか否か等)の有無・程度等を総合考慮して決するべきである。・・・(中略)CEは、原告は事業組織に組み入れられており、その労働力の処分につき原告から支配監督を受け、これに対して対価を受けていると評価することができる。

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