社会保険労務士川口正倫のブログ

横浜市の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ

2021年4月1日から36協定届が新しくなります

2021年4月1日から36協定届が新しくなります

特に区別していない会社も多いとは思いますが、36協定と36協定というのは別のものです。
36協定という、使用者と労働者の間の契約を締結し、締結した旨とその概要を労働基準監督署に届け出るのが36協定です。
今回、押印・署名が廃止されるのは、36協定についてです。
一方、36協定の方は労基署に提出しないとはいえ、契約の一種ですので、通常の契約書と同様に、締結したことを証することができるよう、記名押印もしくは署名をして会社で保管しておくことになります。
ですので、押印・署名をしなくても労働基準監督署に36協定を提出することはできますが、36協定届と36協定を区別していない会社では、これまでと同様に記名押印もしくは署名により提出すべきです。


1.主な変更点

①36協定届における押印・署名の廃止

労働基準監督署に届け出る36協定届について、使用者の押印及び署名が不要となります。
※記名はしていただく必要があります。

②36協定の協定当事者に関するチェックボックスの新設

36協定の適正な締結に向けて、労働者代表(※)についてのチェックボックスが新設されます。
※労働者代表:事業場における過半数労働組合又は過半数代表者

2.施行時期

2021年4月1日

3.新書式

こちらからダウンロードできます。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/index.html

記載例
https://www.mhlw.go.jp/content/000708408.pdf

「職場のハラスメントに関する実態調査」の公表

「職場のハラスメントに関する実態調査」の公表

厚生労働省より、「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書が公表されています。
この調査は、平成28年度に実施した職場のパワーハラスメントに関する実態調査から4年が経過し、ハラスメントの対策に取り組む企業割合や労働者の状況も変化していると考えられることから実施されました。
今回の調査は、全国の企業と労働者等を対象に、令和2年10月に実施されたものです。

改正労働施策総合推進法により、職場でのハラスメント対策の強化が企業に義務付けています。
中小企業はまだ努力義務の段階ですが、2022年(令和4年)4月から義務化されます。(大企業は2020年(令和2年)6月より既に義務化)

改正法が施行されたとはいえ
パワハラ、セクハラを受けた際の労働者の対応として「何もしなかった」の割合が最も高かった。
パワハラを知った際の企業の対応として「何もしなかった」という回答が半数以上
という結果が出ています。

本人が何もできないのは仕方ない面もありますが、企業が対応を「何もしなかった」というのは、あまりにも残念な結果で、職場環境配慮義務や安全配慮義務の点からも大問題です。

改正労働施策総合推進法により、企業に義務付けられるのは次の3点です。
・企業の「職場におけるパワハラに関する方針」を明確化し、労働者への周知、啓発を行うこと
・労働者からの苦情を含む相談に応じ、適切な対策を講じるために必要な体制を整備すること
・職場におけるパワハラの相談を受けた場合、事実関係の迅速かつ正確な確認と適正な対処を行うこと

これらにより、「事実関係の迅速かつ正確な確認と適正な対処を行うこと」ができる「適切な対策を講じるために必要な体制を整備」がなされて、今後の調査では「何もしなかった」という、あまりにも情けない回答は無くなって欲しいものです。
相談窓口を明確にすることにより、パワハラ、セクハラを受けた際の労働者が「何もできない」ということも少なくなることが期待されます。

なお、本調査によると、ハラスメントの予防・解決のための取組を進めたことにより、「職場のコミュニケーションが活性化する風通しが良くなる」という副次的な効果が得られることも多いようです。

下記に概要を抜粋いたしました。
詳細は、リンクをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18384.html

1.調査目的等

平成28年度に実施した職場のパワーハラスメントに関する実態調査から4年が経過し、ハラスメントの対策に取り組む企業割合や労働者の状況も変化していると考えられることから、本調査を実施されたものです。
○本調査は、企業調査と労働者等調査からなるアンケート調査で、2020年(令和2年)10月に実施されました。

2.調査結果の主要点

ハラスメントの発生状況・ハラスメントに関する職場の特徴

○過去3年間のハラスメント相談件数の推移については、パワハラ、顧客等からの著しい迷惑行為、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、介護休業等ハラスメント、就活等セクハラでは「件数は変わらない」の割合が最も高く、セクハラのみ「減少している」の割合が最も高かった。
○過去3年間のハラスメント該当件数の推移については、顧客等からの著しい迷惑行為については「件数が増加している」の方が「件数は減少している」よりも多いが、それ以外のハラスメントについては、「件数は減少している」のほうが「件数は増加している」より多かった。
○職場の特徴として、パワハラ・セクハラともに「上司と部下のコミュニケーションが少ない/ない」、「ハラスメント防止規定が制定されていない」、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」、「残業が多い/休暇を取りづらい」等の特徴について、ハラスメントを経験した者と経験しなかった者の差が特に大きい。

(※)この調査では、就職活動中のセクハラだけでなく、インターンシップ参加中のセクハラの経験についても調査しており、就職活動中またはインターンシップ参加中に経験したセクハラを「就活等セクハラ」とされています。

ハラスメント行為を受けた後の行動、ハラスメントを知った後の勤務先の対応、ハラスメントを受けていることを認識した後の勤務先の対応

○ハラスメントを受けた後の行動として、パワハラ、セクハラでは「何もしなかった」の割合が最も高かった。一方、顧客等からの著しい迷惑行為では、「社内の上司に相談した」の割合が最も高く、次いで「社内の同僚に相談した」が高かった。
○ハラスメントを知った後の勤務先の対応としては、パワハラでは「特に何もしなかった」(47.1%)、セクハラでは「あなたの要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」(34.6%)、顧客等からの著しい迷惑行為では、「あなたの要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」(48.6%)の割合が最も高かった。
パワハラ認定後の勤務先の対応としては、「行為者に謝罪させた」(28.5%)が最も多く、次いで「何もしなかった」(22.3%)であった。セクハラ認定後の勤務先の対応としては、「会社として謝罪をした」(32.4%)が最も多く、次いで「行為者に謝罪させた」(27.0%)が多かった。

ハラスメントの発生状況(企業調査)

○過去3年間のハラスメント相談件数の推移については、パワハラ、顧客等からの著しい迷惑行為、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、介護休業等ハラスメント、就活等セクハラでは「件数は変わらない」の割合が最も高く、セクハラのみ「減少している」の割合が最も高かった。
○過去3年間のハラスメント該当件数の推移については、顧客等からの著しい迷惑行為については「件数が増加している」の方が「件数は減少している」よりも多いが、それ以外のハラスメントについては、「件数は減少している」のほうが「件数は増加している」より多かった。
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ハラスメントに関する職場の特徴(労働者等調査)

パワハラ・セクハラともに「上司と部下のコミュニケーションが少ない/ない」、「ハラスメント防止規定が制定されていない」、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」、「残業が多い/休暇を取りづらい」等の特徴について、ハラスメントを経験した者と経験しなかった者の差が特に大きい。
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ハラスメントの予防・解決のための取組状況(企業調査)

パワハラ、セクハラおよび妊娠・出産・育児休業等・介護休業等ハラスメントに関する雇用管理上の措置として、「ハラスメントの内容、ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化と周知・啓発」および「相談窓口の設置と周知」を実施していると回答した企業は約8割程度であった。一方、「相談窓口担当者が相談内容や状況に応じて適切に対応できるための対応」の割合は全てのハラスメントにおいて約4割程度であった。
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ハラスメントの予防・解決のための取組を進めたことによる効果(労働者等調査・企業調査)

○勤務先がハラスメントの予防・解決に「積極的に取り組んでいる」と回答した者で、ハラスメントを経験した割合が最も低く、「あまり取り組んでいない」と回答した者でハラスメントを経験した割合は最も高い。
○ハラスメントの予防・解決のための取組を進めたことによる副次的効果は、「職場のコミュニケーションが活性化する風通しが良くなる」の割合が最も高く、次いで「管理職の意識の変化によって職場環境が変わる」が高かった。
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ハラスメントの予防・解決のための取組を進める上での課題(企業調査)

○ハラスメントの予防・解決のための取組を進める上での課題としては、「ハラスメントかどうかの判断が難しい」の割合が最も高く、次いで「発生状況を把握することが困難」が高かった。
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「都内企業における兼業・副業に関する実態調査」の結果

「都内企業における兼業・副業に関する実態調査」の結果

東京都による「都内企業における兼業・副業に関する実態調査」の結果が公表されています。

3年くらい前に厚労省主催の研修で、今後は兼業を推進していく方針だという話を耳にしたときは、事務所に勤めながら、兼業で執筆活動や予備校や研修の講師をして、社会保険労務士として名前を売って行けるようになったらいいな、なんて半信半疑に将来を思い描いていましたが、2020年(令和2年)8月~10月にかけて実施された本調査によると、すでに30%弱の企業が兼業を認めているようです。

いずれブログでも詳細を取り上げたいと思いますが、本業と兼業がともに雇用契約というパターンだと残業時間の管理が煩雑になるのがネックです。それを反映してか、本調査によると「個人事業主として」兼業を認める企業が半数を占めています。

下記に「従業員の兼業・副業の状況」を抜粋しました。
詳細はリンクをご確認ください。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/sodan/chousa/kengyo-fukugyo/index.html

従業員の兼業・副業の状況

(1)兼業・副業の制度・内容についての関心の有無

兼業・副業の制度・内容についての関心の有無を尋ねたところ、「大いにある」が3.8%、「ある」が40.9%と、半数近くが兼業・副業の制度・内容についての関心を持っている。

(2)従業員の兼業・副業を認めている状況

従業員の兼業・副業については、「全面的に認めている」が6.3%、「条件付で一部認めている」が28.6%となっており、約3分の1の企業が認めている。

(3)従業員の兼業・副業についての社内手続

就業規則

従業員の兼業・副業を認めている企業に対し、社内手続きを就業規則に定めているかどうか尋ねたところ、「定めている」企業は31.2%となっており、「就業規則以外に定めている」と回答した企業は3.7%である。

② 社内手続き

従業員の兼業・副業を認めている企業の社内手続きとしては、「届出のみ」が29.5%、「届出と審査を実施」が25.7%、「届出なし」が34.6%などとなっている。

③ 従業員の兼業・副業を認めている形態

従業員の兼業・副業を認めている形態としては、「個人事業主として」が52.7%と最も多く、「他社の社員として」が36.6%、「家業従事者として」が32.0%となっている。

④ 従業員の兼業・副業を認めている理由

従業員の兼業・副業を認めている理由としては、「柔軟な働き方による優秀な人材採用」が38.7%で最も多く、「人材の定着(離職率の低下)」が37.8%、「従業員のモチベーション向上」が35.2%とほぼ肩を並べ、「働き方改革の促進」が28.7%と続いている。

(4)従業員の兼業・副業の効果、課題

① 従業員の兼業・副業の効果の有無

従業員の兼業・副業を認めている企業における効果については、「あった」が6.6%、「ややあった」が26.4%で、効果を認めているのは約3割となっている。

② 従業員の兼業・副業の効果の内容

従業員の兼業・副業を認めている企業の効果の内容としては、「人材の定着(離職率の低下)」が38.1%と最も多く、「従業員のモチベーション向上」が32.6%、「柔軟な働き方による優秀な人材採用」が27.3%と続いている。

③ 従業員の兼業・副業の課題・問題点

従業員の兼業・副業を認めている企業における課題・問題点としては、「従業員の健康管理上の問題」が41.2%、「社内業務への支障」が40.3%と多くなっており、「従業員の労務管理上(労働時間・給与管理等)の問題」が34.7%、「従業員の労務管理上(労働災害等)の問題」が23.3%、「会社のノウハウや機密情報の流出」が22.8%などとなっている。

④ 従業員の兼業・副業の今後の方針

従業員の兼業・副業を認めている企業における今後の方針として、どのように考えているか尋ねたところ、88.8%が「現状を維持する」と回答し、「制度をさらに拡充する」が3.3%、「制度を見直し縮小する」が1.6%などとなっている。

(5)従業員の兼業・副業を認めていない理由(懸念されること)と今後の方針

① 従業員の兼業・副業を認めていない理由(懸念されること)

従業員の兼業・副業を認めていない企業に、その理由(懸念されること)を尋ねたところ、「本業が疎かになる」が67.7%で最も多く、「業務への支障」が63.8%、「従業員の健康管理上の問題」50.9%、「従業員の労務管理上(労働時間・給与管理等)の問題」が45.7%などとなっている。

② 企業における今後の方針

従業員の兼業・副業を認めていない企業における今後の方針としては、「当面取り組む予定はない」が66.3%と最も多く、「従業員の意向によって検討する」が22.4%、「地域や他社の動向を見て検討する」が12.7%、「課題が解消されれば導入する」が10.1%となっている。

独立行政法人労働政策研究・研修機構による「 新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査 (JILPT第4回) 」(一次集計)結果速報の公表

独立行政法人労働政策研究・研修機構による「 新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査 (JILPT第4回) 」(一次集計)結果速報の公表

独立行政法人労働政策研究・研修機構による「 新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査 (JILPT第4回) 」(一次集計)結果の速報が公表されています。


・雇用者の1/4超は、(引き続き)直近の月収が「減少」と回答
・昨年4月以降、12.3%が転職を経験。約1/3が「転職したい」と回答も、現在「転職活動中」は7.8%
・新型コロナ問題後に副業を始めた割合は3.5%で、今後、始めるつもりは18.1%

調査結果の冒頭に注目すべき内容として、上記のような挙げられていますが、かなり突っ込んだ調査結果になっています。


例えば、2021年に入ってからも休業している人はどれぐらいかというと、次のような記載があります。

5. 休業(待機)や勤務時間の短縮、月の勤務日数の減少の状況
昨年(2020年)4/1時点の「民間企業の雇用者」(n=4,307)を対象に、新型コロナウイルス感染症の発生から現在に至るまでの間に、自身は働きたい・働ける状態なのに、(感染症発生前の通常月なら勤務予定だった日に)、休業(待機)を命じられたり、勤務時間の短縮や月の勤務日数の減少に遭った経験があるか尋ねると(複数回答)、図表9の通り集約された。すなわち、「休業(待機)を命じられたことがあった」割合は、「昨年(2020年)4~5月」が16.1%に対し、「昨年6~12月」は8.6%、「本年(2021年)1~2月」は6.5%となった。

また、転職については、こんな記載がありました。
転職したいと考えていても、今の職場の収入や雇用が安定しているため、実際に転職活動をしていない人が現在は多いことがわかります。一方で、このような中で実際に転職活動している人は、キャリアアップやステップアップをしたいという上昇志向の強い人が多いということもわかります。

「転職したい」と考えている割合と「実際に転職活動中」の割合の間には、いずれの属性も大きな開きがある。その理由を探るため、7頁の図表4で見た「働く上で重視している条件」(複数回答)を「転職したいと考えているが、転職活動は(まだ)行っていない」場合(n=1,077)と「転職したいと考えており、実際に転職活動中」の場合(n=326)で比較すると、前者は「収入が安定していること(休業補償を含む)」(後者を9.4㌽上回る64.0%)や「雇用(就業)が安定していること」(後者を8.5㌽上回る64.1%)等を挙げる割合が高いのに対し、後者では相対的に「専門性や資格を身に付けたり、キャリアアップできる機会があること」(前者を5.3㌽上回る22.1%)や「昇進や収入アップの機会があること」(前者を4.5㌽上回る31.0%)等を挙げた割合が高くなっている。

こんな具合に面白いデータが盛りだくさん記載されています。
今後、コロナ禍が終わった後に、仕事や生活どうなるのかを予測するためのデータとしても活用できますので、興味のある方はこちらのリンクをご参照ください。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20210430a.pdf

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の公布・施行について(令3.4.23医政発0423第55号・健発0423第8号・職発0423第8号)

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の公布・施行について(令3.4.23医政発0423第55号・健発0423第8号・職発0423第8号)



労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の公布・施行について(令3.4.23医政発0423第55号・健発0423第8号・職発0423第8号)

https://www.mhlw.go.jp/content/000774927.pdf



労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(令和3年厚生労働省令第89 号。以下「改正省令」という。)が本日公布・施行され、へき地以外のワクチン接種会場への看護師・准看護師の労働者派遣が可能となったところである。
その改正の概要、留意事項等は下記のとおりであるので、御了知の上、管内市町村、関係団体等にその周知徹底を図り、その円滑な運用に万全の対応をしていただくようお願いしたい。
なお、令和3年4月1日から可能となっている、へき地のワクチン接種会場への看護師・准看護師の労働者派遣についても、改めて下記にご留意いただくよう、管内市町村、関係団体等にその周知徹底をお願いしたい。

                   記

1.改正の概要

看護師及び准看護師(以下「看護職員」という。)が行う保健師助産師看護師法(昭和23 年法律第203 号)第5条及び第6条に規定する業務(以下「診療補助行為等」という。)については、医療機関への労働者派遣が原則禁止されている。
今般、本年4月1日より可能となったへき地の医療機関への看護職員の労働者派遣に加え、へき地以外についても、以下のとおり、従事者、場所及び期間を限定して、労働者派遣を可能とするもの。
なお、改正省令の内容については、別紙1を参照されたい。

(1)従事者

看護職員が行う診療補助行為等のうち、予防接種法(昭和23 年法律第68 号)附則第7条第1項の規定による予防接種(以下「コロナワクチン接種」という。)に係るものに限る。

(2)場所

コロナワクチン接種を行うへき地以外の病院又は診療所(以下「接種会場」という。)に限る。

(3)期間

予防接種法附則第7条第1項の規定により厚生労働大臣が指定する期日又は期間(令和4年2月28 日まで)に限る。
※ 接種会場には、市町村が設置する特設会場、集団接種を行う医療機関、個別接種を行う医療機関のいずれも含まれる。
※ 接種会場への労働者派遣であっても、看護職員が行う診療補助行為等のうち、コロナワクチン接種以外の業務について労働者派遣を行うこと(例:個別接種を行う診療所において、コロナワクチン接種とは関係のない、通常の診療に係る診療補助行為等を行う)は、今回の特例的な扱いの対象外である点に留意すること。

2.改正の趣旨

(1) 今回講じる措置については、従事者(看護職員)、場所(接種会場)、期間(令和4年2月28 日まで)を限定の上で、労働者派遣を可能とするもので、新型コロナウイルス感染症に対応するための特例措置として、例外的に認めるものであること。

(2) あくまで、接種会場における看護職員の確保の選択肢の一つとして労働者派遣の形態によることを可能とする趣旨であり、看護職員の確保に当たって必ず労働者派遣の形態によらなければならないこととするものではないこと。接種会場における看護職員の確保に当たり、労働者派遣の活用を検討する場合は、これら改正の趣旨を十分踏まえること。

(3) 接種会場における看護職員の確保策については、現在、各都道府県ナースセンターにおいて、就職希望を登録している潜在看護職員に対し、各自治体におけるワクチン接種のための看護職員の求人ニーズについて積極的なマッチング支援を行っているため、各都道府県ナースセンターに求人のご相談をいただくことも効果的であること。また、医療機関への看護職員の確保のため、民間職業紹介事業者を活用することも効果的であること。接種会場における看護職員の確保に当たっては、これらの方法を活用し、看護職員を直接雇用により確保することについても検討されたい。

3.労働者派遣制度の概要

労働者派遣制度の主な概要については以下のとおりであるが、同制度の詳細については別紙2のパンフレットを参照されたい。
なお、労働者派遣制度の詳細について不明な点等があれば、適宜、都道府県労働局に照会されたい。

(1)無許可事業主からの派遣労働者の受入れの禁止

派遣先は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60 年法律第88 号。以下「法」という。)第5条に基づく労働者派遣事業の許可を受けていない派遣元事業主から派遣労働者を受け入れてはならないこととされていること(法第24 条の2)。
なお、医療機関が派遣元事業主となる場合についても、当然に労働者派遣事業の許可を受けている必要があること。

(2)派遣労働者を特定することを目的とする行為の制限

派遣先は、労働者派遣契約を締結する際、派遣労働者を特定することを目的とする行為(事前面接や履歴書の送付等)をしないよう努めなければならないこととされていること(法第26 条第6項)。

(3)派遣先責任者の選任

派遣先は、事業所その他派遣就業の場所ごとに労働者派遣された派遣労働者に関する就業の管理を一元的に行う派遣先責任者を選任し、派遣労働者の適正な就業を確保しなければならないこと(法第41 条)。

(4)派遣先管理台帳の作成・管理

派遣先は、労働日、労働時間等の派遣労働者の就業実態を的確に把握するため、派遣就業に関し、派遣先管理台帳を作成し、派遣就業をした日、派遣就業をした日ごとの始業し、及び終業した時刻並びに休憩した時間等の事項を記載しなければならないこと(法第42 条)。

(5)労働基準法等の適用

労働者派遣制度においては、派遣先に対して、労働基準法労働安全衛生法等に基づく事業主としての責務の一部(労働時間の管理、労働者の危険又は健康障害を防止するための措置等)が課せられていること(法第3章第4節)。

(6)労働・社会保険の加入状況等の確認

派遣先は、派遣労働者を受け入れるに当たって、社会保険・労働保険への加入の有無を確認し、派遣労働者社会保険・労働保険に加入していない場合には、派遣元事業主に対して、その理由を明らかにするよう求めること。
その際、加入していない理由が適正でないと考えられる場合には、派遣元事業主に対し、社会保険・労働保険に加入させてから派遣するよう求めること。

4.接種会場においてコロナワクチン接種を行う看護職員の確保に当たり、派遣労働者を受け入れる際の留意点

労働者派遣の形態によりコロナワクチン接種を行う看護職員を確保する場合には、上記3の労働者派遣制度の特性を十分に踏まえるとともに、コロナワクチン接種の適正実施等の観点から、以下の点に留意の上、適切に対応する必要があること。

(1)派遣元事業主の選定に当たっての留意事項

労働者派遣制度においては、派遣元事業主及び派遣先においてそれぞれ責任者を選任し、派遣労働者からの苦情の処理等の業務に当たらせることとしているところであるが、医療関連業務の専門性等にかんがみると、医療資格者の派遣を行う派遣元事業主は、医療資格者である派遣労働者からの相談・苦情等に適切に対応し得る体制(専門的なスタッフの配置等)を有していることが望ましいものであること。
また、派遣先は、社会保険・労働保険への加入や適切な休暇の付与等の雇用管理が適正になされていることに加え、必要な教育訓練を適切に実施している等の適切な派遣元事業主を選定することが重要であること。

(2)業務内容の把握と派遣元事業主に対する適切な説明

派遣先は、労働者派遣契約を締結するに当たっては、派遣労働者が従事する業務を行うために求められる知識、技術又は経験等について、派遣元事業主に対して事前に十分説明し、派遣元事業主がそのニーズに応じた派遣労働者の選定ができるよう努めること。

(3)派遣就業前の事前研修の実施

コロナワクチン接種の適切な実施を確保するため、コロナワクチン接種の実施主体である市町村等において、派遣される看護職員に対し、ワクチンの接種方法等についての事前の研修(以下「事前研修」という。)を受けさせること。
現在、市町村等においては、以下のような事前研修が行われているので参考にすること。
・薬液の溶解・希釈方法や接種方法等について、コロナワクチン接種を行っている医師による事前研修を行う。
・接種会場において、薬液の溶解・希釈や、コロナワクチン接種の方法を撮影し、その映像を派遣される看護職員に事前に視聴させる。
・市区町村が作成した接種会場の運営マニュアルや、ファイザー社が作成・公開している薬液の溶解・希釈方法に関する動画、日本プライマリ・ケア連合学会予防医療・健康推進委員会ワクチンチームが作成・公開している筋肉注射の方法を解説した動画(「新型コロナワクチンより安全な新しい筋注の方法(2021 年3月版)」)等を一つのパッケージにし、派遣元事業主の協力の下、派遣される看護職員に事前研修を行う。
また、市町村が研修を実施する方法の他、都道府県の調整の下、一部の都道府県看護協会・ナースセンターにおいて、コロナワクチン接種の基礎知識、接種手技の習得等のための講習会が実施されている。これらの実施状況については、別途、情報提供する予定であること。

(4)派遣される看護職員へのコロナワクチン接種について

コロナワクチン接種に関し、医療従事者等は接種順位が上位に位置づけられているところ、派遣される看護職員も医療従事者等に含まれ得るものである。
なお、「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」(「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引きについて」(令和2年12 月17 日付け健発1217 第4号厚生労働省健康局長通知別添))第2章2(2)表2にて示したとおり、市町村がコロナワクチン接種に係る特設会場を設ける場合についても、当該特設会場は医療機関であることから、コロナワクチン接種に従事する者であって、新型コロナウイルス感染症患者と頻繁に接すると当該特設会場を設ける自治体が判断した者を接種対象として差し支えないこと。ただし、この場合、直接会場で予診や接種等を行う者を対象とし、単に非接種者の送迎や会場設営等を行う者は含まないこと。
このため、派遣される看護職員に対しても、コロナワクチン接種について、接種会場で働く他の医療従事者等と同様の扱いとすること。

(5)その他派遣労働者受入後の対応

派遣先は、派遣労働者を受け入れた場合には、当該派遣労働者と当該派遣先において直接雇用している医師、看護師等の医療職やその他の職員との相互の意思疎通が十分になされるよう、必要な措置を講じるよう努めること。
また、派遣労働者からの苦情や相談に対応し得る体制を派遣先責任者の活用等により整え、当該苦情等の適切かつ迅速な処理を図らなければならないこと。

(6)円滑な業務引継のための対応

派遣先においては、派遣労働者の交代により業務の引継ぎの必要が生じた場合でも円滑に業務の引継ぎができるよう、業務に関する記録の作成や管理方法等の標準化に努めること。

(7)責任の所在の明確化

一般に、派遣労働者の業務遂行に伴い患者等の第三者に損害を与えた場合、派遣元事業主と派遣先との間においては、派遣労働者に対して指揮命令を行う派遣先が損害賠償責任を負うものと考えられることを前提に、派遣元事業主との間で労働者派遣契約を締結する際には、損害賠償を含む責任の所在について明確にするよう努めること。

(8)予防接種法に基づく健康被害救済

予防接種による健康被害について、予防接種と健康被害に因果関係があるものについては、接種に係る過失の有無にかかわらず、予防接種健康被害救済制度による救済の対象となること。制度の詳細については、「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」第5章を参照すること。

5.都道府県等による患者等の苦情や相談への対応

都道府県等においては、医療に関する患者等の苦情や相談に対応し、医療安全対策を推進するため、医療法第6条の13 に基づき設置された医療安全支援センターに相談窓口が設けられているところであるが、苦情や相談の内容が、派遣労働の問題に関わるような場合にも、必要に応じ都道府県労働局等とも連携の上、適切な対応を行うこと。

6.派遣元事業主との連携について

派遣元事業者団体に対しては、本日付けで、別紙3のとおり通知している。派遣先は、接種会場への看護職員の労働者派遣を受け入れるに当たっては、別紙3の通知の内容も踏まえ、派遣元事業主と連携を図ること。

若者雇用促進法に基づく「事業主等指針」が改正されました

若者雇用促進法に基づく「事業主等指針」が改正されました

青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関する事業主等が講ずべき措置について規定されている「事業主等指針※」(若者雇用促進法第7条の規定に基づくもの)が改正しました。

今回の改正は、近年問題となった留意事項について、事業主等が講ずべき措置が新たに定められています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000184815_00014.html


※ 「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」(平成27年厚生労働省告示第406号)

背景

青少年の雇用の促進等に関する法律第7条に基づき、「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」(以下「事業主指針」という。)が定められています。
事業主指針については、青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関する事業主等が講ずべき措置について規定されており、近年、問題となった以下の留意事項について、今般、事業主等が講ずべき措置として新たに定められました。

主な改正箇所

募集情報等提供事業者・募集者等における個人情報管理

・募集情報等提供事業者は、 職業安定法に基づく職業紹介事業者等指針(※)第4に基づき、求職者等の個人情報を適切に取り扱うこと。また、募集者等についても同様とすること。

(※)求職者等の個人情報の取扱いについて、
一 個人情報の収集、保管及び使用
二 個人情報の適正な管理
三 個人情報の保護に関する法律の遵守 等に係る事項を規定。

公平・公正な就職機会の提供

・採用内定又は採用内々定と引替えに、他の事業主に対する就職活動を取りやめるよう強要すること等の青少年の職業選択の自由を妨げる行為等については、青少年に対する公平・公正な就職機会の提供の観点から行わないこと。

ハラスメント問題への対応

・事業主は、雇用する労働者が、就職活動中の学生やインターンシップを行っている者等に対する言動について、必要な注意を払うよう配慮すること等が望ましいこと。
・事業主は、パワーハラスメント指針等に基づき、職場におけるパワーハラスメントセクシュアルハラスメント並びに妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメントの防止のため、雇用管理上の措置を講ずること。

内定辞退等勧奨の防止

・採用内定者について、労働契約が成立したと認められる場合には、当該採用内定者に対して、自由な意思決定を妨げるような内定辞退の勧奨は、違法な権利侵害に当たるおそれがあることから行わないこと。

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緊急事態宣言を受けた雇用調整助成金の特例措置等の対応等について

緊急事態宣言を受けた雇用調整助成金の特例措置等の対応について

基本的には、3月下旬に公表された方針と大差ありませんが、業況特例について「休業の初日が属する月から遡って3か月間の生産指標」を比較することが明記されました。例えば、休業の初日が5月1日であれば、3月~5月の売上等について前年もしくは前々年と比較して30%以上下がっているかによって判断するようです。

また、4月末までの特例と5月1日からの特例の基準は、4月末までの期間を1日でも含む判定基礎期間は4月末までの特例を利用できます。例えば、判定基礎期間が4月21日~5月20日の期間は、前年もしくは前々年の同月と比較して10%以上売上等が下がって入れば(どの月を比較対象とするかは柔軟な取扱いあり)、4月までと同様に、中小企業で解雇が無ければ助成率10/10で申請することができます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/r3050505cohotokurei_00003.html

その他、4月30日にかなり情報が公表されていますので、リンクを張っておきます。
なお、判定基礎期間の初日が5月1日以降の申請様式は5月中旬頃に公表される予定です。

まん延防止等重点措置に係る雇用調整助成金のお知らせ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/manenbousi_00001.html

雇用調整助成金申請マニュアル(小規模事業主用 休業編)・・・5月以降にも対応
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000775268.pdf

雇用調整助成金申請マニュアル(小規模事業主用 教育訓練編)・・・5月以降にも対応
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000775268.pdf

緊急雇用安定助成金申請マニュアル(小規模事業主用)・・・5月以降にも対応
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000775265.pdf


1.延長について

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、2021年(令和3年)4月30日までを期限に雇用調整助成金の特例措置を講じられてきましたが、一部内容を変更され、この特例措置が6月30日まで延長されます。

2.特例措置の内容

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(注)金額は1人1日あたりの上限額、括弧書きの助成率は解雇等を行わない場合
①は2020年(令和2年)1月24日から判定基礎期間の末日までの解雇等の有無及び「判定基礎期間末日の労働者数が各月末の労働者数平均の4/5以上」の要件により適用する助成率が判断されます。
②は2021年(令和3年)1月8日から判定基礎期間の末日までの解雇等の有無により適用する助成率が判断されます。

〇予定の部分は施行にあたっては厚生労働省令の改正等が必要であり、現時点での予定とのことです。
雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当については、「緊急雇用安定助成金」として支給されています。

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「社会保険適用作成アプリ」でのCSVデータの扱い方法

社会保険適用作成アプリ」でのCSVデータの扱い方法

社会保険適用作成アプリ」は、次にようにしてデータをCSVファイルとして出力することができます。

「届書の作成」⇒「メニュー」タブ⇒「データ出力」
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「参照」で出力するファイルの名前を指定⇒「出力開始」
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出力したCSVファイルをExcelで開いていると、確かに「社会保険適用作成アプリ」の内容が出力されていることがわかります。
f:id:sr-memorandum:20210502003314p:plain


せっかくなので、CSVファイルに算定基礎届用の賃金等を入力してみます。
f:id:sr-memorandum:20210502003456p:plain


算定基礎届用の賃金等を入力したCSVファイルを今度は、「社会保険適用作成アプリ」で取り込んでみます。
「届書の作成」⇒「データを取り込む」
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賃金等を入力して保存したCSVファイルを指定して、「CSVファイルの取り込み」にチェックに入れて、「OK」をクリックします。
f:id:sr-memorandum:20210502003902p:plain


「1行目を項目名とする」にチェックを入れて、「変換実行」をクリックします。
f:id:sr-memorandum:20210502004216p:plain


すると、エラーが表示されて取り込みができません!!
f:id:sr-memorandum:20210502004436p:plain


なぜかと最初は少々悩みましたが、何ということもありません。
CSVファイルをExcelで開いて保存したため、各セルの先頭にある「0」が消えてしまったため、データの形式が適合しなくなったのが原因です。

Excelでうまく読み込む方法もありますが、面倒なのでCSVファイル編集用専用ソフトを使用することをお勧めします。

ここでは、「Google スプレッドシート」を利用する方法を紹介します。
なお、「Google スプレッドシート 」を利用するためにはGoogleアカウントが必要となります。

まず、次のリンクにアクセスします。
Googleスプレッドシート」のリンクにアクセスします。
https://www.google.com/intl/ja_jp/sheets/about/


Google スプレッドシートを使ってみる」をクリックします。
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「新しいスプレッドシートを作成」の「空白」をクリックします。
f:id:sr-memorandum:20210502005346p:plain


「ファイル」タブの「インポート」をクリックします。
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「テキストを数値、日付、数式に変換」のチェックを外し、「区切り文字の種類」で「カンマ」を選択します。
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「データをインポート」をクリックします。
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先頭の「0」が消えずにインポートされます。
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算定基礎届の賃金等を入力します。
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入力したファイルを今度はダウンロードします。
「ファイル」タブ⇒「ダウンロード」⇒「Microsoft Excel(.xlsx)」をクリックします。
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ダウンロードしたファイルを開くと、今度は先頭の「0」が消えていないことがわかります。
このExcelファイルをcsvファイルで保存します。
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このCSVファイルを最初と同じ手順で取り込むと今度は成功します。
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開いてみると、算定基礎届用の賃金等が入力されていることがわかります。
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日本産業衛生学会による「職場における新型コロナウイルス感染症対策のための業種・業態別マニュアル」の公開

日本産業衛生学会による「職場における新型コロナウイルス感染症対策のための業種・業態別マニュアル」の公開

日本産業衛生学会により、「職場における新型コロナウイルス感染症対策のための業種・業態別マニュアル」が公開されています。
https://www.sanei.or.jp/?mode=view&cid=444

新型コロナウイルス感染症の罹患者が再び大幅に増加していますので、本マニュアルを活用して、今一度、職場においても感染症対策を強化してください。

マニュアルは以下の6つの業種・業態別にPDFで作成されています。
近い業種・業態別のマニュアルを選んで使用してください。

1  オフィス業務
2  製造業
3  建設業
4  接客業務(対面サービス)
5  運輸業(旅客輸送)
6  運送・配送サービス業


なお、どの業種・業態でも事務所があることから、オフィス業務用マニュアルの内容は必要に応じてそれ以外のマニュアルにも収載されているようです。
マニュアルの1ページ目に書かれているマニュアルおよびチェックリストの使用方法をお読み上、ご活用ください。
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源泉所得税改正の概要(2022年以降退職所得課税改正等)

源泉所得税改正の概要

国税庁より、「源泉所得税の改正のあらまし」が公表されました。
人事労務分野に関連しそうな部分のみ抜粋いたします。
詳細は、リンクをご確認ください。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0021004-072.pdf

1.税務関係書類における押印義務の見直しが行われました。
・税務署長等に提出する源泉所得税関係書類について、押印を要しないこととされました。


2.給与等、退職手当等又は公的年金等(以下「給与等」といいます。)の支払を受ける者が、給与等の支払者に対し、次に掲げる申告書の書面による提出に代えてその申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供を行う場合の要件であるその給与等の支払者が受けるべき税務署長の承認を不要とするほか、これに伴う所要の措置が講じられました。
この改正は、令和3年4月1日以後に提出する申告書について適用されます。

⑴ 給与所得者の扶養控除等申告書
⑵ 従たる給与についての扶養控除等申告書
⑶ 給与所得者の配偶者控除等申告書
⑷ 給与所得者の基礎控除申告書
⑸ 給与所得者の保険料控除申告書
⑹ 給与所得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書
⑺ 所得金額調整控除申告書
⑻ 退職所得の受給に関する申告書
⑼ 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書


3.退職所得課税について、次の見直しが行われました。

⑴ 改正前の制度の概要
退職所得の金額は、その年中に支払を受ける退職手当等の収入金額から、その人の勤続年数に応じて計算した退職所得控除額を控除した残額の2分の1に相当する金額とすることとされています。

【退職所得の金額の計算方法】
(収入金額-退職所得控除額)×1/2(注)=退職所得の金額
(注)  勤続年数5年以下の役員等の退職手当等(以下「特定役員退職手当等」といいます。)については、「2分の1課税」を適用しないこととされています。

⑵ 改正の内容
イ  短期退職手当等(※)に係る退職所得の金額については、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額とされました。
(イ)  その短期退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額が300 万円以下である場合
  その残額の2分の1に相当する金額
(ロ)  上記(イ)に掲げる場合以外の場合
 150 万円とその短期退職手当等の収入金額から300 万円に退職所得控除額を加算した金額を控除した残額との合計額

※「役員等以外の者としてに勤続年数」とは、従業員としての勤続年数を意味します。従って、本改正の趣旨は大雑把に言えば、勤続年数5年以下の従業員についても、300万円を超える部分については特定役員退職手当等と同様に、「2分の1課税」を適用しないようにすることです。(増税

【短期退職手当等に係る退職所得の金額の計算方法】
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ロ  短期退職手当等とは、退職手当等のうち、退職手当等の支払をする者から短期勤続年数(勤続年数のうち、役員等以外の者としての勤続年数が5年以下であるものをいいます。)に対応する退職手当等として支払を受けるものであって、特定役員退職手当等に該当しないものをいいます。

ハ  上記イの見直しに伴い、退職手当等に係る源泉徴収税額の計算方法及び退職所得の受給に関する申告書の記載事項等について、所要の整備が行われました。

⑶ 適用関係
 上記⑵イ及びロの改正は、令和4年分以後の所得税について適用され、上記⑵ハの改正は、令和4年1月1日以後に支払うべき退職手当等について適用されます。


〔設例〕 短期退職手当等に係る退職所得の金額の計算方法
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4.住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除に係る居住の用に供する期間等の特例措置が講じられました。
この改正は、特別特例取得等をした家屋を令和3年1月1日から令和4年12 月31 日までの間にその者の居住の用に供した場合について適用されます。

⑴  住宅の取得等で特別特例取得(注)に該当するものをした個人が、その特別特例取得をした家屋を令和3年1月1日から令和4年12 月31 日までの間にその者の居住の用に供した場合には、住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除及びその控除の控除期間の3年間延長の特例が適用できることとされました。
(注)  「特別特例取得」とは、その対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合の住宅の取得等で、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める期間内にその契約が締結されているものをいいます。
  イ  居住用家屋の新築 令和2年10 月1日から令和3年9月30 日までの期間
  ロ  居住用家屋で建築後使用されたことのないもの若しくは既存住宅の取得又はその者の居住の用に供する家屋の増改築等 令和2年12 月1日から令和3年11 月30 日までの期間

⑵  上記⑴の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の特例は、個人が取得等をした床面積が40 ㎡以上50 ㎡未満である住宅の用に供する家屋についても適用できることとされました。ただし、床面積が40 ㎡以上50 ㎡未満である住宅の用に供する家屋に係る上記⑴の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の特例は、その者の13 年間の控除期間のうち、その年分の所得税に係る合計所得金額が1,000 万円を超える年については、適用されません。

※1 上記⑴及び⑵について、その他の要件等は、現行の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除と同様とされました。
※2 上記⑴及び⑵について、認定住宅の新築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の特例及び東日本大震災の被災者等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例についても同様の措置が講じられました。

【解雇】スマートグリッドホーム事件(東京地判令2.12.21)

スマートグリッドホーム事件(東京地判令2.12.21)

この会社を調べてみると、「スマートグリッドホーム株式会社被害者の会」があり、太陽光発電で詐欺まがいの悪徳商法していた会社のようです。
https://www.sg-higai.com/

事件の概要

本件は、太陽光発電設備の販売、管理等営むY社との間で雇用契約を締結していたXが、Y社に対し、①Y社がXにした即時解雇(以下「本件解雇」という。)が解雇権の濫用に当たり違法であり、Y社在籍中にY社代表者から嫌がらせを受け、これらがXに対する不法行為に当たるとして、不法行為による損害賠償請求等を求めるとともに、②平成29 年9 月1 日から本件解雇の日である同月22 日までの賃金の一部が未払であるとして、雇用契約による賃金支払請求権に基づき未払賃金等、また、③雇用契約及び労働基準法20 条による即時解雇に伴う解雇予告手当支払請求権に基づいた支払等を求めた事案である。

(XとY社との間の雇用契約
X(昭和36 年生まれの男性)は、平成29 年8 月21 日、Y社との間で、下記の内容を含む雇用契約を締結した(以下「本件雇用契約」という。)。
ア 開始日平成29 年8 月21 日
イ 期間の定めなし
ウ 試用期間2 か月(平成29 年10 月20 日まで)
エ 就業場所東京都A 区B〇-〇-〇 C ビル〇F
オ 従事すべき業務内容経理財務を含む会社業務全般
カ  始業、終業時刻等始業時刻・午前9 時終業時刻・午後6 時休憩時間・60 分所定時間外労働の有無・有
キ 出勤日、休日1 か月22 日出勤とする。1 か月を30 日とし、業務にあわせて休みをとる(自己で調整する。)。
ク 基本賃金月給制で月額35 万円(基本給14 万円、時間外手当6 万円、単身・住宅手当2 万円、職手当10 万円、皆勤手当3 万円)皆勤手当は、遅刻・早退がない場合に支給する(1 か月内に3 回早退・遅刻があった場合は1/2 日の欠勤とみなし控除する。)。
ケ 賃金支払日毎月末日締め、翌月20 日支払(20 日が土日祭日の場合は翌日)退職時の賃金支払方法は、末日締め、翌月末日払で手渡し支払(月中での退職の場合は日割り計算払)(甲1、3、弁論の全趣旨)


2.双方の主張

争点1(不法行為に当たるか及び損害額)について

(Xの主張)
本件解雇及びY社代表者の言動は、Xに対する不法行為に当たり、これによる損害合計341 万円の損害賠償請求が認められる。

ア 本件解雇の不法行為該当性(本件解雇の意思表示の日及び内容を含む。)
(ア)本件解雇の意思表示及び内容Y社の代表者(代表取締役)であるE(以下「E」という。)は、平成29 年9 月22 日、Xを会議室に呼び出し、Xに対し、「おまえは気に食わん。1 か月分余計にやるからすぐにやめろ。」と言って本件解雇の意思表示をし、「今から出て行け。」と怒鳴り付け、Xは、荷物をまとめる暇なく退社せざるを得なかった。
なお、Xが、平成29 年9 月25 日にE から解雇予告を通知された事実はない。
(イ)本件解雇の違法性Y社が後記のとおり主張する「試用期間中または試用期間満了時までに、従業員として不適格と認められた場合」に当たるとする事実を否認する。
Xは、Y社に採用された直後から、Y社の経理・総務面での体制づくり及び人材確保に奔走したものであって、何ら解雇事由に当たる事実はない。この点、Xは、平成29 年8 月末ころ、E から経理業務や総務業務を統括するよう指示を受け経理ソフトの導入を支援したことは認めるが、Y社の決算業務を行うことを指示されておらず(そもそも決算期、決算書、Y社名義の銀行預金通帳の開示もない。)、平成29年9 月1 日以降、太陽光事業施工販売合同会社(以下「合同会社」ということがある。)の立ち上げに専念していたため、Y社の経理業務はE の判断に任せていた。Y社には、当時、弥生会計とソリマチの二つの会計ソフト(正確には、顧客管理を含む販売管理ソフト)があり、弥生会計にデータが不完全な状態で入力されたままであったところ、Xは、Y社の経理担当社員が弥生会計を使い慣れていないことを考慮してEにソリマチの採用を進言した。なお、Xは、合同会社について、平成28 年及び平成29 年の決算業務及び給与計算等を行った。また、Xは、太陽光発電設備の設置予定地について調査するよう指示されたが、翌日解雇された。
そして、Xは、合同会社社員の業務管理をするよう指示され、本社事務員、営業部員、F・G・H・I・J・K 等の施設のメンテナンス要員を採用するため毎日2~5 名の面接を行っており、多数の社員が採用後間もなく退職したり入社辞退したりしたのは、合同会社の仕事がなかったことに加えて、合同会社と関係のないE が指示を与えるなど指揮命令が混乱していたことなどが原因で、Xと関係ない。
加えて、Xは、Y社から合同会社の支店を設置する事務所用の建物を探すよう指示を受け、事務所物件を探して提案したが、いずれもE に却下された。さらに、Xは、平成29 年9 月20 日、E に対し、同月22 日午後に子の通う学校からの呼び出しに対応するため中座する旨及び同月26 日午後2 時に大臣秘書へ挨拶に行く旨を連絡し、E の了解を得ているところ、Xは平成29 年9 月22日朝、解雇されている。
また、Xは、過去(10 年以上前)に知人のため探偵事務所を届け出たことがあったものの、探偵としての業務経験がなく、Y社との本件雇用契約期間中に探偵業に関わった事実は一切ない。したがって、XがY社の従業員として不適格と認められる事実はない。
本件解雇は、具体的根拠なく行われたものであり、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない不当解雇であり、更に解雇予告手当を支払うことなく通知された即時解雇であって、違法である。
そして、本件解雇に至る経緯及び解雇後の対応に照らすと、嫌がらせ行為及び違法な本件解雇についてのY社の故意過失があったことが明らかであるから、Y社は、Xに対し、不法行為に基づき、Xに生じた損害を賠償すべき責がある。

イ Y社代表者の言動E は、XがY社において誠実かつ真面目に勤務していたにもかかわらず、Xに対し、平成29 年9 月12 日ころから嫌がらせをするようになり、「俺の指示どおりにやれ。」、「おまえは社長室に入るな。」、「ここに座るな。あっちに行け。」、「書類に触るな。」などと言って仕事から排除し、「他の事務員に話すな。」などと他の社員とのやりとりも禁じた(これらのE の言動について以下「本件嫌がらせ行為」ということがある。)。
上記アにも照らし、本件嫌がらせ行為についてY社の故意過失があったことは明らかであり、本件嫌がらせ行為も不法行為に当たる。

ウ 損害額(合計341 万円)
(ア)慰謝料Xは、Y社による本件解雇及び本件嫌がらせ行為によって、社会的名誉が毀損されるとともに、多大な精神的苦痛を被った。かかる精神的苦痛を慰謝するに足りる損害賠償金の額は、少なくとも100 万円を下らない。
(イ)逸失利益Xは、本件解雇により得られるべき賃金を得られなくなった。Xは、本件解雇時56歳かつ身体障害程度等級4 級で、再就職が極めて困難であることに照らせば、少なくとも半年間分の賃金相当額210 万円(=月額35 万円×6 か月)が不当解雇による逸失利益として認められるべきである。
(ウ)弁護士費用弁護士費用は、上記(ア)の慰謝料及び上記(イ)の逸失利益の合計額310 万円の1 割の31 万円が適当である。


(Y社の出張)
本件解雇は有効であって違法ではなく、不法行為に当たるようなY社代表者の言動も存しないから、Xの請求を争う。

ア 本件解雇の不法行為該当性
(ア)解雇の意思表示及び内容
X主張の平成29 年9 月22 日の本件解雇の意思表示の事実を否認する。E は、同日、Xに対し、1 か月分の賃金を支払うので退職して欲しい旨退職勧奨をしたが、Xとの間で退職合意に至らなかった。E は、平成29 年9 月25 日、Xに対し、口頭で、平成29 年10 月25 日を退職日とする解雇予告通知をした。
(イ)解雇が違法でないことXは、平成29 年8 月末ころ、Y社から経理業務及び総務業務を統括すること、Y社及びその関連会社である合同会社経理ソフトを導入した上で決算業務を行うことを指示されていて、Y社の希望する経理ソフト(弥生会計)の導入が可能であると述べていたにもかかわらず、その導入作業の途中から別の経理ソフトに変更すべきであると述べて別の経理ソフトの導入作業を進めたが、その後、再び弥生会計を導入すると述べるなど対応を二転三転させて経理ソフト導入業務を完了させず、決算業務をしなかった。
また、Xは、Y社から、I 県、L 県、M 県、F 県等において太陽光発電設備の設置予定地の土地所有者との間で買い取り交渉をしたり太陽光発電設備設置済みの場所において同設備のメンテナンス管理業務をしたりしているY社関連会社(合同会社)の社員の業務管理をするよう指示されていたにもかかわらず、これらの業務を怠った。その結果、Y社関連会社(合同会社)の多数社員が退職することになってY社の業務を中断せざるを得なくなった。
さらに、Xは、Y社から、Y社関連会社(合同会社)の支店起ち上げ業務を行うよう指示されていたにもかかわらず、Xはその業務をしなかった。加えて、Xは、就業時間中、「議員との打合せがあるから。」、「子どもの学校の用事があるから。」などの理由でY社の許可なく職場を離れたり許可なく早退したりすることがあった。
また、Xは、本件雇用契約期間中、Y社に無断で「X 探'CCX偵事務所」を開いて探偵業をしていた。Y社は、上記の事実が「試用期間中または試用期間満了時までに、従業員として不適格と認められた場合」(就業規則20 条1 項8 号)に該当することを理由にXを解雇したのであり、不法行為法上違法でなく、Y社に損害賠償義務はない。

イ Y社代表者の言動X主張のE の言動を否認する。
E は、Xに対し、不法行為法上違法と評価される嫌がらせをしていない。

ウ 損害額否認する。
Xの再就職が困難である点については、Y社が発生させた損害ではなくY社が責任を負うべきではない。
また、Xの試用期間は平成29 年10 月20 日までであり、本採用の拒否について使用者に広い裁量があるため、解雇がなかったとしても、Xが同日以降勤務できていたとはいえない。したがって、Xに何らかの逸失利益が発生しているとしても、その範囲は相当狭いものである。

争点2 省略

争点3 解雇予告手当及び付加金の有無等〔未払賃金の遅延損害金を含む。〕)について

(Xの主張)

ア 解雇予告手当
本件解雇は平成29 年9 月22 日即日解雇であるから、Xには、平均賃金30 日分の解雇予告手当の請求権がある。Xの平均賃金は、算定事由が発生した日以前3 か月間に支払われた賃金の総額をその期間の総日数で除した金額であるところ、解雇日前の賃金締切日は平成29 年8 月末であり、同月の21 日から31 日(11 日間)の賃金支払額は14 万5454円であり、1 日当たりの平均賃金は1 万3223 円09 銭(≒14 万5454 円/11 日)となる。解雇予告手当は、平均賃金の30 日分であるから、39 万6693 円(≒1 万3223 円09 銭×30 日)である。
この点、Y社は、解雇言渡しから1 か月の経過時点で解雇の効力が生じたといえることを理由に解雇予告手当の支払義務を負わない旨主張しているが、予告義務違反の解雇の効力について判断した後記Y社援用の最高裁判決は、解雇予告手当の支払義務について射程が及ぶものではなく、解雇の意思表示後労働者を就労せしめないで30 日を経過して雇用契約が終了した後においてはなお30 日分の平均賃金に相当するものを現実に支払わない場合に解雇予告手当の支払義務を負うと解すべきであり、本件は、平成29 年9 月22 日に解雇を通告された後でE から「今から出て行け。」などと言われて事務所を追い出され、同月26日にも事務所への入室を拒否され、以降、それまで頻繁に届いていた「LINE」上の指示も全く得られない状況となり、平成29 年10 月3 日には解除日を同年9 月27 日とする本件通知書が届いたことから、もはや使用者により「労働者を就労せしめない」状況であったことは明らかであり、Y社は、Xに対し、解雇予告手当の支払義務を負う。
万一、平成29 年9 月22 日の即時解雇が認められない場合であっても、同日の通告と入室拒否及び同月27 日付けの解除日の通知の事実によってXが労務提供を断念せざるを得なかったから、Y社は即時解雇の意思表示と誤解されるような予告義務違反の解雇を行ったといえ、解雇予告手当を支払うべき公法上の義務を負うというべきである。

イ 付加金(解雇予告手当と同額)
Y社は、全く合理的でない理由により解雇予告手当の支払を拒んでおり、その違法の程度は大きく、解雇予告手当と同額の付加金の支払が命ぜられるべきである。

ウ 未払賃金の遅延損害金Y社は、何ら証拠を示さずにXの未払賃金支払請求を争っていて、賃金の支払い拒絶が、合理的かつやむを得ない事由に基づくものとも、合理的な理由がないとはいえない場合とも認められないから、年14.6 パーセントの割合による遅延損害金が認められるべきである。

(Y社の主張)

ア 解雇予告手当
Y社は、平成29 年9 月25 日、Xに対し、口頭で同年10 月25 日を退職日とする解雇予告通知をしているから、解雇予告手当の支払義務を負わない。
また、仮にXが主張する即時解雇と評価されたとしても、即時解雇のみに固執したものではないから、解雇言渡しから1 か月の経過時点で解雇の効力が生じたといえ(最二小判昭和35 年3 月11 日・民集14 巻3 号403 頁)、解雇予告手当の支払義務を負わない。

イ 付加金、遅延損害金
本件は、「合理的な理由により、裁判所又は労働委員会で争っていること」(賃確法6 条2項、賃確法施行規則6 条4 号)に該当するため、年14.6 パーセントの割合による遅延損害金を規定した賃確法6 条1 項及び同法施行令1 条は適用されず、付加金も命じるべきではない。

3.判決の概要

認定事実

後掲各証拠(ただし、後記認定事実に反する部分を除く。また、原則として枝番号を省略する。)及び弁論の全趣旨によれば、前記前提事実を含め、次の各事実が認められる。

(1)Xの入社経緯
Xは、平成26 年12 月、右足膝下を切断して自営業を継続できず失職し、平成27 年1月に身体障害者手帳の交付を受け(4 級)、同年4 月に年金の支給が決定されたが、同年12 月ころまで経過観察としてリハビリ科等への通院をして年金のみで生活した後、ハローワークに職業あっせんを依頼した。
しかし、Xの年齢及び上記障害から応募しても面談すらしてもらえなかったり面談に至っても採用されなかったりすることが続いた末、平成29 年8 月21 日に本件雇用契約を締結するに至った。

(2)Xの就労
Xは、Y社に入社した直後、E から、「LINE」(スマートフォンにインストールするなどしてメッセージ交換をするアプリケーション。以下「LINE」という。)に登録することを指示され、以後、LINE を用いてE からの業務指示やXからの報告等に活用されることになり、同日から就労を開始した。Xは、平成29 年8 月末ころ、E から「経理総務の総括をして欲しい」との指示があったことから、以後、Y社の事務所内にある会計・総務関連の書類整理をするとともに、給与計算のためのデータ整理、給与計算ソフトへのデータ入力、面接及び採用等の業務を行った。
また、Xは、そのころ、E から、「合同会社を平成29 年9 月1 日から立ち上げて欲しい。」旨依頼され、平成29 年9 月1 日から、東京都A 区B〇丁目所在の合同会社事務所と同B〇丁目所在のY社事務所を往復するなどしてY社の業務と合同会社の業務を行った。E は、平成29 年9 月中旬ころより、Xに対し、執務場所を制限するなどXの労働を制限する言動をするようになった。なお、平成29 年9 月の1 日(金曜日)から21 日(木曜日)までのXの勤務日数は18日である。

(3)本件解雇
Xは、平成29 年9 月22 日(金曜日)、午前8 時41 分に出社したところ、午前9 時前ころ、E から、会議室に呼ばれた。E は、会議室に来たXに対し、「おまえは気に食わん。1 月分余計に放るからすぐにやめろ。」、「今から出て行け。」と言い、XはE から即時解雇を通告されたものと受け止めた。そのため、Xは、合同会社にあった私物(令和元年10月1 日にXがY社から受領)を取りに行くこともできないまま、午前9 時51 分に退社した。
E は、上記のとおり会議室でXに言った直後、同会議室の外にいたY社の従業員で法務担当のN(以下「N」という。)らに対し、「Xに1 か月分の予告手当を払って今日で辞めてもらう。」と言った。E は、平成29 年9 月25 日(月曜日)、N 及びY社の従業員・「O」(以下「O」という。)に対し、「Xには解約予告手当を払って辞めさせるのはもったいなくなったので、外部社員として働いてもらうから、話をしてくれ。」と指示したが、詳細な労働条件について説明しなかった。そこで、N 及びO は、Xに連絡して、同日の昼ころ、喫茶店において、Xと面会し、N がXに「外部社員として働いて欲しい。」と言うとXが「わかりました。」などと答えた。N は、同日午後3 時ころ、E から「Xに連絡して自分が外部社員の件について話をするから呼んでくれ。」と指示されたので、Xに連絡し、同日午後4 時ころにY社事務所に到着したXを応接室で待機させた。その後、N は、来客対応中のE から、「Xと一緒に近くのホテルのラウンジで待っていてくれ。」と指示され、同日午後6 時ころ、Xを連れてE の指定したラウンジに行った。その後、E は、同ラウンジに赴き、Xに対し、翌26 日の午前9 時までにY社事務所に来るように指示のみして、その場を立ち去った。
Xは、平成29 年9 月26 日、午前9 時前にY社事務所に赴いたが、事務室に入ることを許されないまま会議室で待機するなどした後、O から「E 社長が(Y社事務所の)近隣で事務所を探すようXに指示した」旨聞いたので、不動産屋をまわって複数の候補を抽出した後、午後4 時ころ、その結果をLINE でE 及びO に報告して退社したが、両名から返信等はなく、以後、業務の指示もなかった。E は、平成29 年9 月の25 日ないし29 日ころ、N に対し、「X)に解約予告通知をするから文面を作れ。」、「解除日は9 月27 日にしろ。」、「『職場放棄のため』を追加しろ。」などと指示し、N が同指示のとおりの文面を作成し、平成29 年9 月29 日、E がこれに押印して本件通知書を完成させると「すぐに投函しろ。」と指示した。N は、平成29 年9 月29 日が金曜日で遅い時間になっていたので、平成29 年10 月1 日(日曜日)に本件通知書を投函し、同月3 日ころ、これをXが受領した。

争点1(不法行為に当たるか及び損害額)について

(1)本件解雇の意思表示及び内容Xは、平成29 年9 月22 日、E が本件解雇の意思表示をした旨主張し、Y社は、退職勧奨をしたのみで解雇の意思表示をしていない旨反論している。
検討するに、Xは、E から会議室に呼ばれて「おまえは気に食わん。1 月分余計に放るからすぐにやめろ。」、「今から出て行け。」と言われた旨供述(本人尋問における供述のほか陳述書の記載を含む。以下同)しているところ、N も、前記1(3)のとおり、E が「Xに1 か月分の予告手当を払って今日で辞めてもらう。」と述べた、その3 日後、E から「Xには解約予告手当を払って辞めさせるのはもったいなくなったので、外部社員として働いてもらうから、話をしてくれ。」と指示された旨供述している。
N は、平成29 年9 月1 日からY社の法務担当として稼働し、翌月である10 月3 日にE から退職勧奨されて退職し、遅くとも平成30 年12 月20 日までに他の会社で稼働している者で、虚偽供述をするような格別の利害関係等もうかがえず、その供述内容はXのタイムカードの打刻、本件通知書の存在に加えてY社作成の給与明細表にも「9/21 退職」と記載があることを含め、関係証拠にも整合していることから、N の上記供述は信用することができ、同供述と整合するXの上記供述もまた信用することができる。
これに対し、E 作成の陳述書には平成29 年9 月22 日に「退職条件として1 か月分の賃金を支払うので退職して欲しい」旨述べたのみで即時解雇はしていない、Xから同意を得られなかったとの記載がある。しかしながら、上記陳述書の記載のとおり退職勧奨にすぎずXがY社従業員のままであったのであれば、Xが午前9 時51 分に退社したこと(前記1(3))、Xが合同会社にあった私物を持ち出せないまま令和元年10 月1 日に受領するに至っていることに整合しない。また、E は、代表者本人尋問において、Xが平成29 年9 月22 日に「合意で辞めたと思います。」と供述しているが、上記陳述書の記載から内容を変遷させたと評さざるを得ない上、Xが退職勧奨されて即時受け入れるという重い決断をするほどの事情が当時存したことも証拠上うかがえない。もとより信用できるN 及びXの上記各供述とも整合しないから、E の上記陳述書の記載及び代表者本人尋問における供述はいずれも信用できない。
そうすると、X及びN の各供述から、E が、平成29 年9 月22 日、Y社の会議室において、即時解雇する旨意思表示をした事実(本件解雇の意思表示をした事実)を認めることができる。

(2)本件解雇の違法性
Y社は、就業規則20 条1 項8 号が規定する「試用期間中または試用期間満了時までに、従業員として不適格と認められた場合」に当たる事実があると主張し、Xはこれを否認している。Y社の主張の骨子は、①指示された経理ソフト導入業務を完了させず決算業務をしなかった、②太陽光発電設備の設置予定地の買取交渉やY社関連会社(合同会社)社員の業務管理を指示されていたのに怠った、③Y社関連会社(合同会社)の支店起ち上げを指示されたのに怠った、④許可なく職場を離れたり早退したりした、⑤無断で探偵業をしていたというものと理解できるので、以下検討する。
Xは、上記①について、当初、一部データが弥生会計・弥生給与に入力されていたことから弥生会計・弥生給与を経理ソフトとして使用することをE に進言していたが、事務員が弥生会計・弥生給与を使用できず「ソリマチ会計18」・「ソリマチ給与計算18」なら使用できるということであったので事務員の使用可能なソフトへの変更をE に進言してE から文句を言われ、その後、E が用途の違うソフトに会計データ等を入力するよう事務員に指示していた、そもそも決算書、Y社名義の銀行預金の通帳も開示されていなかったと供述しており、その内容自体に不自然不合理な点はなく関係証拠との矛盾等も見当たらないところ、Y社はその主張を裏付ける的確な証拠を提出できていない。
また、Xは、Y社が主張する上記②及び③の業務懈怠の事実を否認して、E から指示された業務を行っていた旨供述するところ、E とXとの間のLINE のやりとりの証拠によれば、XがE からLINE で指示されて業務を遂行している状況をうかがうことができる一方、Y社が主張するようなXの業務懈怠を指摘する箇所は見当たらず、Y社はその主張事実を裏付ける的確な証拠を提出できていない。
さらに、Xは、Y社が主張する上記④の無断早退等について、E の了解を得ている旨反論するところ、LINE のやりとりの証拠によれば、Xが、平成29年9 月20 日(本件解雇の二日前)、E に対し、LINE で「9 月22 日午後1 時子供の学校からの呼び出しがあり、学校にいきます。9 月26 日午後2 時に国土交通省の石井大臣秘書に挨拶に行くことになりました。いずれも終わり次第戻ります。社長も国土交通省に行きますか?紹介します。」などと送信し、E が、翌21 日、「E 回答、了解です」と回答していること(Eは「了解」は仕方がないという意味である旨弁解するが了承するという意味と解するのが自然というべきである。)から、Xには早退等について上司であるE に相談して許可を得るなどの常識的な就労態度がうかがえるといえ、Xの上記反論に整合的な証拠があると評価でき、証拠によればXのタイムカードに手書きの部分があると認められるが、だからといって手書き部分が虚偽で許可なく早退したと評価することはできず、Y社はこれら評価を覆してその主張を裏付ける的確な証拠を提出できていない。
加えて、Xは、Y社が主張する上記⑤探偵業について本件雇用契約期間中に関わった事実が一切ない旨反論するところ、Y社は、その主張する根拠として、「X 探偵事務所 所長X」などと記載された名刺を証拠として提出するのみで、Xが本件雇用契約の期間中に探偵業に関わった事実を認めるに足りる証拠を提出できていない。
したがって、Y社が主張する「試用期間中または試用期間満了時までに、従業員として不適格と認められた場合」に当たる事実は、いずれも認められないから、本件解雇は、客観的に合理的な理由及び社会的相当性を欠くものであって、無効であったというべきである。そして、このような本件解雇の無効及び本件解雇に至る経緯等を踏まえると、本件解雇自体が権利濫用に該当する違法なものであり、不法行為に当たる。

(3)Y社代表者の言動
Xは、本件嫌がらせ行為があったとしてこれが不法行為に当たる旨主張するところ、E は、平成29 年9月中旬ころより、Xに対し、執務場所を制限するなどXの労働を制限する言動をしたと認められるが、平成29 年9 月22 日には即時解雇する意思表示をしていて、E の言動に関する期間が短期であることなどに照らすと、本件解雇について不法行為が成立することに加え、E の上記言動自体を独立の不法行為と評価するに足りる事実(故意・過失及び違法性に係る事実)を認めるに足りる証拠はないというべきである。
したがって、Y社代表者の言動は、不法行為に当たる本件解雇の経緯に止まり、それ自体は不法行為に当たらない。

(4)本件解雇の損害額
本件解雇は無効であるところ、証拠及び弁論の全趣旨によれば、Xは、平成29 年9 月22 日、Y社代表者であるE から本件解雇の意思表示をされて、その場で、本件雇用契約に基づくY社の指揮命令下で就労する意思を喪失したと認められる。本件解雇の意思表示を受けた3 日後である平成29 年9 月25 日ころ、Y社から外部社員として働く話を提示されて協議に応じる態度を示してE が消極的態度に転じたことにより契約締結に至らないままになった経過は、上記認定を左右するものではない。そうすると、本件雇用契約は、本件解雇及びその後のXの就労意思の喪失により終了したと認められ、これにより、XのY社に対する本件解雇翌日以降の賃金請求権も消滅し、Xは、本件解雇という不法行為によって本来得られたはずの賃金請求権を喪失したことになる。
そして、Xは、その年齢及び障害から、Y社に就職するまで就職活動で苦労してきたものであり、証拠及び弁論の全趣旨によれば、本件解雇後2 年以上にわたり再就職先を見付けることができなかった事実が認められるものの、Xの本件解雇(即時解雇)に至るまでのY社における就労期間は約1 か月で試用期間(2 か月)中であったこと、解雇予告手当に係る請求が別途認容されることなどの事情も踏まえると、本件解雇と相当因果関係のあるXの逸失利益は賃金(月35 万円)の3 か月分である105 万円の限度で認めるのが相当である。
また、上記で認めた逸失利益に加えて、慰謝料を別途認めるまでの事情はないというべきである。そして、本件解雇と相当因果関係のある弁護士費用は10 万円の限度で認めるのが相当である。したがって、本件解雇の損害額は、115 万円と認める。

(5)小括
よって、Y社は、Xに対し、上記115 万円及びこれに対する本件解雇の日である平成29 年9 月22 日から支払済みまで改正前民法所定の年5 パーセントの割合による遅延損害金の支払義務を負う。

争点2(省略)

争点3 解雇予告手当及び付加金の有無等について

(1)解雇予告手当
Y社は、Xに対し、平成29 年9 月22 日に即時解雇する意思表示をしていることから、平均賃金30 日分の解雇予告手当の支払義務を負う。この点、Y社は、即時解雇に固執しないとして解雇言渡しから1 か月の経過時点で解雇の効力が生じたから解雇予告手当の支払義務を負わないと主張している。
しかし、Y社は、Xに対し、平成22 年9 月22 日に即時解雇の意思を表示して直ちに退社させ、その後も、外部社員という形での提案をしたことはあっても、本件雇用契約に基づく労務の提供を受け入れる意思を表明した事実を認めるに足りる証拠は存しない。
この点、Y社はXに本件通知書を発送してXが平成29 年10 月3 日ころに受領しているが、本件通知書記載の「雇用契約解除日」は平成29 年9 月27 日であることから、Y社が本件雇用契約に基づく労務の提供を受け入れる意思を表明した文書と評価することは到底できない。
したがって、Y社の主張する上記時点で解雇の効力が生じたと解した場合、Xが労務を提供できないことについてY社の責めに帰すべき事由があったといえ、民法536 条2 項によりXは30 日分の賃金請求権を失わないことになるが、Y社は、本件訴訟の口頭弁論終結に至るまで、この賃金支払意思を示していない。そうすると、本件解雇の効力発生時期をいかに解するかにかかわらず、Y社がXの解雇予告手当支払請求を拒むことは許されないと解するのが相当というべきである。
そして、解雇予告手当の額について、本件は、雇入から3 か月に満たないで解雇となっていることから、労働基準法12 条6 項により、雇入後の期間の平均賃金を算出すべきことになるが、本件解雇直前の賃金締切日より計算すると一賃金算定期間(1 か月を下らない期間)に満たなくなる場合に当たるから、雇入日(平成29 年8 月21 日)から本件解雇の前日(平成29 年9 月21 日)まで全期間を算定すると解すべきであり、これを前提に計算すると、上記期間の総賃金が43 万1818 円(=8 月分14 万5454 円+9 月分〔21 日・木曜日まで〕28 万6364 円〔≒35 万円÷22 日の18 日分、1 円未満四捨五入〕)であり、上記期間の総日数が32 日であることから、平均賃金は1 万3494 円31 銭(1 銭未満切捨)となり、本件解雇における解雇予告期間は0 日であるから、解雇予告手当は40 万4829 円(≒1 万3494 円31 銭×30 日、1 円未満四捨五入)となる。
そうすると、Xの請求する解雇予告手当の額(39 万6693 円)は、40 万4829 円を超えないから、Xの解雇予告手当支払請求は、その請求額の限度で認容することができ、Y社は、Xに対し、上記39 万6693 円及びこれに対する本件解雇の日の翌日である平成29年9 月23 日から支払済みまで改正前民法所定の年5 パーセントの割合による遅延損害金の支払義務を負う。

(2)未払賃金の遅延損害金
Y社は、賃金残額(16 万8184 円)のうち1 万4927 円の未払を認めるに至ったものの弁済しないままとし、その余について債務の存在を争っている。そして、Y社の主張及び立証をみるに、Y社は合理的な理由をもって賃金残額に係る債務の存在を争っていると認めることはできない。
したがって、Y社のXに対する上記賃金残額支払債務について、賃確法6 条2 項を適用することはできず、Y社は、Xに対し、同条1 項に基づき、上記債務につき解雇月賃金の支払日(解雇翌月末日)の翌日である平成29 年11 月1 日から支払済みまで年14.6 パーセントの割合による遅延損害金の支払義務を負う。

(3)解雇予告手当に係る付加金
Y社が解雇予告手当の支払を拒み続ける合理的根拠がないこと仮に本件解雇の意思表示の日から30 日後まで雇用契約が継続したと仮定してみても民法536 条2 項により効力発生時までの賃金支払義務があるというべきところその賃金支払の意思も全く示していないことY社が即日解雇である本件解雇の意思表示をした後で同意思表示の内容と異なる本件通知書をX宛発送して本件通知書の記載内容をY社に有利に解して解雇予告手当の支払義務を争っていること、その他本件に現れた一切の事情を考慮すれば、解雇予告手当の認容額全額に相当する39 万6693 円の付加金の支払を命ずるのが相当である。
したがって、Y社は、Xに対し、上記39 万6693 円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで民法所定の年3 パーセントの割合による遅延損害金の支払義務を負う。

4.解説

解雇予告手当を支払わずに行った解雇の効力について、最高裁判例細谷服装事件 最二小判昭和35.3.11民集14巻3号403頁)は、会社が即時解雇に固執している場合は無効、そうでない場合は、30日の解雇予告の期間が経過した日または定められた解雇予告手当を支払った日に解雇の効力が生じるという、いわゆる「相対的無効説」を取っています。
労働者の保護を欠くものとして批判が多い判例ですが、本件もこの見解に拠り、即時解雇に固執しているとして無効としています。
なお、労働基準法20条1項は、「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。」としていますが、30日前に予告することの意義は、解雇日までの30日間の所定労働日は労務提供を受けて、その間の賃金を支払うことです。
従って、少なくとも労働者に労務提供をする意思があるのなら会社は受入れる必要があり、本件のように、職場から締め出したりすると即時解雇に固執していると受け取られます。
また、本件では、「雇用契約解除日」(解雇日)が平成29 年9 月27 日である文書を同年10月3日頃にY社はXに渡していますが、これでは9月27日から同年10月3日の労務提供が不可能なことが明らかなため、「本件雇用契約に基づく労務の提供を受け入れる意思を表明した文書と評価することは到底できない。」とされています。