社会保険労務士川口正倫のブログ

横浜市の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ

【安全配慮義務】三菱重工業神戸造船所事件(最一小判平成3.4.11労判590号14頁)

三菱重工業神戸造船所事件(最一小判平成3.4.11労判590号14頁)

参照法条 : 労働基準法2章、民法415条
裁判年月日 : 1984年7月20日
裁判所名 : 神戸地
裁判形式 : 判決
事件番号 : 昭和52年 (ワ) 1122 
昭和53年 (ワ) 832 

1.事件の概要

Xらは、Y社の造船所において、下請労働者としてハンマー打ち作業等に従事していたところ、聴力障害(難聴)に罹患したとして、Y社に対し、安全配慮義務違反を理由に損害賠償を請求した。第一審では、一部の原告について時効の完成などを理由に請求を棄却したが、その他の原告については請求を認容した。第二審は、第一審で棄却された原告と認容された原告の一部について、右聴力障害と義務との因果関係を否定し、請求を棄却した。上告審は、第二審判断を維持したが、安全配慮義務について、以下のように判断し、請負関係にある労働者についても、この法律の適用を認めた。

2.判決の概要

Y社の下請企業の労働者がY社の神戸造船所で労務の提供をするに当たっては、いわゆる社外工として、Y社の管理する設備、工具等を用い、事実上Y社の指揮、監督を受けて稼動し、その作業内容もY社の従業員であるいわゆる本工とほとんど同じであったというのであり、このような事実関係の下においては、Y社は、下請企業の労働者との間に特別な社会的接触の関係に入ったもので、信義則上、右労働者に対し安全配慮義務を負うものであるとした原審の判断は、正当として是認することができる。


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