社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



長女の出産に際し、その家族の世話をするために泊まっている長女宅から出勤する途中の事故は、通勤災害か(昭52.12.23基収1027号)

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長女の出産に際し、その家族の世話をするために泊まっている長女宅から出勤する途中の事故は、通勤災害か(昭52.12.23基収1027号)

(問)
 被災労働者Hは、看護婦として医療法人T病院に勤務し、通常は自宅より通勤していたものであるが、同一市内に住む長女が出産するに際し、いわゆる核家族(夫婦と子供2人―長女4歳、次女3歳)である長女宅の家事、産褥等の世話をするため、昭和52年1月4日より被災当日である1月19日まで15日間長女宅に泊り込み、そこから通勤していたものである。
 被災労働者は、当日(1月19日)午前8時30分から勤務のため、午前7時40分頃長女の夫が運転する自家用車に長女の子供2人とともに同乗し長女宅を出発した。そして、午前7時45分頃子供の託児先に到着し、子供を託児先にあずけてすぐ車に引き返し、勤務先に送ってもらうため再び車に乗ろうとしたとき、道路が消雪パイプの水で凍結していたため、足をすべらせて転倒したものである。

(答)
 通勤災害と認められる。

(理 由)
 本件の場合、被災労働者が長女宅に居住し、そこから通勤する行為は、客観的に一定の持続性が認められるので、当該長女宅は被災労働者にとっての就業のための拠点、つまり住居と認められる。
 また、被災労働者は、長女に代ってその子供を世話する立場にあったと認められるので、被災労働者が出勤の途中で当該子供を託児先にあずけるためにとる経路は、本人の就業のためにとらざるを得ない経路であり、合理的な経路と認められる。
 したがって当該出勤行為は通勤と認められるので、本件災害は、労災保険法第7条第1項第2号の通勤災害に該当する。