帰宅途中に書店及び交通事故写真展示会に立ち寄り、再び通常経路で帰宅する際の事故は、通勤災害か(昭49.11.27基収3051号)
(問)
被災労働者は、業務終了後、自動二輪車で帰宅する途中、通常の通勤経路より約50メートル離れたN書店に書籍購入のため立ち寄り(約3分)その後、同書店より約50メートルのT信用組合のロビーで開催されている交通事故写真展を見学(約20分)した後、再び通常の通勤経路に復し、自宅に向かって走行中、前方の自動車を追い越そうとした際対向車と衝突し、負傷したものである。
なお、会社と自宅との間の通常の通勤経路上には、他に書店はなかった。
(答)
通勤災害とは認められない。
(理 由)
本件の場合、被災労働者が退勤途中において書籍の購入のため書店に立ち寄った行為は、労災保険法第7条第3項のただし書きにいう「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行なうための最小限度のもの」に該当するが、その後の交通事故写真展の見学行為については、当該労働者の興味によるものであって、ここにいう日常生活上必要な行為には該当しない。
したがって、本件災害は、通勤経路の逸脱後に生じたものであり、通勤災害とは認められない。