社会保険労務士川口正倫のブログ

横浜市の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ

【性差別】塩野義製薬事件(大阪地判平成11.7.28労判770号81頁)

塩野義製薬事件(大阪地判平成11.7.28労判770号81頁)

参照法条 : 労働基準法20条、労働基準法2章
裁判年月日 : 1990年5月30日
裁判所名 : 大阪地
裁判形式 : 判決
事件番号 : 平成1年 (ワ) 7695 

1.事件の概要

技術補助職から担当する製品の責任者(製担)になった女性労働者Xが、同期入社、同職種の男性従業員(5名)と賃金のとの間に大きな格差があるのは性差別に当たるとして、男性従業員の平均額と原告に現実に支給された賃金との差額相当額および右差別による慰謝料等の支払いを求めて提訴した。

2.判決の概要

Y社は、昭和54年6月に、Xをその職種を変更して製担としたのであるから、同じ職種を同じ量及び質で担当させる以上は原則として同等の賃金を支払うべきであり、その当時、基幹職を担当していた同期男性5名の能力給の平均との格差が少なくなかったことからすれば、生じていたその格差を是正する義務を生じたものといわなければならず、その義務を果たさないことによって温存され、また新たに生じた格差は不合理な格差というべきである。そして、・・・(中略)右是正義務を果たさないことによって生じた格差は、男女の差によって生じた不合理なものといわなければらなず、即ちXの賃金を女性であることのみをもって格差を設けた男女差別と評価しなければならない。もっとも、昇格には人事権の行使として、使用者の裁量の範囲が大きいことに照らし、諸般の事情を考慮して、差別がなければ原告に支払われたはずの賃金額は、原告主張の同期男性5名の能力給平均額の9割に相当する額と認めるのを相当とする。

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