社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



独立行政法人労働政策研究・研修機構 による「同一労働同一賃金の対応状況等に関する調査」の公表

バナー
Kindle版 職場の出産・育児関係手続ガイドブック~令和の常識~
定価:800円で好評発売中!!


にほんブログ村
続き

独立行政法人労働政策研究・研修機構 による「同一労働同一賃金の対応状況等に関する調査」の公表

独立行政法人労働政策研究・研修機構 による「同一労働同一賃金の対応状況等に関する調査」が公表されています。 本調査は、令和2年4月1日より、 「パートタイム・有期雇用労働法」が施行されましたことに伴い(中小企業は、令和3年4月1日から適用)、同法の適用前ながら中小企業を中心とする「アンケート調査」を実施して、「同一労働同一賃金ルール」等に企業がどう対応しようとしているかの全体的な動向を把握するとともに、(既に適用されている)大企業に対しては別途、「ヒアリング調査」も行い、具体的な取組内容や待遇の変化、取組のプロセスや重要なポイント等を把握したものです。

要約を抜粋しました。 詳細はリンクをご確認ください。 https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/214.html

*調査により把握できたこと(要約) **1.アンケート調査 ○「同一労働同一賃金ルール」について、「内容はわからないが、同一労働同一賃金という文言は聞いたことがある」を含めた認知度は9割超と高いものの、「内容を知っている」企業は約6割にとどまり、その周知徹底が課題となっている。 ○「パートタイム・有期雇用労働者」を雇用している企業に「同一労働同一賃金ルール」への対応(雇用管理の見直し)状況を尋ねると、「必要な見直しを行った・行っている、または検討中」の割合が4割を超える一方、約2割が依然として「対応方針は、未定・わからない」状態に取り残されている現状が浮き彫りになった。 ○「同一労働同一賃金ルール」への対応に当たり、「パートタイム・有期雇用労働者」を含めて「労使の話合いを行った(行う)」割合は1/3にとどまり、約半数は「労使の話合いは行っていない(行わない)」実態が明らかになった。 ○調査時点の割合は一定程度にとどまったものの、「同一労働同一賃金ルール」に対応するための具体的な見直し内容が、「正社員とパート・有期社員の、職務分離や人材活用の違いの明確化」のみの企業や、「正社員(無期雇用フルタイム労働者)」のいずれかの待遇要素の「減額や縮小」「(制度の)廃止」を挙げた企業もみられたことから、引き続き、その対応動向に注意する必要がある。

**2.ヒアリング調査 ○正社員以外の雇用区分として、いずれの企業も複数の区分を設けていたが、職務内容や人材活用の仕組み・運用等のいずれもが正社員と同じ区分はなかった。○各社における待遇を網羅的に把握したものではないが、待遇の種類によって、既に正社員とパートタイム・有期雇用労働者とで同様にしているもの、同一労働同一賃金のルールが大企業に施行される2020年4月に向けて見直したもの、施行後も正社員とパートタイム・有期雇用労働者間に差異があるものと、各社ともそれぞれである。 なお、見直しを行った企業では、パートタイム・有期雇用労働者の待遇の見直しを行っており、正社員の待遇の見直しを行った企業はなかった。 ○待遇の見直しに向けた具体的な行動としては、他社の動向や事例の情報収集、最高裁判決ほか裁判例についての情報収集などが多かった。 ○同一労働同一賃金の取組を進める上での重要なポイントとしては、労働者側の納得を得られるようにすることを挙げた企業が多かった。 ○同一労働同一賃金に向けた取組による効果を定量的に測定することは困難だが、パートタイム・有期雇用労働者の賃金の増加率などを挙げた企業もあった。また、パートタイム・有期雇用労働者自身にとっての処遇向上、満足度の上昇などのメリットのほか、会社としてのメリットを示した企業もあった。 f:id:sr-memorandum:20211113234409p:plain f:id:sr-memorandum:20211113234442p:plain