社会保険労務士川口正倫のブログ

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労働政策審議会建議「男性の育児休業取得促進策等について」

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労働政策審議会建議「男性の育児休業取得促進策等について」

厚生労働省労働政策審議会から、厚生労働大臣に対し、男性の育児休業取得促進策等について建議を行われ、内容が公表されました。
これは、令和2年5月29 日に閣議決定した「少子化社会対策大綱」等において、「男性の育児休業取得や育児参画を促進するための取組を総合的に推進する。」等の記載が盛り込まれたことを踏まえ、昨年9月から、同審議会の雇用環境・均等分科会で検討が行われた結果に基づくので、厚生労働省では、この建議の内容を踏まえて法律案要綱を作成し、労働政策審議会に諮問する予定のようです。

出産後8週間の間に父親が休暇を取りやすくする新たな制度の創設などが、かなり具体的な内容が記載されており、今後この線に沿って、育児介護休業法の改正が行われるものと思われます。

下記に子の出生直後の休業の取得を促進する枠組み等を抜粋いたしますが、詳細はこちらのリンクをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00007.html

1.男性の育児休業取得促進策について

(1)子の出生直後の休業の取得を促進する枠組み

○制度の必要性

・柔軟で利用しやすい制度として、実際に男性の取得ニーズの高い子の出生直後の時期について、現行の育児休業よりも柔軟で取得しやすい新たな仕組み(新制度(普及のための通称について検討))を設けることが適当である。
・新制度はその後の育児への入り口と位置づけ、父親学級の推進等により親となる準備の後押しも行いながら、子の出生直後という重要な時期の休業取得を促進することで、育児の大変さ・喜びを実感し、その後の育児につながると考えられる。
・新制度は、対象として主に男性が念頭に置かれるが、特に男性の取得が進んでない現状を踏まえ、ポジティブ・アクションの考え方等に沿ったものとして、設けることが適当である。これは、一定の範囲で特別な枠組みを設けることにより、男性の育児休業取得を促進するための特別な措置であり、男性の育児休業取得が高水準になり、この仕組みがなくてもその水準を保つことができるようになった場合には見直されるべきものであり、新制度、個別の働きかけ、環境整備等によって男性の育児休業の取得が進むこととなれば、女性の雇用継続や、男女間の育児・家事分担の偏りの是正に資するものである((4)の取得率公表の義務付けについても同様)。
・なお、新制度は、現行の育児休業と同様、労働者の申出により取得できる権利とすることが適当である。
現行のいわゆる「パパ休暇」は、そもそも初回の休業取得が進んでいないという状況を踏まえ、より柔軟で取得しやすい仕組みである新制度と、(3)の育児休業の分割取得化に見直すこととする。

○対象期間、取得可能日数等

・対象期間については、現在育児休業をしている男性の半数近くが子の出生後8週以内に取得していること、出産した女性労働者の産後休業が産後8週であることを踏まえ、子の出生後8週とすることが適当である。
・取得可能日数については、年次有給休暇が年間最長20労働日であること等を参考に、4週間とすることが適当である。なおその際は、各企業の既存の育児目的のための休暇(法定の休暇を除く。)が、新制度の取得日数以外の要件を満たすものであれば、当該休暇の日数も含めて4週間の取得が確保されればよいと解される。

○要件・手続き

(申出期限)
現行の育児休業より短縮し、原則2週間前までとすることが適当である。ただし、職場環境の整備などについて、今回の見直しにより求められる義務を上回るような取組を実施することを過半数組合又は過半数代表との労使協定で定めている(※)事業所においては、現行の育児休業と同様に1か月前までとしてよいこととすることが適当である。

※労使協定で定める事項:

  • 新制度や育児休業の取得率や取得期間に関する目標及び事業主の方針
  • 休業開始予定日の1か月前までに申出が円滑に行われるようにするための職場環境の整備、業務の調整、労働者の配置その他の措置((2)の環境整備の措置義務を上回る措置として、これらのうち複数の措置を実施している場合等)
  • 労働者へ休業取得の個別の働きかけを行うだけでなく、具体的な取得意向の個別の把握まで行うことなお、出生が予定より早まった場合等は、現行の育児休業と同様、1週間前までとすることが適当である。また、円滑な休業の取得のためには、事業主は労働者が申出期限にかかわらず早めに申出しやすいよう工夫するとともに、労働者も早めに申出をすることが望ましい旨、指針において示すことが適当である。新制度については、分割取得する場合は、初めにまとめて申し出ることとすることが適当である。

(分割)
分割して2回取得可能とすることが適当である。
・現行の育児休業制度は申出を撤回したらその後は再度の申出をすることは原則できないが、分割して2回取得可能とすることを踏まえ、一度撤回したらその1回分について申出できないこととすることが適当である。

(休業中の就労)
・出生後8週間以内は、女性の産後休業期間中であり、労働者本人以外にも育児をすることができる者が存在する場合もあるため、労働者の意に反したものとならないことを担保した上で、労働者の意向を踏まえて、事業主の必要に応じ、事前に調整した上で、新制度に限り、就労を認めることが適当である。
具体的には、労働者の意に反したものとならない仕組みとするため、過半数組合又は過半数代表との労使協定を締結している場合に限り、労働者と事業主の合意した範囲内でのみ可能とするとともに、就労可能日数の上限(休業期間の労働日の半分)を設けることが適当である。

また、具体的な流れは、以下とすることが適当である。

  • 労使協定を締結する。
  • 労働者が就労しても良い場合は事業主にその条件(就労しても良い日時や上限日数・時間数)を申し出る。

※休業開始日・終了日と併せて申し出ることが望ましいが、業務状況の見通しが立ったタイミングなど、休業開始前までの任意のタイミングで申し出ることができ、また、休業開始までは、申し出た条件の変更も可能。

  • 事業主が休業期間中に就労させたい場合には、労働者が申し出た条件の範囲内で、就労候補日・時間を提示する。
  • 労働者が同意した範囲で就労させることができる。

※休業開始前までは任意のタイミングで同意を撤回することが可能。また、休業開始後は、配偶者の疾病等やそれに準ずる心身の状態の悪化等の特別な事情がある場合には、同意の撤回が可能。

(対象労働者、休業開始日及び終了日の変更)
・現行の育児休業と同様の考え方で設定することが適当である。