社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)公表されました。

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中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)公表されました。

賃金制度を検討するとき、自社の賃金水準等を他社と遜色のないものとしたい場合には、同一業種や同一規模の企業の賃金水準等を参考にする必要があります。
しかし、大企業については、行政機関や民間研究機関等で各種の調査が実施され、調査結果が公表されていますが、企業数の大半を占める中小企業については、あまり参考となる資料がありません。

そんな中で参考となるのが、東京都が毎年行い公表している「中小企業の賃金・退職金事情」という調査です。従業員が10人~299人の都内中小企業を対象とし、「賃金」、「賞与」、「諸手当」、「初任給」、「モデル賃金」等については毎年、「退職金」と「労働時間」については交互に1年おきに調査されており、令和2年は「退職金」についての調査が行われました。


記載例を抜粋します。このような調査結果が記載されていますので、詳細は次のリンクをご確認ください。
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/toukei/koyou/chingin/r2/index.html

実在者賃金

年齢別に全常用労働者(役付者を含む。)の令和2年7月1日の所定時間内賃金をみると、男性は55~59歳(448,211円)、女性は50~54歳(345,162円)でピークに達する。
所定労働時間内賃金の上昇率について22~24歳を100としてみると、男性はピーク時で201となっている。これに対し女性はピーク時で162となっており、男性に比べて緩やかな上昇となっている。
また、令和元年の年間給与支払額の上昇傾向において、男性は55~59歳、女性は50~54歳がピークとなっている。
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モデル賃金

モデル賃金(卒業後すぐに入社し、普通の能力と成績で勤務した場合の賃金水準)の年齢別の上昇傾向をみると、全ての学齢において60歳でピークを迎え、ピーク時の所定時間内賃金は、高校卒394,392円、高専・短大卒403,716円、専門学校卒403,680円、大卒は445,925円となっている。
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退職金制度の有無

集計企業のうち、退職金制度について「制度あり」と回答した企業が65.9%、「制度なし」と回答した企業が20.9%であった。また、「制度あり」と回答した企業の71.8%が「退職一時金のみ」と回答しており、23.3%が「退職一時金と退職年金の併用」と回答した。」
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退職一時金を受給するための最低勤続年数

退職一時金を受給するための最低勤続年数をみると、「3年」と回答した企業が、自己都合退職(47.4%)、会社都合退職(28.6%)ともに、最も多かった。
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