社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



新型コロナウイルスと雇用・暮らしに関するNHK・JILPT共同調査結果概要

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新型コロナウイルスと雇用・暮らしに関するNHK・JILPT共同調査結果概要

労働政策研究・研修機構(JILPT)より、「新型コロナウイルスと雇用・暮らしに関するNHK・JILPT共同調査結果概要-女性の厳しい雇用状況に注目して-」が公表されています。これによると、相対的には女性のほうが、雇用や暮らしに関して新型コロナウイルスによる悪影響を大きく受けていることが、よくわかります。
原因としては、雇用への影響が最も大きかったのは飲食業・宿泊業で、次に、生活関連・娯楽等サービス業といずれも女性が多く就労する業種であることが挙げられていますが、今年は、女性の自殺率が82%も上昇しており、その要因の1つではないかと考えます。

雇用に関して、主なものは下記に抜粋しましたが、まだまだたくさんの事柄に触れていますので、詳細はこちらをご確認ください。
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/collab/nhk-jilpt/docs/20201113-nhk-jilpt.pdf

主な調査結果概要

○コロナ禍は、女性(特に非正規女性)の雇用に大きな悪影響をもたらしている。
・解雇、雇止めにあった割合は、女性が男性の1.2倍(2.1%対1.7%)
・自ら離職した割合は、女性が男性の1.4倍(4.6%対3.2%)、非正規女性が男性の1.7倍(5.7%対3.2%)
・女性は、休業や労働時間急減になった割合も男性より顕著に高い。
・解雇や労働時間の減少など雇用に大きな影響を受けた人は、男性では19%に対して女性では26%と、女性は4人に1人を上回っている。

○男性に比べて、女性は解雇・雇止めにあった後の雇用回復が芳しくない。
・女性は「失業」(仕事はしなかったが求職活動をした人)と「非労働力化」(仕事も求職活動もしなかった人)の割合が男性よりそれぞれ3%(19.2%対16.5%)と5%(14.4%対9.1%)高い。
・また、再就職できたとしても女性の4人に1人は、非正規化(正規雇用→非正規雇用)になり、男性より2倍もの高い割合(24.%対12.5%)である。
・一方、正規化(非正規雇用正規雇用)できた女性の割合は男性の約半分にとどまっている(3.3%対6.4%)

○自ら離職した女性は、男性より2.5倍もの高い割合で非労働力化している。女性再就職者の非正規化は3割に達している。

○女性は、会社都合による解雇・雇止めの割合が男性より高い(69.7%対56.0%)。

○解雇・雇止め時期について、男性はコロナ禍の初期(4月~6月)に集中している一方で、女性は5月と9月という2つのピークがある。

○自ら離職した理由として、女性は「感染リスクの回避」、男性は「給与への不満」をあげる割合が高い。