社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



大学生の就職内定率は96.0%|令和3年3月大学等卒業者の就職率の状況

大学生の就職就職率は96.0%|令和3年3月大学等卒業者の就職率の状況

令和3年3月大学等卒業者の就職状況が公表されました。

高専は例外ですが、新型コロナウイルス感染症の影響により、各学校とも就職率が低下しております。
とはいえ、もっとも大きな大学卒業者においても、低下は前年同期で2.0ポイントに留まっています。
末尾に掲載しましたように、平成9年以降の時系列で見るとリーマンショック等と比較するとそれほど大きくは下がっているようには見えませんが、本調査は就職希望者が就職した率ですので、志望どおり就職できたかどうかは問われません。
リーマンショックの頃と比較すると人手不足感がかなり増していましたので、志望を変更して、人手不足の業種や中小企業に就職した方が多数いたことで、この程度の低下に落ち着いたものと考えられます。

そうすると、今後3年~5年後には第二新卒の転職活動が活発になるものと予想されます。


それはさておき、下記に概要を抜粋しましたのでご確認ください。
詳細は、こちらのリンクを参照:
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000184815_00016.html


【全体の概要】
○ 大学の就職内定率は96.0%(前年同期比2.0ポイント低下)。このうち国公立大学の就職内定率は、95.9%(同2.3ポイント低下)、私立大学は、96.1%(同1.8ポイント低下)。
○ 短期大学の就職内定率は、96.3%(前年同期比0.7ポイント低下)。
高等専門学校及び専修学校(専門課程)の就職内定率は、それぞれ100%(前年同期比同)、91.2%(同5.6ポイント低下)。
○ 大学等(大学、短期大学、高等専門学校)を合わせた就職内定率は96.3%(前年同期比1.7ポイント低下)。専修学校(専門課程)を含めると95.8%(同2.0ポイント低下)。
○ 本調査における卒業予定者全体(※)に占める内定者の割合(大学のみ)「72.9%」
(※) 卒業予定者全体には就職希望者の他、「進学希望者」、「自営業」、「家事手伝い」等を含む。

【男女別の概要】
○ 男女別では、男子大学生の就職内定率は95.0%(前年同期比2.5ポイント低下)、女子は97.2%(同1.3ポイント低下)。また、国公立大学では、男子:93.3%、女子:98.6%、私立大学では、男子:95.5%、女子:96.8%となっている。

【文系・理系別の概要】※大学のみ
○ 文系・理系別では、文系の就職内定率は96.0%(前年同期比1.8ポイント低下)、理系の就職内定率は95.9%(同2.6ポイント低下)となっている。

【地域別の概要】※大学のみ
○ 地域別では、中部地区の就職内定率が最も高く、98.3%(前年同期比1.0ポイント低下)となっている。

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※相変わらず、高専の就職内定率の高さはすごいですね。

今年の延長ありません!|令和3年度労働保険の年度更新期間について

今年の延長ありません!|令和3年度労働保険の年度更新期間について

令和3年度の年度更新の提出期限が公表されました。
本年は、提出期限の延長はなく、7月12日(月)が提出期限となります。

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また、納付書による納付の場合は同日が第1回目の労働保険料納付期限になります。

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また、年度更新の申告書は、例年どおり5月末頃に郵送されるようです。
なお、年度更新期間内に申告・納付の手続きが困難な場合には、年度更新コールセンターまでご相談くださいとのことです。

詳細はこちらのリンクをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/roudouhoken21/index.html

(2021年5月18日時点)まん延防止等重点措置に係る雇用調整助成金の特例について

(2021年5月18日時点)まん延防止等重点措置に係る雇用調整助成金の特例について

まん延防止等重点措置を実施すべき区域の公示に伴い、まん延防止等重点措置の対象区域(職業安定局長が定める区域)において都道府県知事による営業時間の短縮等の要請等に協力する企業について、雇用調整助成金の助成率を最大10/10に引き上げる特例が適用になります。 https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000778849.pdf

なお、川口が個人的に助成金センターに確認した内容ですが、2021年4月まで原則的な措置により支給を受けており、2021年5月1日以降に引き上げの特例を受けずに受給を継続する場合、2021年6月末までは初回に提出した「雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書」による生産指標をそのまま利用することができるそうです。(比較対象とする月についての柔軟な取り扱いとする特例措置が6月末まで継続) つまり、例えば2020年4月頃の生産指標5%低下に基づいて、これまで支給を受けていれば、2021年5月・6月の生産指標に関係なく、上限13,500円等による受給を継続することが可能となります。

*助成率の引き上げ f:id:sr-memorandum:20210513223141p:plain ※判定基礎期間の初日が基準になっています。(4月16日~5月15日や4月30日~5月29日の期間は上段が適用となります。)

*対象となる休業等 特例の対象となる区域内で事業を行う飲食店等の事業主が、営業時間の短縮、収容率・人数上限の制限、飲食物の提供又はカラオケ設備利用の自粛に協力するなどの知事の要請等の対象となる当該区域内の施設について、要請等に協力し、その雇用する労働者の休業等を行った場合 ※ 施設において催物(イベント等)を開催した(又は予定していたが開催できなくなった)事業者に雇用される労働者(開催縮小等がなされる催物に従事する労働者)について休業等を行った場合も含みます。 ※次の①~⑤は、FAQより抜粋しました。 ①特定都道府県や重点区域に設置している店舗の一部で対応している場合や休日にのみ時短営業を行っているような場合は対象になりません。対象となるためには、要請等に全面的に協力している必要があります。 ②従来から閉店時間を20時前に設定している施設については、特例の対象になりません(要請等に応じての営業時間の短縮等を実施する必要があります)。 ③(施設が対象地域外にもある会社の場合)特定都道府県及び重点区域内の要請等対象施設のみ特例の対象となります。要請等対象施設と要請等対象施設以外の労働者を休業等させた場合は、それぞれの様式に分けて申請してください。 ④特定都道府県や重点区域の知事が、特措法施行令第11条に定める施設以外の施設に行った要請等に応じた場合は特例の対象になりません。 ⑤特定都道府県や重点区域以外の都道府県の知事が、独自に行った要請等に応じた場合は特例の対象になりません。

*ご留意事項 この内容は、令和3年5月18日時点のものです。 特例の対象となる区域などの最新情報は、厚生労働省のホームページにてご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/cochomoney_00002.html

*特例の対象となる区域及び期間 f:id:sr-memorandum:20210519195827j:plain

【配転】ELCジャパン事件(東京地判令2.12.18労経速2442号3頁)

ELCジャパン事件(東京地判令2.12.18労経速2442号3頁)

1.事件の概要

Xは、平成22年5月、本社を米国におき、化粧品等及びその原材料の製造・販売等を営む企業の日本法人であるY社に、製品企画開発部のマネジメントグループのマネージャー(等級:M2)として入社した。しかし、日本法人の製品企画開発部が同28年6月末をもって閉鎖されることとなり、これに伴い、Y社はXに退職勧奨(本件退職勧奨①)を行ったが、Xがこれに応じなかったため、同年7月1日、Y社は従前の経験を活かすことができる別部署のアシスタントマネージャーに異動させた(本件降格)。
その後、異動後の部署も解体されることになったため、Y社は再度Xに対して退職勧奨(本件退職勧奨②)を行ったが、Xは応じなかった。そこで、Y社はXに対し、平成29年5月10日、Y社内のメール業務、職場環境の整備関する業務を行っていたメール室へ移動ぼ命じ(本件配転①)、令和2年2月からは、Xを翻訳業務に従事させた(同年9月1日、正式にXに対して同業務に従事するよう命じた(本件配転②))。
これに対して、Xが(1)採用時の等級にあることの確認、(2)本件配転①の配属先で勤務する雇用契約上の義務を負わないことの確認、(3)上記降格や人事評価が不当であるとして、雇用契約に基づき、平成27年度以降に支払われた賞与支給額と平成26年度の賞与支給額の差額等の支払い等を求めたのが本件である。
なお、Y社の人事評価は、年度毎に総合評価が行われており、管理職の賞与は、半分について会社の業績達成度、残り半分について個人の業績達成度に基づき算定した金額に、グローバル全体の業務を勘案して算定され、非管理職の賞与は、個人の業績達成度のみに応じて算定されることとなっていた。

判決の概要

※他に争点がありますが、降格と配転に絞って記載しました。

ⅰ 採用時の等級(「マネジメントグループM2)である地位の確認請求について

(1)本件降格の効力について

ア Xは、本件降格について、XとY社の間の、Xの職種を製品企画開発部のマネージャーに限定する合意(職種限定合意)に違反すること、本件降格がY社の常務取締役でエスティローダーのブランド部長であったP1の意向を受けXを排除するという不当な動機又は目的により行われ、本件降格によるXの不利益が大きいため人事権の濫用に当たることから、本件降格が無効である旨主張する。

イ (XとY社の間に職種限定合意があったか?)
 そもそも、Y社では、就業規則により、Y社が職種の変更や配置転換を命ずることがあり、従業員が正当な理由なくこれを拒むことができないこと、また、職務等級制度の下、職務の変更に伴い職務等級の変更があり得ること、特に、組織運営上又は業務上のやむを得ない理由により職務が変更となる場合には下位の等級への変更もあることが明記されている。(※日本企業が採用している職能資格制度の多くは、職務遂行能力を等級に反映させているため、降格は能力の低下を意味しますが、Y社の制度は異なります。日本企業でも、役職と等級は緩やかに結びついていることもありますが、Y社では役職に就くことができる等級が定められており、本件ではやむを得ず低い役職に就くために降格を行っています。)
そして、Y社が製品企画開発の人材を募集し、これに対し製品企画開発の経験や能力を有するXが応募をしたからといって、XをY社の間で成立した雇用契約について職務限定合意が成立するとはいえないし、Xが指摘する職務記述書の記載についても、職種を限定する旨の記載はなく、同記載はXが採用された際に当面従事する業務の内容及びその職責について記載したものにすぎないと理解するのが相当である。そして、他にXとY社の間に職種限定合意が存在したと認めるべき証拠はないから、XをY社の間に職種限定合意があったとは認められない。

ウ (人事権の濫用といえるか?)

・業務上の必要性について
本件降格については、①NY本社以下の製品企画開発部門の指揮命令系統の中で、アジア太平洋地域を統括するAPACにおけるスキンケア製品の製品企画開発の拠点を香港等に集約するのに伴い、日本の拠点を廃止することになったことから、Xが所属していた部署及び役職も廃止されることになった、②その際、Y社はXに対し、本件退職勧奨①を行ったが、Xがこれに応じず、引き続き在職することを希望したことから、その当時、担当者に空きがあり、かつ、Xの製品企画開発部の経験を活かすことができるETCBチームのアシスタントマネージャーに異動させることとした、③Y社では職務等級制が採用されていたところ、同役職に相当する等級がM1であったことから、同役職への異動に伴い、Xの等級がM2からM1に降格することとなったというものであると認められる。
そうすると、本件降格は、NY本社以下の組織変更に伴い、ETCBチームのアシスタントマネージャーへ異動することに伴うものであり、業務上の必要性があったといえることは明らかである。

・不当な動機・目的について
Xは、本件降格は、P1の意向を受けてXを排除するという不当な動機又は目的により行われたものである旨主張する。
確かに、ブランド部長であったP1が製品の企画開発に関する情報の共有を求めたのに対し、Xを含む製品企画開発部門がNY本社以下の指揮命令系統の下、NY本社の製品企画開発部門等の意向を受けて情報の共有に消極的であったことについてP1が不満を抱いていたことは認められる。
しかしながら、このような不満が製品企画開発部門という組織ではなく、同部門に所属していたX個人に向けられていたとまで認めるに足りる証拠はなく、また、本件降格の要因となったNY本社以下の指揮命令系統下での製品企画開発部門の組織変更について、他の指揮命令系統下にある日本法人の役員にすぎP1が影響を及ぼしたと認めるべき証拠はない。そして、本件降格について業務上の必要性があったといえるのは上記のとおりであって、結局のところ、本件降格が、Xが主張するような不当な動機又は目的により行われたと認めることはできない。

・Xに生じた不利益の程度(通常甘受すべき程度を著しく超える不利益であるか?)
Xは、本件降格によりXのキャリア形成や賃金の点において不利益があった旨主張する。
しかしながら、XとY社の雇用契約においてキャリア形成に対する期待が法的利益として保護されるものとされていたと認めるべき事情は見出し難い。また、本件降格は、ETCBチーム内のエクスターナル・テクノロジーの役職への異動を伴うものであるところ、この異動に当たっては、Xの製品企画開発の経験を活かすことができる役職であることが一定程度考慮されていた。そうすると、本件降格によりXのキャリア形成に重大な影響が生じたとまでは認め難い。
また、Xの賃金については、本件降格の経緯を踏まえて、本件降格後も本件降格前と遜色ない額の給与が毎月支払われており、賞与については、管理職については、半分について会社の業績達成度、残り半分について個人の業績達成度に基づき算定した額に、更にグローバル全体の業績を勘案して算定されるのに対し、非管理職では、個人の業績達成度のみを考慮して算定されるというように、算定方法が大きく異なり、一概に比較することはできないが、計算上は、個人の業績達成度がよければ、所属部門の業績達成度やグローバル全体の業績によっては、管理職の賞与より非管理職の賞与が上回ることも考え得る。そうすると、本件降格により賃金の点でXに大きな不利益が生じたとは認め難い。
(中略)以上を検討したところを併せ考えれば、本件降格は、組織変更という業務上の必要性に基づくものであり、不当な動機又は目的に基づくものではなく、Xに生じた不利益も大きなものではないから、Y社の使用者としての人事権を濫用したものとは到底いえない。

エ そうすると、本件降格は、XとY社の間の職務変更合意に反するものでもなく、また、人事権を濫用したものともいえないから、有効であるというべきである。

以上によれば、本件降格は有効であるから、マネジメントグループのM2である雇用契約上の地位にあることの確認を求めるXの請求は理由がない。

ⅱ メール室で勤務する雇用契約上の義務の不存在について

(1)確認利益の有無

Xは、Y社に対し、メール室で勤務する雇用契約上の義務を負わないことの確認を求めるところ、Y社は、本件配転②を行い、既にXにメール室での就労を義務付けていない。
Xは、後にY社が再びメール室への配置転換を行うおそれがあることから、本件配転②を経てもなお上記義務がないことの確認を求める利益がある旨主張するが、後の配置転換の適否はその時点での事情に基づき本件配転①の適否とは別に判断されるべきものであり、同義務がないことを確認したとしても後のメール室への配置転換が当然に無効となるものではない。
そうすると、本件配転②が行われたことにより、Xが上記義務を負わないことの確認を求める利益は失われたというべきである。

(2)本件配転①の効力について

※本件降格とほぼ同じ構成のため省略します。

3.解説

(1)降格

降格とは、一般的に役職または職能資格を低下させることをいい、人事権の行使または懲戒処分として実施されます。
本件は、人事権の行使としてのものですが、役職を低下させるにすぎないものは、労働者の適性や成績を評価して行われる労働力配置の問題ですので、会社は、本件のような組織統合によるポストの減少、成績不良や職務適正の欠如など業務上の必要性があり権利濫用にあたらない限り、その裁量によって行うことができるものと考えられます。
一方、職能資格を低下させる降格は、基本給の変更をもたらす労働契約上の地位の変更であるから、労働者の同意や就業規則上の規定など契約上の根拠が必要であると考えられています。特に、日本では、職能資格制度における等級は職務遂行能力と結びついていることが多く、そういう制度では根拠があったとしても、降格に値する職務遂行能力の低下があったか、またその職務遂行能力が適正な人事考課によって評価されたものであるか等が問われることになります。
これに対して、Y社では役職に就くことができる等級が定められており、本件では組織統合によりポストが無くなったXについて、たまたま空いていた職務経験を活かすことができる一段低い役職に異動させる目的で、やむを得ず降格(等級の低下)を行っており、また賃金についても大きな減給とはならなかったため、降格が配転と同視され、裁判所の判断も配転とほとんど同じ基準で行われています。

(2)配転

配転とは、職務内容や勤務場所の変更(短期出張を除く)を言います。使用者の配転命令については、東亜ペイント事件という最高裁判決があり、次のように判断しています。

①使用者が有効に配転を命じるためには、配転命令権が労働協約就業規則の定めなどによって労働契約上根拠づけられていることが必要です。

②使用者に配転命令権が認められる場合であっても、次のような場合は権利の濫用となります。
(ⅰ)配転命令に業務上の必要性が存在しない場合
(ⅱ)配転命令が不当な動機・目的をもってなされた場合
(ⅲ)労働者に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものである場合

本件においても、降格及び配転について、この基準に沿って判断されています。

東京都産業労働局による「令和2年度働き方改革に関する実態調査」の公表

東京都産業労働局による「令和2年度働き方改革に関する実態調査」の公表

東京都産業労働局で、令和2年度の働き方改革に関する実態調査をが行われ、働き方改革関連法についての認知度や取組状況と併せ、新型コロナウイルス感染症による働き方への影響について、労使双方の意識について公表されています。

(調査結果はこんな感じで視覚化されています。)
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かなり膨大な調査ですが、概要及び企業側並びに従業員側の働き方改革についての意見等を抜粋しましたのでご参考にしてください。

特に意見等は自由に記載する方式となっていて、、企業側・従業員側ともに切実な声がたくさんあり、一つ一つ読むと少々胸が痛くなりました。
まあ、感傷的になるのはあまり好ましく無いですが、こういう声を問題提起として知り、解決するために知恵を絞るのも行政・士業・コンサルタントの役割だと思います。

詳細はこちらのリンクをご確認ください。
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/toukei/koyou/jouken/r2/index.html

1.所定労働時間

(1.1)1日の所定労働時間【事業所調査】

○1日の所定労働時間は、「8時間」が48.2%で最も多く、次いで「7.5時間」(17.6%)、「7.5時間超8時間未満」(15.1%)、「7時間以上7.5時間未満」(10.8%)となっている。

(1.2)休憩時間【事業所調査】

○1日の休憩時間は、「1時間」が78.1%で最も多く、次いで「45分以上1時間未満」(10.3%)となっている。

(1.3)1週の所定労働時間【事業所調査】

○1週の所定労働時間は、「40時間」が47.7%で最も多く、次いで「37.5時間以上40時間未満」(28.8%)、「35時間以上37.5時間未満」(8.6%)となっている。

2.労働時間の管理

(2.1)労働時間の管理方法(一般労働者)【事業所調査】

○労働時間の管理方法は、一般労働者では「タイムカード」が32.6%と最も多い。前回調査(平成28年度)と比較すると、「自己申告」は12.7%と、7.2ポイント減少している。

(2.2)労働時間の管理方法(管理職)【事業所調査】

〇管理職についても「タイムカード」が29.1%と最も多い。前回調査(平成28年度)と比較すると、「自己申告」は15.5%と、7.9ポイント減少している。

(2.3)「その他の方法」の具体的な管理方法(自由記述)【事業所調査】

○「その他の方法」の具体的な管理方法としては、「勤怠管理システム」(39件)、「クラウド型勤怠管理システム」(7件)、「指静脈認証システム」(2件)などの記述があった。

(2.4)勤務事業所の労働時間の把握方法【従業員調査】

○勤務事業所の労働時間の把握方法については、「タイムカード」が34.5%で最も多く、次いで「ICカード」(30.1%)、「自己申告」(25.0%)となっている。前回調査では「自己申告」が最も多く、32.4%であったが、今回7.4ポイント減少している。

3.働き方改革関連法の改正内容の認知度

(3.1)働き方改革関連法の改正内容の認知度【事業所調査】

○法改正の認知度を聞いたところ、「時間外労働の上限規制」と「年5日の年次有給休暇の確実な取得」は「知っている」が9割を超えた。その他の項目でも、「知っている」が過半数を超えた。

(3.2)働き方改革関連法の改正内容の認知度【従業員調査】

○法改正の認知度について、「知っている」が最も多かったのは「年5日の年次有給休暇の確実な取得」で88.3%、次いで「時間外労働の上限規制」(64.0%)となっている。
〇「知らなかった」が最も多かったのは「高度プロフェッショナル制度の創設」で42.4%、次いで「勤務間インターバル制度の導入促進」(39.7%)となっている。

4.時間外労働

(4.1)労使協定(36協定)の締結状況【事業所調査】

○労使協定(36協定)の締結については、「締結している」が93.9%となっている。前回調査(平成28年度)と比較すると、「締結している」は91.5%と、2.4ポイント増加している。

(4.2)労使協定(36協定)の認知度【従業員調査】

○労使協定(36協定)については、「締結しておりその内容を知っている」が58.9%を占め、「締結していない」は1.8%であった。前回調査(平成28年度)と比較すると、「わからない」は16.1%と、3.1ポイント減少している。

(4.3)限度時間内の時間外労働の上限時間【事業所調査】

(上限時間)
労働基準法で規定された上限時間(月45時間、年360時間)を上限としている事業所が多くなっている。

(上限時間の平均)
○各単位期間別の時間外労働の上限時間の平均は以下のとおりとなっている。
・「1日」:平均6.6時間(前回調査:平均6.4時間)
・「1か月」:平均44.1時間(前回調査:平均45.1時間)
・「1年」:平均362.6時間(前回調査:平均381.7時間)

(4.4)限度時間を超える場合の時間外労働(特別条項)の上限時間【事業所調査】

(上限時間)
○限度時間を超える場合の時間外労働の上限時間は、1か月では「45時間超
80時間未満」が29.0%、1年では「720時間」が37.6%と、それぞれ最も多くなっている。

(上限時間の平均)
○各単位期間別の限度時間を超える場合の時間外労働の上限時間の平均は以下のとおりとなっている。
・「1日」:平均8.2時間
・「1か月」:平均75.8時間
・「1年」:平均625.7時間

(4.5)36協定及び特別条項の内容の見直し【事業所調査】

労働基準法改正を受けての36協定及び特別条項の内容の見直しについては、「見直しをしていない」が47.7%と最も多く、次いで「見直した」(38.8%)、「見直しを検討中」(7.6%)となっている。

(4.6)36協定及び特別条項の具体的な見直し内容(複数回答可)【事業所調査】

○具体的な見直し内容については、「特別条項による時間外労働の上限時間の引き下げ」が42.2%で最も多く、次いで「限度時間内の時間外労働の上限時間の引き下げ」が24.3%、「特別条項による時間外労働の上限時間の引き上げ」が20.3%となっている。

(4.7)労働時間管理の変化【従業員調査】

○「時間外労働の上限規制」を受けて労働時間管理の変化があったかについては、「変化があった」が49.0%、「変化はなかった」は31.2%となっている。

(4.8)労働時間管理の具体的な変化の内容(複数回答可)【従業員調査】

○労働時間管理に「変化があった」とした人に、変化の内容を聞いたところ、「上司が声掛けをするなど時間外労働しないように働きかけるようになった」が70.1%で最も多く、次いで「時間外労働を事前申告制にするなど労働時間の管理が厳しくなった」(57.4%)、「従業員間の仕事の配分が見直された」(24.9%)となっている。

5.年5日の年次有給休暇の取得

(5.1)年5日取得できなかった労働者の有無【事業所調査】

○年5日の年休の取得については、「年5日取得できなかった労働者がいた」が29.7%、「いなかった」が67.7%であった。
※調査では、改正労働基準法施行(年5日の年休の取得が義務付けられた2019年4月1日)前の直近一年間の状況について質問した。

(5.2)年休の付与(10日以上)【従業員調査】

○年休が10日以上付与されたかについては、「10日以上付与されていた」が85.4%、「付与されていなかった」は3.1%であった。

(5.3)年休の取得状況(年5日以上)【従業員調査】
○10日以上付与されていたと回答した人にその取得状況を聞いたところ、「年5日以上取得できた」が86.7%で、「取得できなかった」は12.8%であった。
※調査では、改正労働基準法施行(年5日の年休の取得が義務付けられた2019年4月1日)前の直近一年間の状況について質問した。

(5.4)年休取得のための取組【事業所調査】

〇「従前から取り組んでいた」との回答が最も多かった項目は、「半日単位での年次有給休暇の取得」で71.0%となっている。
〇「法改正を契機に取り組んだ」との回答が最も多かった項目は、「上司などからの年次有給休暇取得への積極的な働きかけ」で39.9%となっている。
〇「取り組んでいない」との回答が最も多かった項目は、「人員を増やす」で49.0%となっている。

(5.5)取得できなかった理由(複数回答可)【従業員調査】

○年休を年5日以上取得できなかった理由については、「業務量が多いため」が46.4%で最も多く、次いで「人員が不足しているため」(43.8%)、「病気や急な用事等もしもの場合に備えて年次有給休暇を残しているため」(37.5%)となっている。

(5.6)取得しやすくなると思う取組(複数回答可)【従業員調査】

○どのような取組があれば取得しやすくなると思うかを聞いたところ、「上司などからの年次有給休暇取得への積極的な働きかけ」が44.2%で最も多く、次いで「職場内で取得しやすい雰囲気を作る」(44.1%)となっている。

6.勤務間インターバル制度

(6.1)勤務間インターバル制度導入の有無【事業所調査】

○勤務間インターバル制度については、「導入している」が11.0%、「導入を検討している」が13.2%、「導入の予定はない」が72.8%となっている。

(6.2)設定しているインターバル時間【事業所調査】

○設定しているインターバル時間については、「10時間」が19.8%で最も多く、次いで「12時間超」(17.0%)、「11時間」(16.0%)となっている。

7.多様で柔軟な働き方

(7.1)多様で柔軟な働き方の導入状況及び今後の意向【事業所調査】

○「既に導入済」との回答が最も多かった項目は「時差出勤制度」で53.3%、次いで「在
宅勤務・テレワーク」(40.4%)となっている。
○「今後導入したい」との回答が最も多かった項目は「フレックスタイム制」で15.4%、
次いで「在宅勤務・テレワーク」(9.8%)となっている。
〇「導入する考えはない」との回答が最も多かった項目は「週休3日制」で60.5%、次い
で「サテライトオフィスなど勤務場所の変更」(56.2%)となっている。

(7.2)多様で柔軟な働き方の導入状況及び今後の希望【従業員調査】

○「既に導入されている」との回答は、「時差出勤制度」が43.8%で最も多く、次いで「在宅勤務・テレワーク」(33.2%)、「フレックスタイム制」(22.3%)となっている。
○「導入されており拡大を希望する」との回答は、「在宅勤務・テレワーク」が17.3%で最も多く、次いで「時差出勤制度」(15.4%)、「フレックスタイム制」(7.6%)となっている。
〇「今後導入してほしい」との回答は、「週休3日制」が54.5%で最も多く、次いで「フレックスタイム制」(35.3%)、「サテライトオフィスなど勤務場所の変更」(29.6%)となっている。
〇「導入を希望しない」との回答は、「交替制勤務」が35.1%と最も多く、次いで「サテライトオフィスなど勤務場所の変更」(33.8%)、「週休3日制」(23.3%)となっている。

8.新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響等

(8.1)緊急事態宣言期間中(※)の事業所の総実労働時間の増減【事業所調査】

○総実労働時間の増減は、「減った」が65.0%、「増えた」が8.0%、「影響はなかった」が25.6%であった。
※調査では、令和2年4月7日~5月25日の緊急事態宣言期間中の対応について質問した。

(8.2)回答者自身の労働時間への影響【従業員調査】

○回答者自身の労働時間への影響は、「影響はなかった」が49.5%、「減った」が37.8%、「増えた」が11.1%であった。

(8.3)事業所の総実労働時間が減った要因(複数回答可)【事業所調査】

○総実労働時間が減った要因は、「業務量の減少」が61.8%で最も多く、次いで「営業日数・時間の減少」(41.3%)、「事業所の全面的な休業」(25.3%)となっている。

(8.4)回答者自身の労働時間が減った要因(複数回答可)【従業員調査】

○労働時間が「減った」と回答した人にその要因を聞いたところ、「業務量の減少」が49.4%で最も多く、次いで「事業所側の事情による勤務日数・時間の減少」(43.7%)、「事業所の全面的な休業」(19.4%)となっている。

(8.5)事業所の総実労働時間が増えた要因(複数回答可)【事業所調査】

○総実労働時間が増えた要因は、「業務量の増加」が92.2%で最も多くなっている。

(8.6)回答者自身の労働時間が増えた要因(複数回答可)【従業員調査】

○労働時間が「増えた」と回答した人にその要因を聞いたところ、「業務量の増加」が83.3%で最も多くなっている。

(8.7)回答者自身の事情による休暇の取得【従業員調査】

○回答者自身の事情による休暇の取得は、「休みを取った」が22.6%、「休みを取らなかった」が70.7%であった。

(8.8)休みを取った理由(複数回答可)【従業員調査】

○休みを取った理由については、「新型コロナウイルス感染症に感染するリスクがあるため」が24.7%で最も多く、次いで「保育園等の休園や登園自粛等に対応するため」(23.4%)、「小学校等の臨時休校等に対応するため」及び「あなた自身に発熱等体調不良が見られたため」(21.6%)と続いている。

(8.9)感染拡大や緊急事態宣言に対応するための取組【事業所調査】

○緊急事態宣言に対応するための取組は、「行った」が92.8%、「行っていない」が4.8%であった。

(8.10)感染拡大や緊急事態宣言の影響による働き方の変化【従業員調査】

○「変化があった」が69.7%、「変化はなかった」が27.5%であった。

(8.11)具体的な取組(複数回答可)【事業所調査】

○感染拡大や緊急事態宣言に対応するための具体的な取組では、「出張の中止・制限・延期」が67.6%で最も多く、次いで「在宅勤務・テレワークの導入」(59.8%)、「WEB
会議、TV会議の導入」(56.8%)となっている。
〇「導入」と「拡大」で分けた取組については、「フレックスタイム制」を除き、「導入」の割合の方が高くなっている。

(8.12)具体的な働き方の変化(複数回答可)【従業員調査】

○「WEB会議、TV会議の実施」が71.0%で最も多く、次いで「在宅勤務・テレワークの実施」(69.3%)、「時差出勤制度の実施」(53.6%)となっている。

(8.13)調査時点(令和2年10月1日現在)における継続状況【事業所調査】

○取組内容の調査時点における継続状況については、「継続している」は「WEB会議、TV会議の拡大」が96.7%で最も多く、次いで「WEB会議、TV会議の導入」(94.3%)、「オフィスレイアウトの変更」(90.8%)となっている。
○一方で、「継続していない」は「週休3日制の導入」が86.5%で最も多く、次いで「交替制勤務の導入」(52.0%)、「交替制勤務の拡大」(50.0%)となっている。
〇「導入」と「拡大」で分けた取組については、全ての取組で「拡大」の方が「継続している」の割合が高くなっている。

(8.14)変化があった働き方の継続希望【従業員調査】

○「継続したい」が最も多かったのは「フレックスタイム制の実施」で82.9%、次いで「WEB会議、TV会議の実施」(82.2%)、「時差出勤制度の実施」(77.8%)となっている。
〇「継続したくない」が最も多かったのは「出張の中止・制限・延期」で31.9%、次いで「交替制勤務の実施」(11.1%)、「営業日・営業時間の見直し」(10.3%)となっている。
〇「出張の中止・制限・延期」を除き、全ての項目で「継続したい」が「継続したくない」を上回っている。

9.働き方改革についての意見等(事業所調査・自由意見欄)

働き方改革全般について】

○医療関係は一般の会社と違い、働き方改革にそぐわない事の方が多いかと思います。事業内容別で考えていただけると、有意義なものになるかと思います。私どもにとっては働き方改革は、働きにくい改革でしかありません。(医療、福祉)
○介護事業においては直接身体介護であるため、また、介護職員の確保が困難な現状においては一般企業のような対応は不可である。(医療、福祉)
○事業内容により、ある程度の効率化は図れても限界があることを理解してほしい。(医療、福祉)
○事務職は色々工夫できるが、製造業、サービス業については生産に特化した機械類があるため、生産減や時短など経費削減に努めるしかない。固定費はかさむ一方で体力のないところはつぶれてしまう。(サービス業)
働き方改革により生産性の低下・経費の増加で会社経営は体力が弱っている。大企業は耐えられるだろうが、中小企業は疲弊していき、国力の低下が心配である。ゆとり教育と同じ道を歩むと思う。(卸売業、小売業)
○もう少し生産性に対する発信を行った方が良いと思う。ただ休みを増やす様な改革に取れてしまう。(医療、福祉)
働き方改革に概ね賛同していますが、もっと働きたい従業員もいるので、柔軟な対応も必要と考えます。(製造業)
○運送事業者全て公平に処理してもらいたい!上限規制に取り組んでいる会社が不利にならないように!(運輸業
○教育、福祉に関することについては労働法に必ずしもあてはまらないことも多くある。(医療、福祉)
○老人ホームなので働き方改革の内容を実施するのは無理です。事業内容を考えて法改正をしてほしい。(医療、福祉)
新型コロナウイルス感染症への対応について】
○WEB会議の便利さを知った。今後も続けていきたい。(情報通信業
○WEB会議、WEB会社説明会、WEB面接の取組は行い、現在も継続していますが、撮影をするスペースを提供する仕事のため、在宅勤務・テレワークの導入はほとんど出来ない事業内容です。このような事業内容もあることを踏まえてアナウンスをして頂ければ幸いです。(情報通信業
○在宅勤務、テレワークが出来ない企業も多数あると思います。スーパーマーケットなどの小売業は期間中逆に売上や来店客数が伸張し、人(働く人)の安全性やメリットも余り無い様に思える。(卸売業、小売業)
○接客業は在宅勤務やテレワークの導入は難しい。(サービス業)
○介護事業で訪問介護通所介護を行っているが、通常でも人手不足であり、コロナにより危険を感じ、訪問を断る職員もあり、それでもサービスは続けなければならないのが実状である。(医療、福祉)
保育所は在宅勤務ということは出来ません。コロナによる影響で保護者のテレワーク等が増え、利用者意識も変わってきたように思います。働き方の概念が変わってきている事を強く感じます。(医療、福祉)
○この様な状況の中で、仕事が減った、なくなった所で、様々な制度は社員にとってはよいかもしれないが実際厳しい。助成金等はとても助かり、これからも会社維持に役立てたい。(教育、学習支援業)
○制度やシステムが整うのは良いが、客商売の為、お客様対応が課題。コロナ禍で過剰に神経質な方や、理不尽な方が増えて、現場は混乱している。いつまで続くのか不安。(卸売業、小売業)

【行政に対する意見・要望】

○改革にあたっての助成を増やしてほしい。(サービス業)
○働き方を変える為には保育所は人が必要です。保育士不足は3K4Kが原因です。保育士の地位確立のためにも補助金を公的保証してほしいです。(医療、福祉)
雇用保険手続き等、公的な届出が直接管轄の省庁に行く又は代表印を押した原紙を郵送するなどテレワークで実施できないことが多々あった。電子申請の拡充をすすめてほしい。(情報通信業
○オフィスレイアウトや週休3日制のモデルオフィスの紹介などを東京都が推進して欲しい。(卸売業、小売業)
○コロナ禍の状況で何をすればいいのか異なります。飲食はテレビや報道で取り上げられ良くわかりますが、事業内容はたくさんあり、全てが当てはまるわけがない。企業も手探り状態だと思います。そんな状態で経済を回しても存続できる企業はわずか。もっと詳細な方針を国や都にお願いしたいです。(サービス業)
○医療、福祉、ましてやコロナ禍で働き方改革はとても難しい。国をあげて医療、福祉に特化した働き方改革(分野別)の案や指導を出してほしい。(医療、福祉)
○コロナ禍の中で、医療・福祉に携わる人が、安心・安全で働ける環境、施策を早期に講じてほしいです。そこには、高齢者・障害者等の安心した地域生活に繋がるという事です。宜しくお願い致します。(医療、福祉)
○在宅勤務を実施したくても、費用面やその仕組みを作り上げるため、特定従業員の業務量の増加により導入するにも企業側の労力を要します。都や国が強制とまでは言わないが、もう少し導入や仕組み作りの為に企業側へ後押しをしてほしいです。(卸売業、小売業)
○中小企業は理想に近づけるのは難しい。テレワークなどの拡充をするにも費用と導入知識が必要なのでその辺りをカバーしてもらえる制度が充実すれば。(卸売業、小売業)
○テレワークについては、昨秋より検討を始めた。どう進めてよいのかわからず悩んでいたところ東京都が導入コンサルティングサービスを実施しているのを知り、飛びついた。お陰で効率よく検討を進められ、トライアルを経て8月に制度化することができた。トライアルについては、「はじめてテレワーク」助成金を申請させていただきました。コンサルティングから助成金まで東京都にはお世話になり、大変感謝しておりました。自社のみで検討していたら、恐らくまだ制度化はできていなかったと思います。(建設業)
○東京都の新型コロナウイルス感染症対策の助成金(リモートワーク導入)は、ハードルが高くて無理でした。厚生省の方に申請いたしましたが、補助率が1/2で少なかったので、残念です。大企業の様に資金が潤沢ではありませんので、もう少しハードルを下げていただきたかったです。(サービス業)
○出勤率に強制力をもたせて欲しい。(製造業)
働き方改革で休みを増やしたいという方もいますが、一方で仕事が無くても、会社に出社したいという方もいます。全国一律賃金の働きかけをお願いしたい。賃金高い、家賃高いでは地方本社、工場の東京営業所の会社に競争(商品金額)で勝負出来ない。(製造業)
○地方に居住地を移したいという意見がでている。在宅勤務が進んだ結果だが、地方居住の方に対する法整備が進んでいないので、指針などを含め、出してほしい。(サービス業)
○旅行業界は結果的に全面休業状態に陥っている。理解と支援をお願いしたい。(サービス業)
○特例報酬等の制度導入は非常に良いと感じるが、導入だけして、説明は現場では居宅やご家族様の理解を得るのに時間を有してしまった。ケアマネ個人の意見が非常に強く、加算を断わられる例もあった。しっかりと方向性や説明をしていただけると助かります。(医療、福祉)

10.働き方改革についての意見等(従業員調査自由意見欄)

働き方改革全般について】

○施策が施行されたことで、働き方の見直しや検討を職場が行いはじめたので、とても有難い。福祉施設のため、生活している利用者がいる為、改革していくことはとても大変だが、労働環境は劣悪なので少しでも改善していけると良い。(医療、福祉女性40歳台)
○(金銭的)待遇とひもづけられていない働き方改革の動きが多すぎる。本来的には働き方=生き方のはずなので、単に業務時間やスタイルの話だけで終わってしまうのは片落ちだし、ナンセンスに感じる。もっと本質的な議論を希望する。(その他男性30歳台)
○現状のままでいいと思います。(製造業男性30歳台)
○休日取得も大切だが、経済成長、自由な企業活動にもバランスを取りながら進めて欲しい。(医療、福祉男性40歳台)
○ICTを最大限活用し、生産性を下げることなく働きやすい環境を望みます。(金融業、保険業男性30歳台)
○労働量に応じた、人員の配置数の指標が欲しい。それを企業に努力目標でもいいから提示して欲しい。(金融業、保険業男性40歳台)
○今の働き方改革や施策は主に内勤であれば順応するであろうし、働きやすくなる面があると思う。反面、外回りや保守に従事する事業内容にとっては働きにくい面ができてしまう。(情報通信業男性30歳台)
○大企業は改革がどんどん今後も進むと思われる。それにつれて、中小企業の取組へのスピード感(遅さ)が極立つと思うので、その辺りを意識的に改革支援頂ければと考えます。(金融業、保険業男性50歳台)
○中小企業は大手と違いお金がないから、テレワークをやりたくても、システムが導入できるものが限られている。もっと良く国は、中小企業を知るべき!!!改革だけ先走って、会社と働き手を無視している。中小はおきざりにされている気がする!!(情報通信業女性30歳台)
働き方改革として国で動いてくれていても、実際のところはうまくごまかされ労働時間や有休取得などあまり変化はありません。残業代もつきません。タイムカードの導入もまだされていなく、残業0と毎月人事に提出してますが実際は何十時間も残業してます。もっと義務化、徹底できるような仕組みを作って下さい。(医療、福祉女性20歳台以下)
○在宅勤務について法律化し一律して実施頂きたい。(卸売業、小売業男性30歳台)
○テレワーク、在宅勤務について、都が推奨しているのであれば、会社独自のルールではなく、業種毎に個別対応は必要かと思うが、より厳密にテレワークが実施されるよう都でルール化してほしい。(医療、福祉女性20歳台以下)
○同一賃金、同一労働の基準や現在障害者雇用で労働しているが、あまり基準が明確でないため、もう少し明確化してほしい。(製造業女性30歳台)
○組織として、一枚岩となって取り組む様子が見えない。「努力義務」は意味がない。法的強制力を持たせないと変わらないと思う。(医療・福祉男性30歳台)
○末端の企業まで行き渡らない制度だと思います。徹底力のある法改正を。(サービス業女性30歳台)
○日本は諸外国と比較しても労働時間が多く、ワークライフバランスがとれていない。それを改善する為にも、今後在宅勤務制や週休3,4日制を導入するようにもっと強く働きかけて欲しい。また、有給休暇取得の義務化も、日数が5日では少ないと思うのでもっと増やすようにして欲しい。(製造業女性30歳台)
○情熱と信念を持って真面目に取り組む人にとって、ただ一辺倒に「早く終ること、残業をなくすこと」でなく、めりはり、バランスとか、仕事量を減らすための会社としての努力も必要だとよく感じる。労働は私にとってお金を稼ぐ、生きるための手段だけでなく、自己成長、自己実現の側面が大きい。労働が人生の負担、苦痛というネガティブなものでなく、主体的で、自己選択によるポジティブなものであれるような社会であればいいと思うので、行政からも、その視点を会社や個人に投げかけるような提案や働きかけがあったら素敵だなと思います。労働とは何か、人生でどんな意義を持たせたいか、どんな在り方が理想なのか、そのためにどうしたらいいか…社会全体が考えていくべきことなんだと思います(医療、福祉女性20歳台以下)
働き方改革をする事で、収入が下がったり、生活が苦しくなる様では困るので、私は働きたいと思いますし、「楽」をする事が幸せではないと思っています。むしろ、昭和の働き方のようになっても、それはそれでよいと思います。(建設業男性30歳台)
○官庁、大企業やオフィスで仕事している人は土日休や夏冬等しっかりとれるが老人ホームは365日、24H回っている。週休2日制ではなく、祝日の分もプラスして年間休日の設定で休みをとれるようにしてほしい。(医療、福祉女性50歳台)
○有休をちゃんと取得させてほしい。(サービス業女性20歳台以下)
働き方改革という言葉ばかりが先行して、実際何が変化しているのか、何を変えようとしているのか全くわからない。会社内でも、国が「働き方改革」と言っているから、何となくそれらしきことをしようと…掲示物などで「休みを取ろう!」などとアピールしているが、実際休みにくい。もっと直接的な指導を国から会社へアプローチしなければ変わらないのではないか。会社には全く危機感がない。(情報通信業女性40歳台)
年次有給休暇取得のために、各事業所での人員増加を今まで以上に取り組むべきである。(運輸業男性50歳台)
○有給休暇は年5日しか取る事ができません。10日にしてください。医療、福祉と世の中では言っているが、福祉にもっと目をむけてほしい。現場をもっと知ってほしい。医療と福祉に平等な対応をしてほしいです。(医療、福祉女性50歳台)
○携わる業務内容、責任の大きさで有休取得率は大きく変わると感じる。いくら、テレワーク、Web会議を導入した所で、新型コロナウイルス感染拡大防止策には繋がっても、残業抑制には直結しないような気がする。(建設業男性30歳台)
○守らない企業へのペナルティを正しく与える方がよいと思う。(サービス業男性30歳台)
働き方改革は労働者主導ではなく、経営者主導で実施されるべきである事を大きく広めてほしいです。(情報通信業男性30歳台)
○安心して出産・子育てができる給料、働きがあればいいと思います。(その他男性20歳台以下)
○改革を進めることによって恩恵をうけるのは、やはり一部の大手企業や官公庁で従事する人が中心になると思います。改革の当初はそれでよいと思いますが、それによって何が良くなり、何に影響が出たか、また、想定されたが発生しなかった(もしくは影響が軽微だった)課題なども公表してもらえると中小企業も追随しやすいかと思います。(その他男性30歳台)
○部署にもよりますが、弊社では4、5年前に比べて労働時間が大きく減少しているように感じています。私は総務の者ではありませんので、従業員の正確な労働時間を把握しているわけではありませんが、全体的に帰宅時間が早くなっていると思います。それには法改正の影響もありますので、引き続き働き方改革や労働に関する施策を促進していただければと思います。(卸売業、小売業男性40歳台)
○在宅勤務について、オリンピック、パラリンピック開催時に通勤ラッシュ時の交通機関への影響を心配していたが、来年開催した時に在宅勤務が普及したおかげで混乱を避ける準備ができたと思う。働き方改革で時間外労働を減らそうという企業内の取組みはあるものの、定時間内で終わる仕事量まで減らすにはまだまだ時間がかかるのが実情である。コロナ禍で人員を減らすだけではなく、必要な人材は確保しながらでないと、業務負担が増えるばかりで、残業は減らないと思う。(製造業女性50歳台)
働き方改革によって過重労働による身体への負担はだいぶ軽くなったが、繁忙期など、時期によって残業代をたくさん稼げていたものが明らかに減った。年収ベースではほとんどの従業員の給料は減っていて、家計が厳しくなっているという声もよく聞く。雇用側から無理矢理働かされることは防がなければいけないと思うが、本人が希望する場合や、仕事に対し体力的な問題で影響を及ぼさない場合は副業を許可する等、柔軟に対応してほしい。(運輸業男性30歳台)
○結局現場が大変な思いをするような改革の仕方はやめてほしい。(宿泊業、飲食サービス業男性40歳台)
○医療業務のため、在宅勤務やテレワークは不可能と考える。そのため、働き方改革とはあまり縁がないように思うが、人員を増員し、時短等は可能かも知れない。働き方改革により、過重労働を強いられている企業等の方々にはとても良い政策だと思います。(医療、福祉女性40歳台)
○自身は実施対策外だったので経験がないが、在宅勤務やテレワーク等により職場以外から職場へインターネット回線等を経由してアクセスした場合、情報漏えい等のリスクが心配だった。今後こうした改革が進むことは容易に想像がつくが、サイバー関係の対策等を行政が並行して予防策等検討することも必要だと思う。(その他男性20歳台以下)
○業務量を減らさずに労働時間だけを減らすのは困難である。また残業時間=残業代でもあるので不足することにより生活困窮者が出ないような施策を打ち出して欲しい。(建設業男性30歳台)
働き方改革による縛りは良いが、業務の量自体の削減及び改善と合わせて行わないと実行性の少ないものになると考えます。(サービス業男性40歳台)
○私は技術専門職です。時間の制約により以前のように働くことができなくなりました。次世代の育成にかける時間も制約され、技術伝承ができなくなってます。確かに労働行政施策は大切ですが、良いことばかりではありません。事業内容によってはマイナスが大きい面があります。絶対量の変わらない仕事では、大企業が下請会社へとふり、格差がより大きくなりました。一律の法でしばるのではなく、もう少し幅をもつことが、次世代の日本をよくすると思います。(情報通信業男性40歳台)
○休みが増えるのはありがたい反面給料がかせげなくなっている。ほぼ残業、休日出勤0では家族を養っていくのが多少困難である(サービス業男性40歳台)
働き方改革により無理な労働が減ることはいいが、収入が減ることによって生活が不安定になるのでは意味がないと感じる。労働だけでなく、生活そのもの全体を捉えた施策を行って欲しい。(医療、福祉女性30歳台)
○収入が多くないので、残業代を入れて生活できていたが、残業が減って生活は前よりも悪くなった。働き方改革はけして良いとは思わない。(サービス業男性40歳台)
○仕事量自体が減らないと、有休を取得する仕組みなどが出来ても実態として翌日(又は前日)に残業をしたり、休暇中も仕事をするなど解決はされない。新しい技術の積極的な利用やシステム化を推進して生産性を上げる必要があると感じる。(情報通信業男性30歳台)
○週休3日制の拡充をお願いします。法に明記されると嬉しいです。(情報通信業女性30歳台)
○医療、福祉の現場職員、週休3日が当たり前となる社会に改革して頂きたいです。(医療、福祉女性50歳台)
○飲食業界なので、勤務時間が毎日長時間になります。時間短縮が難しい職場に関しては、週休3日制にしてほしいと思っています。(宿泊業、飲食サービス業女性30歳台)
○当社では1時間単位で休暇取得が可能です。他社様でも活用できる機能の1つだと思うので、ぜひ検討していただければ。また、週3日勤務については公務員のような働き方では難しいのが現状だと思います。(医療、福祉女性20歳台以下)
○都外から通勤しているのでテレワークを拡充してほしい。結局はんこを押すためや、事務手続きのために出社する必要があり、満員電車に乗らなくてはならない。週休3日も促進してほしい。(教育、学習支援業男性40歳台)
○会社員に最も精神的身体的負担を強いているのが通勤電車であると考えます。行政として通勤負担を減らす/無くす様な施策に力を注ぐ様、お願いしたい。(建設業男性40歳台)
最低賃金の向上、テレワークをするにあたり補助金制度があればと思います。(建設業男性20歳台以下)
○介護職の低賃金の見直し。人手不足の改善。(医療、福祉女性30歳台)
○子育て者以外も時短勤務が可能になる。夫の転勤に帯同し海外へ移住しても日本の企業所属のままリモートで働き続けられる社会。(製造業女性30歳台)
○テレワーク中、押印の為だけに出社するのが無駄だと思いました。→PC上で押印と同等の証明を導入してほしい。(建設業男性20歳台以下)
○テレワークは良いが、やはり効率は悪いと思う。ITで言えば、新人が入れる案件が減った(テレワークで1人で仕事をできる人が求められる)。このままでは良い人材が育たない。人材育成においてひどい打撃である。テレワークより時短や時差出勤のが良いと思う。(情報通信業女性20歳台以下)
○時間帯で電車の運賃を変えるなどして時差出勤の推奨と満員電車の解消に寄与するような施策を期待したい。(情報通信業男性30歳台)
○通勤ラッシュの対策…ピーク時間帯の料金値上げを実施してほしい。在宅勤務手当の義務化…光熱費や部屋の改装に一定の補助を会社に義務化してほしい。(その他男性40歳台)
○在宅勤務日数のルール化(法人企業に対して)、在宅勤務をする為のハード面での支援(PC等の導入の援助金)(情報通信業男性50歳台)
○各業務にあった「働き方改革」の施策をしてほしい。(運輸業男性50歳台)
○どの事業内容も、同一の法規制では多々無理が生じ、逆に労働時間が増える。事業内容別のルール改正を望む。(情報通信業男性50歳台)
○法律で決まっていることとはいえ、事業内容により完全に残業時間を守る、休みを取得する(有給休暇含む)ことが難しいこともあり、より柔軟に対応していただけたらと思います。(情報通信業男性50歳台)
○福祉事業は他事業内容のような働き方に当てはまらない。もっと個々に合わせた働き方改革をしないと人材は不足し賃金も低く続いていかない。休暇も取得したくても取れないのが現実である。福祉分野は週休3日の人員増などもっと具体的にしてほしい。(医療、福祉女性50歳台)
○慢性的な人手不足の介護現場では、“働き方改革”を実施しようとすることに、どこかに負担をかけてしまう結果になったりする。今後介護職への人材確保の実現を確実に行って欲しい。(医療、福祉女性50歳台)
保育所では、子供をお預りする関係で極端な働き方改革は難しいですが、紙の資料が多く、保育士は資料作成で疲弊しているため、ICTの導入による業務改善のための東京都の補助金の拡充があるといいと思いました。保育所はITに強い職場ではないため、大きな金銭的メリットがないと、なかなか変わりづらいと思います。(医療、福祉男性30歳台)
○子育て世代の負担軽減、定年後も低賃金でも長く働き続けられる仕組み(労働力を活かす)を望みます。高齢者の知識を活かし、子どもへ伝わると嬉しいです。(卸売業、小売業女性30歳台)
働き方改革の実施には、会社がルールを決めたとしても、一緒に働く人達の理解と、平等性が必須だと感じます。同じ条件の雇用形態なのに、既婚者やお子様がいる人は当然のように、残業や休日出勤が対象になりにくいのは、「理解がある会社」という良い見え方の一方で、その分優先的に対応する側としては、不平等に感じます。残業代や休日手当てなどがついたり、雇用形態に違いがあれば、納得できるかも(製造業女性30歳台)
○残業ありきの仕事や、長い時間会社にいる人間が偉いと勘違いしている上司や従業員がまだまだ多くいる。日本のやり方はもう古いし、先進国として遅れていて恥ずかしい。どんどん変えてほしい。(運輸業男性30歳台)
○さまざまな属性、立場の人たちが、仕事をして収入を得られるような社会であってほしい。健康な男性だけが活躍して高収入を得られる時代はもう過去のことだと思います。高齢者も社会的弱者も、みんなが希望すれば役割を得られる社会になりますよう。(その他女性40歳台)
○ダブルワーク禁止の会社はどうすればいいのでしょうか。(卸売業、小売業男性40歳台)
○積極的なテレワーク導入は良いと思いますが、給料が今までの様に保証されるのかどうか不安を感じている人もいると思います。事業者側は仕事をしているのか管理ができず、給料の支払いに対して疑問を持っている事業者もいると思いますが管理システムの導入費用が高くなかなか導入できない現状があると思います。従業員は身の安全を確保する為、在宅勤務を行っておりますが目に見えない為、上司や事業者側から本当に仕事をしているか疑われる為会社へ通っているという状況もあります。特に中小企業に対して、管理システムの導入費用を東京都に負担して頂けたら良いのかと個人的には思います。またテレワークを行う為の、通信費、PC等の情報通信機器に関しても費用負担を希望致します。(サービス業女性30歳台)
新型コロナウイルスの影響で、働き方は変化せざるを得ないと感じています。在宅勤務やテレワークの実施は中・長期的に続いていくと思いますが、拡充していくためには、ネットワーク環境やセキュリティ対策が欠かせません。そこに対する支援がなされると多様な働き方が拡がっていくのではないかと思います。(教育、学習支援業女性50歳台)
○会社のPCを持ち帰り、在宅勤務することがありますが、当社では他社のテレワークの実態を把握できておらず、迷走しているところがあります。テレワークの例を示していただけないでしょうか。押印、サインを無くしていく流れになっていますが、当社では導入の予定がありません。モデルを示していただきたいです。(どういうものに、どこまで適用してよいのかが不明)(製造業男性30歳台)
○休みを増やすわけではなく給与や人材育成などに力を入れてほしい。医療や福祉は人手が本当に足りていません。(医療、福祉女性40歳台)
○個人の意識や心がけも必要ですが、行政からのポジティブな働きかけが企業に対しては効果的だと思います。具体的にはえるぼし、くるみんでの入札加点評価は、弊社の重い腰が動くきっかけになりました。「男性育休や働き方改革、多様な人材の登用を宣言し進めた企業」に、業務入札加点を与える制度を都に作っていただきたいです。ペナルティではなく、取り組んだ企業にインセンティブを与えることが大切だと思います。働き方改革が進まない中央官庁やメディア企業の実態を特に伝えることと、宣言および数値目標を広報することが大切だと思います。周知とともに、これまでの働き方や価値観のアップデートが経営側、働く側の双方で必要です。人手不足の中小企業でも働き方改革を推進するきっかけとなるように、助成金などの制度を、価値観のアップデートとセットで広めるとよいのではと思います。このようなアンケートはぜひ続けてほしいです。(その他女性30歳台)
○デジタル化をはじめ、日本の働き方が変革するチャンスだと思う。規制の緩和を積極的に、国に働きかけ、東京都としての先進事例を確立して欲しい。労働相談情報センターには、是非ともその先頭に立った活動を期待しています。(医療、福祉男性30歳台)

新型コロナウイルス感染症への対応について】

○在宅勤務は強制でないと、結局出社する人が多いように感じます。(出社した方が仕事がやりやすいため)(情報通信業女性20歳台以下)
○スーパー等の接客業の休み月1回でもいいので店休日設定をして欲しい。入店時のマスク着用は国からも呼びかけて欲しい。(卸売業、小売業女性50歳台)
○介護職なので、コロナウイルスがどれだけ感染拡大していても、利用者の元へ出向かなくてはならない。なので、感染リスクを減らすためにもテレワークなどを行える所には積極的に行うように促してもらいたい。有休に関しては人員が不足しており、シフトに穴をあけてはいけないため取得するのは難しい(医療、福祉男性30歳台)
○計画有休と同じような形式でテレワークも年次で取得(年〇回)出来る施策があれば、テレワークしやすくなると思われる。(情報通信業男性20歳台以下)
○緊急事態宣言の解除後は、すぐに通常通りの勤務体系に戻ってしまいました。職種に関係なく、オフィスワークを止めて在宅勤務にシフトできるような施策をお願いしたいです。(情報通信業女性40歳台)
○在宅やテレワークが可能な職種ですが法人の考えとして、全ての職員に対応できるわけではないという理由(不公平)で導入して貰えません。職種によって特異性があっていいと思うのですが。ニューノーマルの仕事スタイルについて、経営側の考えがかわらない限りコロナとの共存は難しいと感じています。(医療、福祉女性30歳台)
○在宅勤務や時差出勤を都が実施するようにと発表してからも、なかなか弊社では実施されず時間がかかってしまいました。強く要望しないと実施できない企業も多いので、冬に向けて早めの(改めての)働き方改革の実行が必要と考えます。(情報通信業女性30歳台)
○現場作業がおもなものなのでテレワークが不可能なため、どの様にコロナ対策を取るか難しいところです。(運輸業男性50歳台)
○テレワークや在宅勤務が業務内容によって出来る・出来ない、と分かれてしまう職場であり、な
おかつ自転車や徒歩での出勤はとても難しいので、交通機関が混雑しないように改めて呼びかけ
てほしいです。(サービス業女性20歳台以下)
○コロナだけではなく、冬はインフルエンザ等感染症も増加するので、「都」からテレワークや移動制限のお達しを出してほしい。緊急事態宣言解除後の電車や会社は元のように戻ってしまっている。都等が方針として出してくれないと、会社も社員の私たちもテレワークしづらい。(建設業女性30歳台)
○◎コロナの影響あり。(在宅ケアマネジャー)緊急事態宣言期間後に①退院ケースが増える。②家族が「陽性」でサービス止まり、他サービス調整のため、訪問(防護服等対策の上…経費かかる)③訪問職員・施設職員、「陽性」で上記同様の対応が必要。◎医療・福祉の難しい状況を知って頂きたい。業務量が増した。「赤字」事業と言われ、残業代の請求できず、「サービス残業」が30H/月越える。精神的にも負担あり。(医療、福祉女性50歳台)
○勤務時間を減少するよう指示いただきましたが仕事量は変わらないため業務がたまる一方となりました。結果、祭日返上も当然となりコロナで通勤が不安であってもまぬがれない状況です。それでも会社のために頑張りたい気持ちが強くまた辞めては生活が成り立たなくなるためむずかしいです。アンケート参加させていただきありがとうございます。(宿泊業、飲食サービス業女性40歳台)
○勤務内容(総務)がテレワークに向かないため、コロナ前と働き方は変わっていません。また第2波・第3波が来たときにどんな事情であっても柔軟に働き続けられるような環境であってほしいと思います。少しづつ社会の働き方が変わればいいなと願っています。(教育、学習支援業女性30歳台)
○福祉の労働は、人対人なので、どんな社会状況であっても出勤することが求められます。テレワークでは、成り立たない事業内容なので。せめて、職場環境が良くなるよう、手厚い人的、財的支援をお願いします。(医療、福祉女性50歳台)
○テレワーク助成金制度の説明が複雑で、すでに申請前に導入していたものは除外するという条件は不服に感じた。感染体制を急ピッチで進めて申請まで早めに対応は難しかった。(製造業女性30歳台)
○現在は、週5日オフィス出勤となっており導入されかけたテレワークが、所属部署ではSTOPしたままとなっております。コロナ対策、労働環境の改善のためにも、導入に向けた推進をお願いしたいです。(サービス業男性30歳台)
○自分の勤務先では、幸いテレワークのしくみが継続しているが、「社員の仕事ぶりが見えない」を理由に、取りやめてしまったところもあります。COVID-19の感染は今後もつづき、拡大することも考えられ、看護・子育てへの柔軟な対応のためにも、引き続き拡充に向けた呼びかけや取組をしていってほしいです。(教育、学習支援女性30歳台)
○運輸交通業に従事する者として人々の移動を支えているという使命感があります。新型コロナウイルスの流行で交通を利用するお客様も移動のお手伝いをする交通従事者も不安を抱えているのは事実ですが、感染防止策をしっかり行っているので安心であると広報していただけるとありがたいです。(運輸業男性30歳台)
○新型コロナの発生により、業界ごと、又は企業ごとの対応力の差が顕著に表れたように感じます。例えば非正規雇用切りがあったり、正社員の中でも男性/女性、年齢、子の有無により、中には辛い思いをした者もいます。その層というのは、世の中が不況になったときに「働けるのに、働きづらくなる」層でもあると思うので、行政の力で雇用を守る方法を検討頂ければと思っています。(情報通信業女性30歳台)
PCR検査を誰でも週1回、月1回受けられるよう希望します。中小企業勤務では自費では不可能です。年老いた両親に会いたい。(製造業女性40歳台)
○科学的、専門的な見解、行政上の見解等、全てを総合的に判断した施策を迅速に施行してほしい。(医療、福祉男性50歳台)

【行政に対する意見・要望】

○残業時間の減少に加えコロナの影響で賞与も無く、本当に生活が困窮しています。定年後の生活も暗い事が多いと感じ、不安です。(サービス業女性40歳台)
○もっとロボットや機械を導入して、人間が幸福になれる(精神的余裕をもてる)ような生産構造へもってゆくべきでしょう。お金や生活に心配しないで済むような社会構造(経済構造)の構築に力を入れてゆくべきでしょう。(医療、福祉男性50歳台)
○各事業内容で人手不足ではあると思うが、福祉サービスの最前線で働いている人達への賃金に差をつけるべきだと思う。飲食や接客などのサービス業と、介護などのサービス業で時給がほぼ変わらないなら、大多数の人が介護を避けて求職すると思う。現に、人手不足で求人をいくら発信しても応募がない。応募が無ければ人も選べず人員補充優先すれば本来選ぶ人材ではなくても採用せざるを得なかったり、現状の人員不足のままで営業せざるを得ない。事務職への応募はたくさんあるのに介護への応募は絶対数少ないと思う。それは職務内容もハードルが高く思われるのもあるが、賃金に差があまり無いというのも要因だと思う。(医療、福祉女性40歳台)
○老人ホームは、夜間の待機手当てがホームによって金額が違うので行政で決めてほしいと思います。特養からの退職が多いのは、大変な仕事なのに給料が安いからだと思います。(医療、福祉女性60歳以上)
○知的労働における「生産性」とは何か?ということを企業に教育、啓蒙頂きたいと思います。「働き方改革」「生産性向上」「効率化」と言葉だけ先行して実態が伴わない企業が多いのではないかと思います。COVID-19で都の対応は総じて良かったと思います。リーダーシップの発揮を期待しています。企業の立地や、通勤の時間の集中はロスが大きいため、分散しやすい税制などの制度設計を期待しています。(製造業男性30歳台)
○企業側の利益(人件費の削減や、新サービスの拡大による経済効果)ではなく、労働者の利益を一番に考えてほしい。労働者に経済的、時間的な余裕がなければ、消費の拡大も、スキルアップによる生産性向上もできません。また、山手線内への一極集中を見直して、オフィスの郊外分散を進めてほしい。都下や他県との隣接地域の土地を有効活用してほしい。(情報通信業男性30歳台)
○そもそも労働者と企業は対等な立場なのに、力関係で中小企業は企業側が優位になっていると、今までの職歴の中で感じる。労働者は1人で企業と交渉するのも難しい。すべての労働者が組合に入っているわけではないので、個人を守る政策を望む。(医療、福祉男性40歳台)
○エッセンシャルワーカーが安心して働けるような労働環境を作れるような施策を作っていってほしいです。(医療、福祉女性30歳台)
○福祉系職種の給与水準が低いのでもう少し高くしてほしい。離職率を下げるためにも月5万円以上の給与アップを求めます。(医療、福祉女性30歳台)
○介護ヘルパーはコロナ禍でも変わらず勤務しています。今後も仕事が減ることはないと予想されます。働く人員を増やせるよう、賃金水準を上げていただきたいです。(医療、福祉女性50歳台)
○介護職員のみ介護事業手当金の支給がありますが、同じ施設の専門職にはありません。(賃金格差がすごいです)CWではなくても介護は行います。様々なリスクはそれなりに同等、むしろCWの手伝いにより業務量は増しています。特に管理栄養士の賃金は低く、全国的に生活がギリギリの方も割とあると思います。介護士のみ優遇せず、その周りの職員にもスポットをあてて下さい。現場は厳しいものです。どうかよろしくお願い申し上げます。(医療、福祉女性30歳台)
○収入減少や一部の人手不足の為副業促進を行政が促してくれると良い(医療、福祉女性40歳台)
○中小企業にとって現実的な策を履行してほしい。(医療、福祉女性30歳台)
○子供のいない世帯にも優しい政策を考えて欲しい。(卸売業、小売業男性40歳台)

夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について(令3.4.30保保発0430第2号・保国発0430第1号)

夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について(令3.4.30保保発0430第2号・保国発0430第1号)

https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210512S0010.pdf



夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定については、「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について」(昭和60年6月13日付け保険発第66号・庁保険発第22号通知。以下「昭和60年通知」という。)により対応いただいているところであるが、令和元年に成立した医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律(令和元年法律第9号)に対する附帯決議として、「年収がほぼ同じ夫婦の子について、保険者間でいずれの被扶養者とするかを調整する間、その子が無保険状態となって償還払いを強いられることのないよう、被扶養認定の具体的かつ明確な基準を策定すること」が付されたところである。
これを踏まえ、夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について、今般、別紙のとおり行うこととしたので、円滑に運営いただくとともに、都道府県におかれては貴管内市町村(特別区を含む。)及び国民健康保険組合に周知いただくようお願いする。
なお、本通知をもって昭和60年通知は廃止する。

夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について


1夫婦とも被用者保険の被保険者の場合には、以下の取扱いとする。

(1)被扶養者とすべき者の員数にかかわらず、被保険者の年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだものとする。以下同じ。)が多い方の被扶養者とする。

(2)夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。

(3)夫婦の双方又はいずれか一方が共済組合の組合員であって、その者に被扶養者とすべき者に係る扶養手当又はこれに相当する手当(以下「扶養手当等」という。)の支給が認定されている場合には、その認定を受けている者の被扶養者として差し支えない。
なお、扶養手当等の支給が認定されていないことのみを理由に被扶養者として認定しないことはできない。

(4)被扶養者として認定しない保険者等は、当該決定に係る通知を発出する。
当該通知には、認定しなかった理由(年間収入の見込み額等)、加入者の標準報酬月額、届出日及び決定日を記載することが望ましい。
被保険者は当該通知を届出に添えて次に届出を行う保険者等に提出する。

(5)(4)により他保険者等が発出した不認定に係る通知とともに届出を受けた保険者等は、当該通知に基づいて届出を審査することとし、他保険者等の決定につき疑義がある場合には、届出を受理した日より5日以内(書類不備の是正を求める期間及び土日祝日を除く。)に、不認定に係る通知を発出した他保険者等と、いずれの者の被扶養者とすべきか年間収入の算出根拠を明らかにした上で協議する。
この協議が整わない場合には、初めに届出を受理した保険者等に届出が提出された日の属する月の標準報酬月額が高い方の被扶養者とする。
標準報酬月額が同額の場合は、被保険者の届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。なお、標準報酬月額に遡及訂正があった結果、上記決定が覆る場合は、遡及が判明した時点から将来に向かって決定を改める。

(6)夫婦の年間収入比較に係る添付書類は、保険者判断として差し支えない。


2.夫婦の一方が国民健康保険の被保険者の場合には、以下の取扱いとする。

(1)被用者保険の被保険者については年間収入を、国民健康保険の被保険者については直近の年間所得で見込んだ年間収入を比較し、いずれか多い方を主として生計を維持する者とする。

(2)被扶養者として認定しない保険者等は、当該決定に係る通知を発出する。当該通知には、認定しなかった理由(年間収入の見込み額等)、届出日及び決定日を記載することが望ましい。
被保険者は当該通知を届出に添えて国民健康保険の保険者に提出する。

(3)被扶養者として認定されないことにつき国民健康保険の保険者に疑義がある場合には、届出を受理した日より5日以内(書類不備の是正を求める期間及び土日祝日を除く。)に、不認定に係る通知を発出した被用者保険の保険者等と協議する。
この協議が整わない場合には、直近の課税(非課税)証明書の所得金額が多い方を主として生計を維持する者とする。


3.主として生計を維持する者が健康保険法(大正11年法律第70号)第43条の2に定める育児休業等を取得した場合、当該休業期間中は、被扶養者の地位安定の観点から特例的に被扶養者を異動しないこととする。
ただし、新たに誕生した子については、改めて上記1又は2の認定手続きを行うこととする。


4.年間収入の逆転に伴い被扶養者認定を削除する場合は、年間収入が多くなった被保険者の方の保険者等が認定することを確認してから削除することとする。


5.被扶養者の認定後、その結果に異議がある場合には、被保険者又は関係保険者の申立てにより、被保険者の勤務する事業所の所在地の地方厚生(支)局保険主管課長(以下「保険課長」という。)が関係保険者の意見を聞き、斡旋を行うものとする。
各被保険者の勤務する事業所の所在地が異なる場合には、申立てを受けた保険課長が上記斡旋を行い、その後、相手方の保険課長に連絡するものとする。


6.前記1から5までの取扱基準は、令和3年8月1日から適用する。

(2021年5月12日時点)まん延防止等重点措置に係る雇用調整助成金の特例について

(2021年5月12日時点)まん延防止等重点措置に係る雇用調整助成金の特例について

まん延防止等重点措置を実施すべき区域の公示に伴い、まん延防止等重点措置の対象区域(職業安定局長が定める区域)において都道府県知事による営業時間の短縮等の要請等に協力する企業について、雇用調整助成金の助成率を最大10/10に引き上げる特例が適用になります。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000778849.pdf

なお、川口が個人的に助成金センターに確認した内容ですが、2021年4月まで原則的な措置により支給を受けており、2021年5月1日以降に引き上げの特例を受けずに受給を継続する場合、2021年6月末までは初回に提出した「雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書」による生産指標をそのまま利用することができるそうです。(比較対象とする月についての柔軟な取り扱いとする特例措置が6月末まで継続)
つまり、例えば2020年4月頃の生産指標5%低下に基づいて、これまで支給を受けていれば、2021年5月・6月の生産指標に関係なく、上限13,500円等による受給を継続することが可能となります。

助成率の引き上げ

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※判定基礎期間の初日が基準になっています。(4月16日~5月15日や4月30日~5月29日の期間は上段が適用となります。)

対象となる休業等

特例の対象となる区域内で事業を行う飲食店等の事業主が、営業時間の短縮、収容率・人数上限の制限、飲食物の提供又はカラオケ設備利用の自粛に協力するなどの知事の要請等の対象となる当該区域内の施設について、要請等に協力し、その雇用する労働者の休業等を行った場合
※ 施設において催物(イベント等)を開催した(又は予定していたが開催できなくなった)事業者に雇用される労働者(開催縮小等がなされる催物に従事する労働者)について休業等を行った場合も含みます。
※次の①~⑤は、FAQより抜粋しました。
①特定都道府県や重点区域に設置している店舗の一部で対応している場合や休日にのみ時短営業を行っているような場合は対象になりません。対象となるためには、要請等に全面的に協力している必要があります。
②従来から閉店時間を20時前に設定している施設については、特例の対象になりません(要請等に応じての営業時間の短縮等を実施する必要があります)。
③(施設が対象地域外にもある会社の場合)特定都道府県及び重点区域内の要請等対象施設のみ特例の対象となります。要請等対象施設と要請等対象施設以外の労働者を休業等させた場合は、それぞれの様式に分けて申請してください。
④特定都道府県や重点区域の知事が、特措法施行令第11条に定める施設以外の施設に行った要請等に応じた場合は特例の対象になりません。
⑤特定都道府県や重点区域以外の都道府県の知事が、独自に行った要請等に応じた場合は特例の対象になりません。

ご留意事項

この内容は、令和3年5月12日時点のものです。
特例の対象となる区域などの最新情報は、厚生労働省のホームページにてご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/cochomoney_00002.html

特例の対象となる区域及び期間

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退職金等請求事件(最判小一令3.3.25引用元最高裁判所HP)

退職金等請求事件(最判小一令3.3.25引用元最高裁判所HP)

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90180

1.事件の概要

被上告人の母であるAは、平成26年に死亡したところ、当時、株式会社Bの従業員であり、同社は、上告人機構との間でAを被共済者とする中小企業退職金共済法所定の退職金共済契約を締結していた。また、Aは、死亡当時、確定給付企業年金法所定の企業年金基金である上告人JPP基金の加入者であり、厚生年金保険法(平成25年法律第63号による改正前のもの。以下「平成25年改正前厚生年金保険法」という。)所定の厚生年金基金である出版厚生年金基金の加入員であった。
本件は、被上告人が、Aの死亡に関し、上告人機構に対し上記共済契約に基づく退職金の、上告人JPP基金に対しその規約(以下「JPP基金規約」という。)に基づく遺族給付金の、出版厚生年金基金の権利義務を承継した上告人出版基金に対し出版厚生年金基金の規約(以下「出版基金規約」という。)に基づく遺族一時金の各支払を求める事案である(以下、上記の退職金、遺族給付金及び遺族一時金を併せて「本件退職金等」という。)。
中小企業退職金共済法、JPP基金規約及び出版基金規約において、本件退職金等の最先順位の受給権者はいずれも「配偶者」と定められている。被上告人は、Aとその民法上の配偶者であるCとが事実上の離婚状態にあったため、Cは本件退職金等の支給を受けるべき配偶者に該当せず、被上告人が次順位の受給権者として受給権を有すると主張している。
原審は、たとえ戸籍上配偶者とされている者が存在していても、その婚姻関係が実体を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して解消される見込みのないとき、すなわち、事実上の離婚状態にある場合には、もはや上記受給権者である配偶者に該当しないなどとして、被上告人の請求をいずれも認容したため、独立行政法人勤労者退職金共済機構らが上告したの本件である。

2.事実関係

原審の適法に確定した事実関係等の概要は、次のとおりである。

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(1) 中小企業退職金共済法所定の退職金共済契約に基づく退職金について

中小企業退職金共済法10条1項は、上告人機構は被共済者が退職したときは、その者(退職が死亡によるものであるときは、その遺族)に退職金を支給する旨を規定している。上記遺族について、同法14条1項は、同項各号に掲げる者とする旨を規定しており、同項1号は、「配偶者(届出をしていないが、被共済者の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)」を、同項2号は、「子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で被共済者の死亡の当時主としてその収入によつて生計を維持していたもの」を、同項3号は、「前号に掲げる者のほか、被共済者の死亡の当時主としてその収入によつて生計を維持していた親族」を、同項4号は、「子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で第二号に該当しないもの」をそれぞれ掲げている。そして、上記退職金を受けるべき遺族の順位について、同条2項は、同条1項各号の順位による旨を規定している。

(2) JPP基金規約に基づく遺族給付金について

確定給付企業年金法47条は、確定給付企業年金の給付の一種である遺族給付金は、確定給付企業年金に係る規約において遺族給付金を支給することをめている場合であって、加入者等の給付対象者が死亡したときに、その者の遺族に支給するものとする旨を規定している。上記遺族について、同法48条は、同条各号に掲げる者のうち規約で定めるものとし、遺族給付金を受けることができる順位は規約で定めるところによる旨を規定しており、同条1号は、「配偶者(届出をしていないが、給付対象者の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)」を、同条2号は、「子(中略)、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹」を、同条3号は、「前二号に掲げる者のほか、給付対象者の死亡の当時主としてその収入によって生計を維持していたその他の親族」をそれぞれ掲げている。

イ 上記アの定めを受けて、JPP基金規約65条1号は、上告人JPP基金の加入者が死亡したときは、その者の遺族に遺族給付金を一時金として支給する旨を定めている。上記遺族について、同規約66条は、確定給付企業年金法48条各号と同じ者を掲げており、遺族給付金を受けることができる順位は同条各号の順序による旨を定めている。

(3) 出版基金規約に基づく遺族一時金について

ア 平成25年改正前厚生年金保険法130条3項及び同項の委任を受けた厚生年金基金令(平成26年政令第73号による廃止前のもの。以下同じ。)26条1項は、厚生年金基金は、加入員等の給付対象者の死亡に関し、その遺族に一時金たる給付の支給を行うことができる旨を規定している。上記遺族について、同条2項は、同項各号に掲げる者のうち規約で定めるものとする旨を規定しており、同項1号は、「配偶者(届出をしていないが、給付対象者の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)」を、同項2号は、「子(中略)、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹」を、同項3号は、「前二号に掲げる者のほか、給付対象者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたその他の親族」をそれぞれ掲げている。そして、同条3項は、上記給付を受けることができる遺族の順位は規約で定めるところによる旨を規定している。

イ 上記アの定めを受けて、出版基金規約60条1号は、加算適用加入員期間が3年以上である加算適用加入員が死亡したときは、その者の遺族に遺族一時金を支給する旨を定めている。上記遺族について、同規約62条は、厚生年金基金令26条2項各号と同じ者を掲げており、遺族一時金を受けることができる順位は同項各号の順序による旨を定めている。

ウ Aは、死亡当時、加算適用加入員期間が3年以上である加算適用加入員であ
った。
また、出版厚生年金基金は、Aの死亡後に消滅し、その権利義務を上告人出版基金が承継した。

(4) Aの婚姻関係について

ア Aは、昭和63年6月1日、Cと婚姻をし、平成元年▲月▲日に被上告人をもうけた。AとCの間には他に子はいない。

イ Cは、平成4年頃、A及び被上告人と別居し、他の女性の下で生活を始め、以後、A及び被上告人と共に生活したことはなかった。Cは、別居後にAと面会したのは数回にすぎず、婚姻費用をほとんど分担しなかった。

ウ Aは、平成21年頃、Cから協議離婚を求める書面の送付を受けたが、当時大学生であった被上告人の就職に支障が生ずることを懸念して、離婚の意思があったものの離婚の手続をせずにいた。その後、Aは、被上告人が大学を卒業した平成26年▲月には罹患していた病気の状態が悪化して離婚届を作成することができなくなり、Cとの離婚をしないまま同年▲月▲日に死亡した。Cは、Aが死亡したとの連絡を受けながら、その葬儀に出席しなかった。

エ Aは、死亡の前日である平成26年▲月▲日、いわゆる危急時遺言の方式に
よって、推定相続人であるCを廃除し被上告人に全ての遺産を相続させる旨の遺言をした。そして、東京家庭裁判所は、平成28年10月5日、上記イの事情等を理由として、Cにつき推定相続人の廃除の審判をした。

オ このように、AとCの婚姻関係は、Aの死亡当時、実体を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して近い将来解消される見込みがなく、事実上の離婚状態にあった。

3.判決の概要

(1) 中小企業退職金共済法は、中小企業の従業員の福祉の増進等を目的とするところ(1条)、退職が死亡によるものである場合の退職金について、その支給を受ける遺族の範囲と順位の定めを置いており、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む配偶者を最先順位の遺族とした上で(14条1項1号、2項)、主として被共済者の収入によって生計を維持していたという事情のあった親族及びそのような事情のなかった親族の一部を順次後順位の遺族としている(同条1項2~4号、2項)。このように、上記遺族の範囲及び順位の定めは、被共済者の収入に依拠していた遺族の生活保障を主な目的として、民法上の相続とは別の立場で受給権者を定めたものと解される。このような目的に照らせば、上記退職金は、共済契約に基づいて支給されるものであるが、その受給権者である遺族の範囲は、社会保障的性格を有する公的給付の場合と同様に、家族関係の実態に即し、現実的な観点から理解すべきであって、上記遺族である配偶者については、死亡した者との関係において、互いに協力して社会通念上夫婦としての共同生活を現実に営んでいた者をいうものと解するのが相当である最高裁昭和54年(行ツ)第109号同58年4月14日第一小法廷判決・民集37巻3号270頁参照)。
そうすると、民法上の配偶者は、その婚姻関係が実体を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して近い将来解消される見込みのない場合、すなわち、事実上の離婚状態にある場合には、中小企業退職金共済法14条1項1号にいう配偶者に当たらないものというべきである。なお、このことは、民法上の配偶者のほかに事実上婚姻関係と同様の事情にあった者が存するか否かによって左右されるものではない。

(2) また、JPP基金規約に基づく遺族給付金は、公的年金の給付とあいまって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とするものであり(確定給付企業年金法1条参照)、出版基金規約に基づく遺族一時金は、加入員の生活の安定と福祉の向上を図ることを目的とするものである(平成25年改正前厚生年金保険法1条、106条参照)。そして、確定給付企業年金法厚生年金基金令は、これらの支給を受ける遺族の範囲と順位は規約で定めるものとしつつ、規約で定めることのできる遺族として、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む配偶者や、直系血族及び兄弟姉妹のほか、主として給付対象者の収入によって生計を維持していたその他の親族又は給付対象者と生計を同じくしていたその他の親族を掲げており、これを受けて、JPP基金規約及び出版基金規約は、上記に掲げられた者を遺族とする旨を定めている。
このような定め方からすると、上記の各規約の定めも、給付対象者の収入に依拠していた遺族の生活保障を主な目的として受給権者を定めたものと解される。このような目的に照らせば、上記の遺族給付金及び遺族一時金についても、上記(1)と同様に、民法上の配偶者は、その婚姻関係が事実上の離婚状態にある場合には、その支給を受けるべき配偶者に当たらないものというべきである。

(3) これを本件についてみると、前記のとおり、AとCの婚姻関係は、Aの死亡当時、事実上の離婚状態にあったものであるから、Cは、本件退職金等の支給を受けるべき配偶者には該当しない。

以上と同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。所論引用の判例はいずれも本件に適切でなく、論旨はいずれも採用することができない。

4.解説

農林漁業団体職員共済組合法に基づく遺族年金について、「戸籍上届出のある妻が、夫と事実上婚姻関係を解消することを合意したうえ、夫の死亡に至るまで長期間別居し、夫から事実上の離婚を前提とする養育料等の経済的給付を受け、婚姻関係が実体を失つて形骸化し、かつ、その状態が固定化し、一方、夫が他の女性と事実上の婚姻関係にあつたなどのような事情があるときは、右妻は、遺族年金の受給者である配偶者にあたらない。」とされた最高裁判例があり、本件も同様の見解に拠ったものです。
遺族年金の受給等も、本判例と同じ論法になると考えられます。
社会保険手続でも「事実婚」や「内縁」なら、被扶養者の範囲等で目にするフレーズですが、「事実上の離婚状態」という概念はあまり馴染みがありません。しかし、別居中の配偶者を社会保険の被扶養者にする際に、扶養していることの確認のため一定額の仕送りをしていることの証明を求められますので、これにより「事実上の離婚状態」にある配偶者は、被扶養者の範囲からは排除されているのかも知れませんね。

「職場のハラスメントに関する実態調査」の公表

「職場のハラスメントに関する実態調査」の公表

厚生労働省より、「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書が公表されています。
この調査は、平成28年度に実施した職場のパワーハラスメントに関する実態調査から4年が経過し、ハラスメントの対策に取り組む企業割合や労働者の状況も変化していると考えられることから実施されました。
今回の調査は、全国の企業と労働者等を対象に、令和2年10月に実施されたものです。

改正労働施策総合推進法により、職場でのハラスメント対策の強化が企業に義務付けています。
中小企業はまだ努力義務の段階ですが、2022年(令和4年)4月から義務化されます。(大企業は2020年(令和2年)6月より既に義務化)

改正法が施行されたとはいえ
パワハラ、セクハラを受けた際の労働者の対応として「何もしなかった」の割合が最も高かった。
パワハラを知った際の企業の対応として「何もしなかった」という回答が半数以上
という結果が出ています。

本人が何もできないのは仕方ない面もありますが、企業が対応を「何もしなかった」というのは、あまりにも残念な結果で、職場環境配慮義務や安全配慮義務の点からも大問題です。

改正労働施策総合推進法により、企業に義務付けられるのは次の3点です。
・企業の「職場におけるパワハラに関する方針」を明確化し、労働者への周知、啓発を行うこと
・労働者からの苦情を含む相談に応じ、適切な対策を講じるために必要な体制を整備すること
・職場におけるパワハラの相談を受けた場合、事実関係の迅速かつ正確な確認と適正な対処を行うこと

これらにより、「事実関係の迅速かつ正確な確認と適正な対処を行うこと」ができる「適切な対策を講じるために必要な体制を整備」がなされて、今後の調査では「何もしなかった」という、あまりにも情けない回答は無くなって欲しいものです。
相談窓口を明確にすることにより、パワハラ、セクハラを受けた際の労働者が「何もできない」ということも少なくなることが期待されます。

なお、本調査によると、ハラスメントの予防・解決のための取組を進めたことにより、「職場のコミュニケーションが活性化する風通しが良くなる」という副次的な効果が得られることも多いようです。

下記に概要を抜粋いたしました。
詳細は、リンクをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18384.html

1.調査目的等

平成28年度に実施した職場のパワーハラスメントに関する実態調査から4年が経過し、ハラスメントの対策に取り組む企業割合や労働者の状況も変化していると考えられることから、本調査を実施されたものです。
○本調査は、企業調査と労働者等調査からなるアンケート調査で、2020年(令和2年)10月に実施されました。

2.調査結果の主要点

ハラスメントの発生状況・ハラスメントに関する職場の特徴

○過去3年間のハラスメント相談件数の推移については、パワハラ、顧客等からの著しい迷惑行為、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、介護休業等ハラスメント、就活等セクハラでは「件数は変わらない」の割合が最も高く、セクハラのみ「減少している」の割合が最も高かった。
○過去3年間のハラスメント該当件数の推移については、顧客等からの著しい迷惑行為については「件数が増加している」の方が「件数は減少している」よりも多いが、それ以外のハラスメントについては、「件数は減少している」のほうが「件数は増加している」より多かった。
○職場の特徴として、パワハラ・セクハラともに「上司と部下のコミュニケーションが少ない/ない」、「ハラスメント防止規定が制定されていない」、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」、「残業が多い/休暇を取りづらい」等の特徴について、ハラスメントを経験した者と経験しなかった者の差が特に大きい。

(※)この調査では、就職活動中のセクハラだけでなく、インターンシップ参加中のセクハラの経験についても調査しており、就職活動中またはインターンシップ参加中に経験したセクハラを「就活等セクハラ」とされています。

ハラスメント行為を受けた後の行動、ハラスメントを知った後の勤務先の対応、ハラスメントを受けていることを認識した後の勤務先の対応

○ハラスメントを受けた後の行動として、パワハラ、セクハラでは「何もしなかった」の割合が最も高かった。一方、顧客等からの著しい迷惑行為では、「社内の上司に相談した」の割合が最も高く、次いで「社内の同僚に相談した」が高かった。
○ハラスメントを知った後の勤務先の対応としては、パワハラでは「特に何もしなかった」(47.1%)、セクハラでは「あなたの要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」(34.6%)、顧客等からの著しい迷惑行為では、「あなたの要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」(48.6%)の割合が最も高かった。
パワハラ認定後の勤務先の対応としては、「行為者に謝罪させた」(28.5%)が最も多く、次いで「何もしなかった」(22.3%)であった。セクハラ認定後の勤務先の対応としては、「会社として謝罪をした」(32.4%)が最も多く、次いで「行為者に謝罪させた」(27.0%)が多かった。

ハラスメントの発生状況(企業調査)

○過去3年間のハラスメント相談件数の推移については、パワハラ、顧客等からの著しい迷惑行為、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、介護休業等ハラスメント、就活等セクハラでは「件数は変わらない」の割合が最も高く、セクハラのみ「減少している」の割合が最も高かった。
○過去3年間のハラスメント該当件数の推移については、顧客等からの著しい迷惑行為については「件数が増加している」の方が「件数は減少している」よりも多いが、それ以外のハラスメントについては、「件数は減少している」のほうが「件数は増加している」より多かった。
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ハラスメントに関する職場の特徴(労働者等調査)

パワハラ・セクハラともに「上司と部下のコミュニケーションが少ない/ない」、「ハラスメント防止規定が制定されていない」、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」、「残業が多い/休暇を取りづらい」等の特徴について、ハラスメントを経験した者と経験しなかった者の差が特に大きい。
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ハラスメントの予防・解決のための取組状況(企業調査)

パワハラ、セクハラおよび妊娠・出産・育児休業等・介護休業等ハラスメントに関する雇用管理上の措置として、「ハラスメントの内容、ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化と周知・啓発」および「相談窓口の設置と周知」を実施していると回答した企業は約8割程度であった。一方、「相談窓口担当者が相談内容や状況に応じて適切に対応できるための対応」の割合は全てのハラスメントにおいて約4割程度であった。
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ハラスメントの予防・解決のための取組を進めたことによる効果(労働者等調査・企業調査)

○勤務先がハラスメントの予防・解決に「積極的に取り組んでいる」と回答した者で、ハラスメントを経験した割合が最も低く、「あまり取り組んでいない」と回答した者でハラスメントを経験した割合は最も高い。
○ハラスメントの予防・解決のための取組を進めたことによる副次的効果は、「職場のコミュニケーションが活性化する風通しが良くなる」の割合が最も高く、次いで「管理職の意識の変化によって職場環境が変わる」が高かった。
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ハラスメントの予防・解決のための取組を進める上での課題(企業調査)

○ハラスメントの予防・解決のための取組を進める上での課題としては、「ハラスメントかどうかの判断が難しい」の割合が最も高く、次いで「発生状況を把握することが困難」が高かった。
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「都内企業における兼業・副業に関する実態調査」の結果

「都内企業における兼業・副業に関する実態調査」の結果

東京都による「都内企業における兼業・副業に関する実態調査」の結果が公表されています。

3年くらい前に厚労省主催の研修で、今後は兼業を推進していく方針だという話を耳にしたときは、事務所に勤めながら、兼業で執筆活動や予備校や研修の講師をして、社会保険労務士として名前を売って行けるようになったらいいな、なんて半信半疑に将来を思い描いていましたが、2020年(令和2年)8月~10月にかけて実施された本調査によると、すでに30%弱の企業が兼業を認めているようです。

いずれブログでも詳細を取り上げたいと思いますが、本業と兼業がともに雇用契約というパターンだと残業時間の管理が煩雑になるのがネックです。それを反映してか、本調査によると「個人事業主として」兼業を認める企業が半数を占めています。

下記に「従業員の兼業・副業の状況」を抜粋しました。
詳細はリンクをご確認ください。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/sodan/chousa/kengyo-fukugyo/index.html

従業員の兼業・副業の状況

(1)兼業・副業の制度・内容についての関心の有無

兼業・副業の制度・内容についての関心の有無を尋ねたところ、「大いにある」が3.8%、「ある」が40.9%と、半数近くが兼業・副業の制度・内容についての関心を持っている。

(2)従業員の兼業・副業を認めている状況

従業員の兼業・副業については、「全面的に認めている」が6.3%、「条件付で一部認めている」が28.6%となっており、約3分の1の企業が認めている。

(3)従業員の兼業・副業についての社内手続

就業規則

従業員の兼業・副業を認めている企業に対し、社内手続きを就業規則に定めているかどうか尋ねたところ、「定めている」企業は31.2%となっており、「就業規則以外に定めている」と回答した企業は3.7%である。

② 社内手続き

従業員の兼業・副業を認めている企業の社内手続きとしては、「届出のみ」が29.5%、「届出と審査を実施」が25.7%、「届出なし」が34.6%などとなっている。

③ 従業員の兼業・副業を認めている形態

従業員の兼業・副業を認めている形態としては、「個人事業主として」が52.7%と最も多く、「他社の社員として」が36.6%、「家業従事者として」が32.0%となっている。

④ 従業員の兼業・副業を認めている理由

従業員の兼業・副業を認めている理由としては、「柔軟な働き方による優秀な人材採用」が38.7%で最も多く、「人材の定着(離職率の低下)」が37.8%、「従業員のモチベーション向上」が35.2%とほぼ肩を並べ、「働き方改革の促進」が28.7%と続いている。

(4)従業員の兼業・副業の効果、課題

① 従業員の兼業・副業の効果の有無

従業員の兼業・副業を認めている企業における効果については、「あった」が6.6%、「ややあった」が26.4%で、効果を認めているのは約3割となっている。

② 従業員の兼業・副業の効果の内容

従業員の兼業・副業を認めている企業の効果の内容としては、「人材の定着(離職率の低下)」が38.1%と最も多く、「従業員のモチベーション向上」が32.6%、「柔軟な働き方による優秀な人材採用」が27.3%と続いている。

③ 従業員の兼業・副業の課題・問題点

従業員の兼業・副業を認めている企業における課題・問題点としては、「従業員の健康管理上の問題」が41.2%、「社内業務への支障」が40.3%と多くなっており、「従業員の労務管理上(労働時間・給与管理等)の問題」が34.7%、「従業員の労務管理上(労働災害等)の問題」が23.3%、「会社のノウハウや機密情報の流出」が22.8%などとなっている。

④ 従業員の兼業・副業の今後の方針

従業員の兼業・副業を認めている企業における今後の方針として、どのように考えているか尋ねたところ、88.8%が「現状を維持する」と回答し、「制度をさらに拡充する」が3.3%、「制度を見直し縮小する」が1.6%などとなっている。

(5)従業員の兼業・副業を認めていない理由(懸念されること)と今後の方針

① 従業員の兼業・副業を認めていない理由(懸念されること)

従業員の兼業・副業を認めていない企業に、その理由(懸念されること)を尋ねたところ、「本業が疎かになる」が67.7%で最も多く、「業務への支障」が63.8%、「従業員の健康管理上の問題」50.9%、「従業員の労務管理上(労働時間・給与管理等)の問題」が45.7%などとなっている。

② 企業における今後の方針

従業員の兼業・副業を認めていない企業における今後の方針としては、「当面取り組む予定はない」が66.3%と最も多く、「従業員の意向によって検討する」が22.4%、「地域や他社の動向を見て検討する」が12.7%、「課題が解消されれば導入する」が10.1%となっている。