「就職お祝い金」などの名目で求職者に金銭等を提供して求職の申し込みの勧奨を行うことが禁止に!
https://www.mhlw.go.jp/content/000747063.pdf
1.職業安定法に基づく指針とは
令和3年4月1日から職業安定法に基づく指針が一部改正され、「お祝い金」その他これに類する名目で、求職者に社会通念上相当と認められる程度を超えて金銭などを提供することで求職の申し込みの勧奨を行うことが禁止されます。
職業安定法に基づく指針とは、具体的には「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示、労働者の募集を行う者等の責務、労働者供給事業者の責務等に関して適切に対処するための指針」といい、職業安定法48条に基づき、職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者及び労働者供給を受けようとする者が適切に対処するために必要な指針として、厚生労働大臣が公表するものです。
この指針の違反には直接の罰則はありませんが、違反に対しては改善命令が発せられ、従わないと事業名の公表等の対象になります。
次のような事項が令和3年4月1日から追加されます。
九 適正な宣伝広告等に関する事項
(三) 求職の申込みの勧奨については、求職者が希望する地域においてその能力に適合する職業に就くことができるよう、職業紹介事業の質を向上させ、これを訴求することによって行うべきものであり、職業紹介事業者が求職者に金銭等を提供することによって行うことは好ましくなく、お祝い金その他これに類する名目で社会通念上相当と認められる程度を超えて金銭等を提供することによって行ってはならないこと。
なお、入社に際して会社が、引越し費用や実家を離れることによる家財道具購入費用相当額を支払う場合は、社会通念上相当と認められる範囲と考えられます。
2.特に規制の対象になるのは職業紹介事業者
・求職の申し込みの勧奨は、金銭の提供ではなく、職業紹介事業の質を向上させ、それをPRすることにより行いましょう。
・職業紹介事業者が、自ら紹介した就職者に対し転職したらお祝い金を提供するなどと持ちかけて転職を勧奨し、繰り返し手数料収入を得ようとする事例があります。このような行為は、労働市場における需給調整機能を歪め、労働者の雇用の安定を阻害する行為です。