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被扶養者における国内居住要件の追加について

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被扶養者における国内居住要件の追加について

被扶養者の認定要件に新たに国内居住要件が追加されます

この度、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律及び健康保険法施行規則等の一部を改正する省令が令和2年4月1日から施行されることに伴い、「健康保険の被保険者に扶養されている者(被扶養者)」の認定要件に新たに国内居住要件が追加されます。

【事業主の皆様へ】被扶養者における国内居住要件の追加について|日本年金機構

被扶養者の国内居住要件等について(令1.11.13保保発1113第2号 年管管発1113第4号) - 社会保険労務士川口正倫のブログ

国内居住要件について

1.国内居住要件の考え方

改正後の健康保険法第3条第7項に定める「住所」については、住民基本台帳に住民登録されているかどうか(住民票があるかどうか)で判断し、住民票が日本国内にある方は原則、国内居住要件を満たすものとされます。
このため、例えば、当該被扶養者が一定の期間を海外で生活している場合も、日本に住民票がある限りは、原則として国内居住要件を満たすこととなります。

2.国内居住要件の例外(海外に居住しているが被扶養者となる方)

日本国内に住所がないとしても、外国に一時的に留学をする学生、外国に赴任する被保険者に同行する家族等の一時的な海外渡航を行う者等については、日本国内に生活の基礎があると認められる者として、国内居住要件の例外として取り扱われます。
 
【国内居住要件の例外となる方】
(1) 外国において留学をする学生

(2) 外国に赴任する被保険者に同行する者

(3) 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的での一時的な海外渡航

(4) 被保険者の海外赴任期間に当該被保険者との身分関係が生じた者で、(2)と同等と認められるもの

(5) (1)から(4)までに掲げられるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者

扶養認定に当たっての記載事項及び添付書類について

1.国内居住要件の例外に係る記載事項

日本国内に住所がないものの国内居住要件の例外に該当する場合には、健康保険被扶養者(異動)届に国内居住要件の例外に該当する旨の記載を行い届出が必要です。(船員保険の被扶養者についても同様の取扱いとなります。)
このため、今回の改正に伴い令和2年4月1日より国内居住要件の例外等に該当した際に記入する記載欄を設けた以下の届出様式に変更予定です。
※ 下記の届書様式については調整中のため、今後変更があり得ます。
※ 従来の様式は令和2年4月1日以降についても、引き続きご利用いただけます。
健康保険被扶養者(異動)届(令和2年4月1日以降分)(PDF 418KB)
船員保険被扶養者(異動)届(令和2年4月1日以降分)(PDF 287KB)

2.日本国内に住所がない場合の添付書類について

被扶養者の認定の際には、健康保険被扶養者(異動)届に添付されている国内居住要件の例外に該当することを証する書類等により、国内居住要件の例外に該当することの確認を行います。なお、書類等が外国語で作成されたものであるときは、その書類に翻訳者の署名がされた日本語の翻訳文の添付が必要です。
 
【日本国内に住所がない場合の添付書類の例】
(以下の添付書類のうち、事実確認が出来るいずれかの書類を添付してください)
(1) 外国において留学をする学生

査証、学生証、在学証明書、入学証明書等の写し

(2) 外国に赴任する被保険者に同行する者

査証、海外赴任辞令、海外の公的機関が発行する居住証明書の写し

(3) 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的での一時的な海外渡航

査証、ボランティア派遣期間の証明、ボランティアの参加同意書等の写し

(4) 被保険者の海外赴任期間に当該被保険者との身分関係が生じた者で、(2)と同等と認められるもの

出生や婚姻等を証明する書類等の写し

(5) (1)から(4)までに掲げられるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者

※個別に判断