社会保険労務士川口正倫のブログ

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2021年(令和3年)6月9日公布|育児・介護休業法が改正されました

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2021年(令和3年)6月9日公布|育児・介護休業法が改正されました

2021年(令和3年)6月に育児・介護休業法が改正されました。2022年(令和4年)4月1日より段階的に施行されます。
特に、妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付けが大きいと思います。
これで、制度を知らずに慣習的に退職する人等が減って、かなり育児休業が取得しやすくなると思います。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

主な改正内容

1 男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設
2 育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
3 育児休業の分割取得
4 育児休業の取得の状況の公表の義務付け 
5 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

改正の趣旨

出産・育児等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女ともに仕事と育児等を両立できるようにするため、子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設、育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け、育児休業給付に関する所要の規定の整備等の措置を講ずる。

改正の概要

1.男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設【育児・介護休業法】

子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組みを創設する。

① 休業の申出期限については、原則休業の2週間前までとする。※現行の育児休業(1か月前)よりも短縮
※ただし、職場環境の整備などについて、今回の制度見直しにより求められる義務を上回る取組の実施を労使協定で定めている場合は、1か月前までとしてよい。

② 分割して取得できる回数は、2回とする。

③ 労使協定を締結している場合に、労働者と事業主の個別合意により、事前に調整した上で休業中に就業することを可能とする。
また、労働者の意に反したものとならないよう、労使協定を締結している場合に限り、労働者と事業主の合意した範囲内で、事前に調整した上で休業中に就業することを可能とする。
※具体的な流れ:労働者が就業しても良い場合は事業主にその条件を申出
→事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示→労働者が同意した範囲で就業
※就業可能日等の上限(休業期間中の労働日・所定労働時間の半分)を設ける予定【省令事項】。
※新制度が育児休業給付(給付率:180 日間までは 67%67%)の対象となるよう、雇用保険法上の手当ても行う。
※休業期間中の就業日数等は、現行の育児休業給付と同等の水準に設定4週間の休業を取得した場合 10 日・ 80 時間の範囲内する予定【 省令事項 】

2.育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け【2022年(令和4年)4月1日施行】

① 育児休業の申出・取得を円滑にするための雇用環境の整備に関する措置
・新制度及び現行育児休業を取得しやすい雇用環境の整備の措置を事業主に義務付け。
・具体的な内容は、研修、相談窓口設置等の複数の選択肢からいずれかを選択。
・環境整備に当たっては、短期はもとより1か月以上の長期の休業の取得を希望する労働者が希望する期間を取得できるよう事業主が配慮することを指針において示す予定。

② 妊娠・出産(本人又は配偶者)の申出をした労働者に対して事業主から個別の制度周知及び休業の取得意向の確認のための措置
を講ずることを事業主に義務付ける。
・労働者又は配偶者が妊娠又は出産した旨等の申出をしたときに、当該労働者に対し新制度及び現行の育児休業制度等を周知するとともに、これらの制度の取得意向を確認するための措置を義務づけ。
・周知の方法は、面談での制度説明、書面等による制度の情報提供等の複数の選択肢からいずれかを選択とする予定【省令事項】。
・取得意向の確認については、育児休業の取得を控えさせるような形での周知及び意向確認を認めないことを指針において示す予定。

3.育児休業の分割取得

育児休業(1の休業を除く。)について、分割して2回まで取得することを可能とする。
保育所に入所できない等の理由により1歳以降に延長する場合について、開始日を柔軟化することで、各期間途中でも夫婦交代を可能(途中から取得可能)とする。
育児休業給付について、分割取得等に対応するよう、雇用保険法上の手当ても行う。

4.育児休業の取得の状況の公表の義務付け【2023年(令和5年)4月1日施行】

常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対し、育児休業の取得の状況について公表を義務付ける。
※具体的な内容は、男性の育児休業等の取得率又は育児休業等及び育児目的休暇の取得率を予定【省令事項】。

5.有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和【2022年(令和4年)4月1日施行】

有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることという要件を廃止する。ただし、労使協定を締結した場合には、無期雇用労働者と同様に、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者を対象から除外することを可能とする。

6.育児休業給付に関する所要の規定の整備【雇用保険法

① 1及び3の改正を踏まえ、育児休業給付についても所要の規定を整備する。
② 出産日のタイミングによって受給要件を満たさなくなるケースを解消するため、被保険者期間の計算の起算点に関する特例を設ける。

※1、3及び6の施行日は、公布 日から1年6月を超えない範囲内で政令で定める 日(ただし、6②については公布日から3月を超えない範囲内で政令で定める日)


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