社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



2021年度(令和3年度)両立支援等助成金のご案内(新型コロナウイルス感染症対応特例等)

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2021年度(令和3年度)両立支援等助成金のご案内(子育てパパ支援助成金等)

2021年度(令和3年度)の「両立支援等助成金」では、職業生活と家庭生活が両立できる“職場環境づくり”のために、以下の取組が支援されます。
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※女性活躍加速化コース、新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援コース、不妊治療両立支援コースについては別の機会にご説明します。

それぞれについて、概要をご案内します。
詳細はこちらをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html

1.出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金

性労働者が育児休業や育児目的休暇を取得しやすい職場風土作りに取り組み、育児休業や育児目的休暇を取得した男性労働者が生じた事業主に支給されます。

(1)支給額

※ 支給額< >内は、生産性要件を満たした場合の支給額です。
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(2)主な要件

性労働者の育休取得(上図の①②)
●男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りのため、次のような取組を行うこと。
全労働者に対して男性労働者の育児休業取得に関する管理職や労働者向けの研修を実施する
全労働者に対して男性の育児休業制度の利用を促進するための資料配布等を行う

●男性労働者が子の出生後8週間以内に開始する連続14日(中小企業は連続5日)以上の育児休業を取得すること。
(※育児休業期間が5日以上14日未満の場合は所定労働日が4日以上、育児休業期間が14日以上の場合は所定労働日が9日以上含まれていることが必要です。)

<個別支援加算>
●男性労働者の育児休業取得前に個別面談を行う等、育児休業の取得を後押しする取組を実施
した場合に支給されます。


育児目的休暇の導入・取得(上図の③)
●育児目的休暇制度を新たに導入し、就業規則等への規定、労働者への周知を行うこと。
●男性労働者が育児目的休暇を取得しやすい職場風土作りのため、次のような取組を行うこと。
全労働者に対して男性労働者の育児休業取得に関する管理職や労働者向けの研修を実施する
全労働者に対して男性の育児休業制度の利用を促進するための資料配布等を行う

●上記の新たに導入した育児目的休暇を、男性労働者が、子の出生前6週間から出生後8週間の期間中に、合計して8日(中小企業は5日)以上所定労働日に対して取得すること。

2.介護離職防止支援コース(中小企業事業主のみ対象)

「介護支援 プラン★」 を作成し 、 プランに沿って労働者の円滑な介護休業の取得 ・ 職場復帰に取り組み 、 介護休業を取得した労働者が生じた 、 または介護のための柔軟な就労形態の制度 介護両立支援制度 の利用者が生じた 中小企業事業主に支給されます。

★介護支援プランとは
介護支援プラン」とは、介護に直面した従業員が、仕事と介護を両立しながら安心して働くことができる雇用環境の整備に向けて、個々の従業員の状況に応じた支援の取組を行うために、企業が策定するプランのことです。
具体的な作成方法等はこちらをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/model.html
介護支援プランは原則として対象労働者の介護休業開始前または介護両立支援制度利用開始前に作成する必要がありますが、介護休業 開始後また は介護両立支援制度の利用 期間中に作成してもかまいません。 (※介護休業終了後または介護両立支援制度利用終了後に作成された場合は支給対象となりません

(1)支給額

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(2)主な要件

A:介護休業

<休業取得時>
●介護休業の取得、職場復帰について、プランにより支援する措置を実施する旨を、あらかじめ労働者へ周知すること。
●介護に直面した労働者との面談を実施し、面談結果を記録した上で介護の状況や今後の働き方についての希望等を確認のうえ、 介護支援プランを作成すること。
●プランに基づき、業務の引き継ぎを実施し、対象労働者が合計5日(所定労働日)以上の介護休業を取得すること 。<職場復帰時>
休業取得時と同一の対象介護休業取得者である(休業取得時を受給していない場合申請不可)と ともに、休業取得時の要件かつ以下を満たすことが必要です。
●「休業取得時」の受給対象である労働者に対し、介護休業終了前にその上司又は人事労務担当
者が面談を実施し、面談結果を記録すること。
●対象労働者を、面談結果を踏まえ原則として原職等に復帰させ、原職等復帰後も申請日までの間、雇用保険被保険者として3か月以上継続雇用していること。

B:介護両立支援制度(介護のための柔軟な就労形態の制度)
●介護両立支援制度の利用について、プランにより支援する措置を実施する旨を、あらかじめ労働者へ周知すること。
●介護に直面した労働者との面談を実施し、面談結果を記録した上で介護の状況や今後の働き方についての希望等を確認のうえ、介護支援プランを作成すること。
●プランに基づき業務体制の検討を行い、以下のいずれか1つ以上の介護両立支援制度を対象労働者が合計20日以上(*1,2を除く)利用し、支給申請に係る期間の制度利用終了後から申請日までの間、雇用保険被保険者として継続雇用していること。
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C:新型コロナウイルス感染症対応特例
●介護のための有給休暇(新型コロナウイルス感染症対応)について、所定労働日を前提として、20 日以上取得できる制度及びその他就業と介護の両立に資する制度を設け、あらかじめ労働者に周知すること。
●対象労働者が介護のための有給休暇(新型コロナウイルス感染症対応)を合計5日以上取得す
ること。
●対象労働者を休暇取得日から申請日までの間、雇用保険被保険者として継続雇用していること。

3.育児休業等支援コース(Ⅰ~Ⅲは中小企業事業主のみ

Ⅰ.育休取得時・職場復帰時

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主な要件

A:育休取得時
育児休業の取得、職場復帰について育休復帰支援プランにより支援する措置を実施する旨を、あらかじめ労働者へ周知すること。
●育児に直面した労働者との面談を実施し、面談結果を記録した上で育児の状況や今後の働き方についての希望等を確認のうえ、育休復帰支援プランを作成すること。★
●育休復帰支援プランに基づき、対象労働者の育児休業(産前休業から引き続き産後休業及び育児休業をする場合は、産前休業。)の開始日の前日までに、育休復帰支援プランに基づいて業務の引き継ぎを実施し、対象労働者に、連続3か月以上の育児休業(産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合は、産後休業を含む)を取得させること。

育休復帰支援プランとは
育休復帰支援プラン」とは、中小企業が、自社の従業員の円滑な育休の取得及び育休後の職場復帰を支援するために策定するプランです。
プランを策定・実施することで、従業員は安心して育休を取得し復職でき、他方、制度利用者の所属する職場では、快く休業に送り出すことができます。また、プランを実行し、職場のマネジメントが改善されることは、職場全体の業務の効率化につながる可能性があります。
具体的な作成方法等はこちらをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000067027.html

B:職場復帰時
「A:育休取得時」の助成金支給対象となった同一の対象労働者について、以下の全ての取組を行うことが必要です。
●対象労働者の育児休業中に育休復帰支援プランに基づく措置を実施し、職務や業務の情報・資料の提供を実施すること。
●育休取得時にかかる同一の対象労働者に対し、育児休業終了前にその上司又は人事労務担当者が面談を実施し、面談結果を記録すること。
●対象労働者を、面談結果を踏まえ原則として原職等に復帰させ、原職等復帰後も申請日までの間、雇用保険被保険者として6か月以上継続雇用していること。
●「職場支援加算」は、代替要員を確保せずに、業務の効率化、周囲の社員により対象労働者の業務をカバーした場合に支給します。(「Ⅱ 代替要員確保時」との併給はできません。)

Ⅱ.代替要員確保時

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主な要件

育児休業取得者を、育児休業終了後、原職等に復帰させる旨を就業規則等に規定すること。
●対象労働者が3か月以上の育児休業(産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合は、産後休業を含む)を取得し、事業主が休業期間中の代替要員を新たに確保すること。
●対象労働者を上記規定に基づき原職等に復帰させ、原職等復帰後も申請日までの間、雇用保険被保険者として6か月以上継続雇用していること。

Ⅲ.職場復帰後支援

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主な要件

●育児・介護休業法を上回る「A:子の看護休暇制度(有給、時間単位)」または「B:保育サービス費用補助制度」を導入していること。
●対象労働者が1か月以上の育児休業(産後休業を含む。)から復帰した後6か月以内において、導入した制度の一定の利用実績(A:子の看護休暇制度は10時間以上(有給)の取得またはB:保育サービス費用補助制度は3万円以上の補助)があること。

Ⅳ.新型コロナウイルス感染症対応特例

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主な要件

●小学校等が臨時休業等になり、それに伴い子どもの世話を行う必要がある労働者が取得できる特別有給休暇制度(賃金が全額支払われるもの)について、労働協約または就業規則に規定していること。
●小学校等が臨時休業等した場合でも勤務できる両立支援の仕組み(次のいずれか)を社内に周知していること。
・テレワーク勤務
・短時間勤務制度
・フレックスタイムの制度
・始業又は終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度(時差出勤の制度)
・ベビーシッター費用補助制度等
●労働者一人につき、特別有給休暇を4時間以上取得させたこと。
※特別有給休暇を取得した日付に応じて申請期間が異なります。
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中小企業の範囲はこちらになります。
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