社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



国土交通省による令和2年度「テレワーク人口実態調査」の結果概要

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国土交通省による令和2年度「テレワーク人口実態調査」の結果概要

国土交通省では、テレワーク関係府省(内閣官房内閣府総務省厚生労働省経済産業省)と連携して、テレワークの普及促進に取り組んでおり、今後の促進策に役立てることを目的として、「テレワーク人口実態調査」を毎年実施しています。

「毎年実施」と言われると不思議に思う方もいるかもしれませんが、「テレワーク」というのは新型コロナウイルスの影響で行われるようになったものではなく、将来あるべき効率的な働き方の一つとして、コロナ以前から研究されていました。
新型コロナウイルスの影響により、「テレワーク」の需要が急激に増えましたが、元々効率的な働き方と考えられていたのですから、効率がよくなるというのはもっともな話なのです。
ポストコロナにおいて、テレワークがある程度縮減するのは仕方がないことですが、やってみて効果的であった領域まで縮減して元に戻そうというのは、時代に逆行することだと私は考えます。

それはさておき、概要を抜粋しましたのでご確認ください。
詳細は、リンクをご確認ください。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001391381.pdf

〇テレワーカーの割合

・テレワーカーの割合は、全就業者(雇用型、自営型)のテレワーカーの割合は22.5%で、前年度から約7ポイント増加し、過去5年間で最高値を記録。
・地域別では、雇用型就業者・自営型就業者ともに、相対的に首都圏が高く、地方都市圏で低い。雇用型就業者のテレワーカーの割合は、どの地域も前年度より上昇し、特に首都圏で大幅に上昇。また、どの地域でも、通勤時間が長い人ほど、テレワーカーの割合が高い。
・通勤交通手段別では、鉄道・バス利用者の在宅型テレワーカーの割合が高く、どの地域でも、前年度に比べて3倍程度上昇。

〇勤務先のテレワーク制度等の導入割合

・雇用型就業者における、勤務先にテレワーク制度等が導入されていると回答した人の割合は38.8%と、前年度19.6%に比べ大幅に上昇。
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〇テレワーク制度等に基づく雇用型テレワーカーの割合(政府KPI)

・雇用型就業者における、勤務先にテレワーク制度等が導入されていると回答した雇用型テレワーカーの割合は、19.7%※(前年度9.8%)。 ※政府KPIの目標:15.4%。

〇テレワークの実施場所・平均仕事時間

テレワーカーの実施場所としては、在宅型が約90%と最も多く、サテライト型・モバイル型と比べて突出して多い。

〇テレワーク実施場所としての考え方(希望する使い方)

自宅は「主な実施場所として利用」が約84%と最も多い。
・共同利用型オフィス等は「主な実施場所として利用」が約7%、「条件が合えば主な実施場所として利用」が約18%、「都合により時々利用」が約14%であり、利用意向のある人は、テレワーク実施者のうちの約38%。

〇テレワークの開始時期・満足度・実施意向等

・雇用型テレワーカーのうち、約6割が緊急事態宣言の発令された4月以降に開始。約64%がテレワークに満足し、約82%がテレワークの継続意向がある。

〇テレワークを実施していない(実施したくない)理由(非テレワーカー)

・雇用型非テレワーカーのうち、約6割が仕事内容がテレワークになじまないと回答し、その大部分がテレワークを認められていない(不明含む)。
・約14%が、テレワークを認められていないためにテレワークを実施していない。残り約24%の人は、テレワークを実施していない理由として、テレワークの必要性がない(約40%)、職場の勤務環境(約27%)、テレワーク実施場所の執務環境(約23%)、仕事関係(約21%)などに課題があるとしている。

〇テレワークを実施してよかった点、悪かった点

・よかった点は、「通勤が不要、または、通勤の負担が軽減された」の約74%が最も多く、次いで「時間の融通が利くので、時間を有効に使えた」の約59%、「新型コロナウイルスに感染する可能性がある中で出勤しなくても業務を行えた」の約43%。
・悪かった点は、「仕事に支障が生じる(コミュニケーションのとりづらさや業務効率低下など)、勤務時間が長くなるなど、勤務状況が厳しくなった」が約47%と最も高く、次いで「仕事をする部屋や机・椅子、インターネット環境や、プリンター・コピー機などの環境が十分でなく不便だった」の約35%が高くなっているが、他の項目はいずれも2割に満たない。

〇テレワークによる労働時間変化、業務効率向上要因・低下要因

・テレワーク実施により労働時間が減った人は約35%、変化しなかった人は約39%、増えた人は約26%。労働時間が減った人の減少時間は、平均約80分で、「1時間~1時間30分未満」減少した人が約13%と多かった。労働時間が増えた人の増加時間は、平均約60分。
・また、テレワーク実施による業務効率向上要因は、「問い合わせ、雑用、会議等が減り、業務に集中することができたから」が約35%と多かった。
・業務効率低下要因は、「特になし」が最も多いが、それ以外では「口頭で確認すれば簡単に済むことでも、メール等でやり取りしなければならないから」が約24%と多かった。