社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



最低賃金を引き上げた中小企業における 雇用調整助成金等の要件緩和について

バナー
Kindle版 職場の出産・育児関係手続ガイドブック~令和の常識~
定価:800円で好評発売中!!


にほんブログ村
続き

最低賃金を引き上げた中小企業における 雇用調整助成金等の要件緩和について

概要

業況特例等の対象となる中小企業が事業場内で最も低い時間給を一定以上引き上げる場合、令和3年10月から令和4年3月までの6ヶ月間の休業については、休業規模要件(1/40以上)を問わず支給されるものです。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000814592.pdf

対象となる条件

f:id:sr-memorandum:20211225222546p:plain
緩和の対象となる条件

① 令和3年10月から6ヶ月間の休業について、業況特例又は地域特例の対象となる中小企業(令和3年1月8日以降解雇等を行っていない場合に限る。)であること。
② 事業場内最低賃金(当該事業場における雇入れ3月を経過した労働者の事業場内で最も低い時間あたりの賃金額。地域別最低賃金との差が30円未満である場合に限る。)を、令和3年7月16日以降、令和4年3月までの間に、30円以上引き上げること。

※令和3年度地域別最低賃金の発効日以降に賃金を引き上げる場合は、発効後の地域別最低賃金から30円以上引き上げる必要があります。
※同一都道府県内に地域別最低賃金との差が30円未満である事業場が複数ある事業主は、最も低い事業場内最低賃金を30円以上引き上げ、他の事業場もこの水準以上に引き上げる必要があります。
就業規則その他これに準ずるものにより、当該引上げ後の賃金額を事業場で使用する労働者の下限の賃金額とすることを定める必要があります。※当該引上げの実施日以降の休業について要件緩和が利用できます。

申請手続等

雇用保険被保険者、被保険者以外ともに、緊急雇用安定助成金として申請を行っていただきます。
○緊急雇用安定助成金は、休業に対する助成となります。(教育訓練や出向は対象になりません。)
○助成率や上限額は業況特例や地域特例と同じになります。


(要件緩和の対象となるケースのイメージ)
引上げ前の地域別最低賃金が800円。地域別最低賃金の引上げ額が28円。地域別最低賃金の引上げ日が10月1日の場合。

f:id:sr-memorandum:20211225223403p:plain
(ケース1)10月1日より前に事業場内最低賃金額を引き上げる場合
f:id:sr-memorandum:20211225223432p:plain
(ケース2)10月1日以降に事業場内最低賃金額を引き上げる場合
f:id:sr-memorandum:20211225223503p:plain
(ケース3)10月1日以降に事業場内最低賃金額を引き上げる場合