社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



2022年(令和4年)1月1日より「雇用保険マルチジョブホルダー制度」が新設されます

バナー
Kindle版「年金復活プラン」がよくわかる本
定価:300円で好評発売中!!


にほんブログ村
続き

2022年(令和4年)1月1日より「雇用保険マルチジョブホルダー制度」が新設されます


1.雇用保険マルチジョブホルダー制度とは

従来の雇用保険制度は、主たる事業所での労働条件が週所定労働時間20時間以上 かつ31日以上の雇用見込み等の適用要件を満たす場合に適用されます。 これに対し、雇用保険マルチジョブホルダー制度は、複数の事業所で勤務する65歳以上 の労働者が、そのうち2つの事業所での勤務を合計して以下の適用対象者の要件を満た す場合に、本人からハローワークに申出を行うことで、申出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができる制度です。

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000838542.pdf

マルチ高年齢被保険者であった方が失業した場合※1には、一定の要件※2を満たせば、 高年齢求職者給付金(被保険者であった期間に応じて基本手当日額※3の30日分または 50日分の一時金)を受給することができるようになります。
※1 2つの事業所のうち1つの事業所のみを離職した場合でも受給することができます。 ただし、上記2つの事業所以外の事業所で就労をしており、離職していないもう1つの事業所と 当該3つ目の事業所を併せて、マルチ高年齢被保険者の要件を満たす場合は、被保険者期間が 継続されるため、受給することができません。
※2 離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あること等の要件があります。
※3 原則として離職の日以前の6か月間に支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額の、 およそ5~8割となっており、賃金の低い方ほど高い率となります。

2.雇用保険マルチジョブホルダー制度の適用対象者

マルチ高年齢被保険者となるには、労働者が以下の要件をすべて満たすことが必要です。雇 用保険マルチジョブホルダー制度の場合、雇用保険の適用には本人の申出が必要です。 加入後の取扱いは通常の雇用保険の被保険者と同様で、任意脱退はできません。

  1. 複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者であること
  2. 2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間 未満)の労働時間を合計して1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  3. 2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること

f:id:sr-memorandum:20211011205258p:plain

3.基本的な手続の流れ

通常、雇用保険資格の取得・喪失手続は、事業主が行いますが、雇用保険マルチジョブホル ダー制度は、マルチ高年齢被保険者としての適用を希望する本人が手続を行う必要があります。
事業主の皆さまは、本人からの依頼に基づき、手続に必要な証明(雇用の事実や所定労働時間など)を行ってください。これを受けて、本人が、適用を受ける2社の必要書類を揃えてハローワークに申し出ます。
なお、当該手続は、電子申請での届出は行っておりませんのでご留意願います。
f:id:sr-memorandum:20211011205749p:plain

4.事業主の皆さまへのお願いと注意点

マルチジョブホルダーが雇用保険の適用を受けるためには、事業主の皆さまの協力が必要不可欠です。労働者から手続に必要な証明を求められた場合は、速やかなご対応をお願いします。
事業主の協力が得られない場合は、ハローワークから事業主に対して確認を行います。 雇用保険の成立手続が済んでいない場合は、別途手続が必要になります。
マルチジョブホルダーが申出を行ったことを理由として、解雇や雇止め、労働条件の不利益変更など、不利益な取扱いを行うことは法律上禁じられています。
マルチジョブホルダーがマルチ高年齢被保険者の資格を取得した日から雇用保険料の納付義務が発生します。


Q&A~雇用保険マルチジョブホルダー制度~
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139508_00002.html