社会保険労務士川口正倫のブログ

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「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」の公表

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公益通報者保護法第 11 条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関し て、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針 (令和3年8月 20 日内閣府告示第 118 号 )

消費者庁より、本日、「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」を公表されました。
消費者庁は、改正法の施行(令和4年6月1日に向けて準備を進めています)準備として、本指針の下、各事業者が改正後の公益通報者保護法第11条第1項及び第2項に規定する措置を講じることができるように、様々な機会を捉えて本指針の周知等を行う予定のようです。

https://www.caa.go.jp/notice/entry/025264/

第1 はじめに

この指針は、公益通報者保護法(平成 16 年法律第 122 号。以下「法」という。)第 11 条第4項の規定に基づき、同条第1項に規定する公益通報対応業務従事者の定め及び同 条第2項に規定する事業者内部における公益通報に応じ、適切に対応するために必要な 体制の整備その他の必要な措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な 事項を定めたものである。

第2 用語の説明

公益通報」とは、法第2条第1項に定める「公益通報」をいい、処分等の権限を有す る行政機関やその他外部への通報が公益通報となる場合も含む。
公益通報者」とは、法第2条第2項に定める「公益通報者」をいい、公益通報をした 者をいう。
「内部公益通報」とは、法第3条第1号及び第6条第1号に定める公益通報をいい、通 報窓口への通報が公益通報となる場合だけではなく、上司等への報告が公益通報となる 場合も含む。
「事業者」とは、法第2条第1項に定める「事業者」をいい、営利の有無を問わず、一 定の目的をもってなされる同種の行為の反復継続的遂行を行う法人その他の団体及び事 業を行う個人であり、法人格を有しない団体、国・地方公共団体などの公法人も含まれる。
「労働者等」とは、法第2条第1項に定める「労働者」及び「派遣労働者」をいい、そ の者の同項に定める「役務提供先等」への通報が内部公益通報となり得る者をいう。 「役員」とは、法第2条第1項に定める「役員」をいい、その者の同項に定める「役務 提供先等」への通報が内部公益通報となり得る者をいう。
「退職者」とは、労働者等であった者をいい、その者の法第2条第1項に定める「役務 提供先等」への通報が内部公益通報となり得る者をいう。
「労働者及び役員等」とは、労働者等及び役員のほか、法第2条第1項に定める「代理 人その他の者」をいう。
「通報対象事実」とは、法第2条第3項に定める「通報対象事実」をいう。 「公益通報対応業務」とは、法第 11 条第1項に定める「公益通報対応業務」をいい、 内部公益通報を受け、並びに当該内部公益通報に係る通報対象事実の調査をし、及びその 是正に必要な措置をとる業務をいう。
「従事者」とは、法第 11 条第1項に定める「公益通報対応業務従事者」をいう。 「内部公益通報対応体制」とは、法第 11 条第2項に定める、事業者が内部公益通報に 応じ、適切に対応するために整備する体制をいう。
「内部公益通報受付窓口」とは、内部公益通報を部門横断的に受け付ける窓口をいう。 「不利益な取扱い」とは、公益通報をしたことを理由として、当該公益通報者に対して 行う解雇その他不利益な取扱いをいう。
「範囲外共有」とは、公益通報者を特定させる事項を必要最小限の範囲を超えて共有す る行為をいう。
「通報者の探索」とは、公益通報者を特定しようとする行為をいう。

第3 従事者の定め(法第 11 条第1項関係)

1 事業者は、内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に関して公益通 報対応業務を行う者であり、かつ、当該業務に関して公益通報者を特定させる事項を伝 達される者を、従事者として定めなければならない。
2 事業者は、従事者を定める際には、書面により指定をするなど、従事者の地位に就く ことが従事者となる者自身に明らかとなる方法により定めなければならない。

第4 内部公益通報対応体制の整備その他の必要な措置(法第 11 条第2項関係)

1 事業者は、部門横断的な公益通報対応業務を行う体制の整備として、次の措置をとら なければならない。
(1) 内部公益通報受付窓口の設置等
内部公益通報受付窓口を設置し、当該窓口に寄せられる内部公益通報を受け、調査 をし、是正に必要な措置をとる部署及び責任者を明確に定める。
(2) 組織の長その他幹部からの独立性の確保に関する措置
内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に係る公益通報対応業務 に関して、組織の長その他幹部に関係する事案については、これらの者からの独立性 を確保する措置をとる。
(3) 公益通報対応業務の実施に関する措置
内部公益通報受付窓口において内部公益通報を受け付け、正当な理由がある場合 を除いて、必要な調査を実施する。そして、当該調査の結果、通報対象事実に係る法 令違反行為が明らかになった場合には、速やかに是正に必要な措置をとる。また、是 正に必要な措置をとった後、当該措置が適切に機能しているかを確認し、適切に機能 していない場合には、改めて是正に必要な措置をとる。
(4) 公益通報対応業務における利益相反の排除に関する措置
内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に関し行われる公益通報対応業務について、事案に関係する者を公益通報対応業務に関与させない措置をと る。

2 事業者は、公益通報者を保護する体制の整備として、次の措置をとらなければならな い。
(1) 不利益な取扱いの防止に関する措置
イ 事業者の労働者及び役員等が不利益な取扱いを行うことを防ぐための措置をと るとともに、公益通報者が不利益な取扱いを受けていないかを把握する措置をと り、不利益な取扱いを把握した場合には、適切な救済・回復の措置をとる。
ロ 不利益な取扱いが行われた場合に、当該行為を行った労働者及び役員等に対し て、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分その 他適切な措置をとる。
(2) 範囲外共有等の防止に関する措置
イ 事業者の労働者及び役員等が範囲外共有を行うことを防ぐための措置をとり、 範囲外共有が行われた場合には、適切な救済・回復の措置をとる。 ロ 事業者の労働者及び役員等が、公益通報者を特定した上でなければ必要性の高 い調査が実施できないなどのやむを得ない場合を除いて、通報者の探索を行うこ とを防ぐための措置をとる。
ハ 範囲外共有や通報者の探索が行われた場合に、当該行為を行った労働者及び役 員等に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲 戒処分その他適切な措置をとる。

3 事業者は、内部公益通報対応体制を実効的に機能させるための措置として、次の措置 をとらなければならない。
(1) 労働者等及び役員並びに退職者に対する教育・周知に関する措置
イ 法及び内部公益通報対応体制について、労働者等及び役員並びに退職者に対し て教育・周知を行う。また、従事者に対しては、公益通報者を特定させる事項の取 扱いについて、特に十分に教育を行う。
ロ 労働者等及び役員並びに退職者から寄せられる、内部公益通報対応体制の仕組 みや不利益な取扱いに関する質問・相談に対応する。
(2) 是正措置等の通知に関する措置
書面により内部公益通報を受けた場合において、当該内部公益通報に係る通報対 象事実の中止その他是正に必要な措置をとったときはその旨を、当該内部公益通報 に係る通報対象事実がないときはその旨を、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘 密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、当該内部公益通 報を行った者に対し、速やかに通知する。
(3) 記録の保管、見直し・改善、運用実績の労働者等及び役員への開示に関する措置 イ 内部公益通報への対応に関する記録を作成し、適切な期間保管する。 ロ 内部公益通報対応体制の定期的な評価・点検を実施し、必要に応じて内部公益通 報対応体制の改善を行う。
ハ 内部公益通報受付窓口に寄せられた内部公益通報に関する運用実績の概要を、 適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支 障がない範囲において労働者等及び役員に開示する。
(4) 内部規程の策定及び運用に関する措置
この指針において求められる事項について、内部規程において定め、また、当該規 程の定めに従って運用する。


公益通報者保護法の一部を改正する法律(令和2年法律第 51 号)に関するQ&A(改正法Q&A)令和2年8月版より抜粋
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/whisleblower_protection_system/overview/assets/overview_200828_0001.pdf

Q2 改正後の法第 11 条(事業者がとるべき措置)(内部通報対応体制整備義務の内容)について詳しい内容を教えてほしい。

Q2-1 事業者は何を行えば、公益通報対応業務従事者を定めたことになり、具体的にどのような措置を講じれば体制の整備その他の必要な措置をとったことになるのか。

A 改正後の法では、事業者に対し、新たに、公益通報対応業務従事者を定める義務(改正後の法第 11 条第1項)及び内部の労働者等からの公益通報に適切に対応する体制の整備その他の必要な措置をとる義務(改正後の法第 11 条第2項)を課しています。
前者の公益通報対応業務従事者の定め方については、個別に担当者を指定することのほか、内部規程において一定のポストに従事する者を定めるなどの方法が考えられます。
後者の体制の整備その他の必要な措置の内容は、現時点では、例えば、通報受付窓口の設定、社内調査・是正措置、公益通報を理由とした不利益取扱いの禁止や公益通報者に関する情報漏えいの防止、これら措置に関する内部規程の整備・運用等を想定しています。
公益通報対応業務従事者の定め方や、体制の整備その他の必要な措置の内容については、今後、指針を策定し、事業者の方が御準備いただくお時間を十分に確保できるだけの時期にお示しする予定です。

Q2-2 当社ではグループ会社としての通報窓口を設けているが、グループ内には従業員が 300 人を超える関係会社が複数社ある。この場合にグループとして1つの通報窓口を設ければよいのか、関係会社ごとに通報窓口を設けなければならないのか知りたい。

A 改正後の法では、事業者に対し、新たに、公益通報対応業務従事者を定める義務(改正後の法第 11 条第1項)及び内部の労働者等からの公益通報に適切に対応する体制の整備その他の必要な措置をとる義務(改正後の法第 11 条第2項)を課しています(常時使用する労働者の数が 300 人以下の事業者については、努力義務となります(改正後の法第 11 条第3項)。)。
改正後の法においては、独立した法人格を有する事業者ごとにこれら義務を課していることから、グループ全体ではなく、関係会社ごとに改正法に基づく通報窓口を整備する義務を果たしていただくことが必要になります。
なお、例えば、グループ会社全体としての体制整備の一環として、子会社の従業員が行う通報の窓口は親会社とされている場合もあると考えられます。
子会社が、自らの内規において定めた上で、通報窓口を親会社に委託して設置し、従業員に周知しているなど、子会社として必要な対応をしている場合には、体制整備義務を履行していると評価できるものと考えられます。
より具体的な考え方については、今後お示ししていく予定です。

Q2-3 常時使用する労働者の数が 300 人を超える(※つまり 301 人以上)事業者に対し、内部通報対応体制整備義務が課されるが、この 300 人には、パートタイマー、役員等も含まれるのか。

A 「常時使用する労働者」とは、常態として使用する労働者を指すことから、パートタイマーであっても、繁忙期のみ一時的に雇い入れるような場合を除いて含まれます。
役員については、労働者ではないことから含まれません。