社会保険労務士川口正倫のブログ

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2021年各都道府県の地域別最低賃金の答申状況

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2021年各都道府県の地域別最低賃金の答申状況

都道府県労働局に設置されている地方最低賃金審議会が答申した令和3年度の地域別最低賃金の改定額(以下「改定額」)が厚生労働省より公表されました。

東京都:1041円 神奈川県:1040円 大阪府:992円 愛知県:955円 さいたま県:956円 千葉県:953円 等となっています。


最低賃金の対象となる賃金】
最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。

具体的には、実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。ポイントは固定残業代は対象となりませんが、住宅手当は対象となります。
(1) 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
(2) 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
(3) 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
(4) 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
(5) 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
(6) 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

月給または日給月給の場合は、これらの除外される賃金を除いた賃金が、最低賃金×所定労働時間未満となる場合は、最低賃金法違反となります。
最低賃金法に違反した場合は、最低賃金額との差額の支払い義務が発生します。また、50万円以下の罰金という罰則定められています。

改定額及び発効予定年月日は別紙のとおりです。

これは、7月16日に厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会が示した「令和3年度地域別最低賃金額改定の目安について」などを参考として、各地方最低賃金審議会で調査・審議した結果を取りまとめたものです。

答申された改定額は、都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続を経た上で、都道府県労働局長の決定により、10月1日から10月上旬までの間に順次発効される予定です。


令和3年度 地方最低賃金審議会の答申のポイント

・47都道府県で、28円~30円、32円の引上げ(引上げ額が28円は40都道府県、29円は4県、30円は2県、32円は1県)
・改定額の全国加重平均額は930円(昨年度902円)
・全国加重平均額28円の引上げは、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額
・最高額(1,041円)に対する最低額(820円)の比率は、78.8%(昨年度は78.2%。なお、この比率は7年連続の改善)

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