社会保険労務士川口正倫のブログ

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「業務改善助成金」の特例的な要件が8月より緩和・拡充

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「業務改善助成金」の特例的な要件が8月より緩和・拡充

厚生労働省により、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引き上げを図るため、「業務改善助成金」制度が設けられていますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、特に業況が厳しい中小企業・小規模事業者に対して、8月1日から、対象人数の拡大や助成上限額の引き上げが行われます。
また、助成対象となる設備投資の範囲の拡大や、45円コースの新設・同一年度内の複数回申請を可能にするなど、使い勝手の向上が図られるようです。
この制度では、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性を向上するための設備投資などを行う中小企業・小規模事業者に対し、設備投資などに要した費用の一部が助成されます。
ちなみに、全ての地域で28円を目安に、10月から最低賃金が引き上げられる見込みです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19902.html

詳細は、下記の及びホームページをご覧ください。
また、ホームページの中に、制度の概要や申請書の記載方法などを解説した動画を掲載される予定とのことです。

助成金制度の詳細はこちら 】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsu

1.業務改善助成金とは

業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るための制度です。 生産性向上のための設備投資(機械設備、POSシステム等の導入)などを行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部が助成されます。
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(※1)10人以上の上限額区分は、以下のいずれかに該当する事業場が対象となります。
・賃金要件:事業場内最低賃金900円未満の事業場
・生産量要件:売上高や生産量などの事業活動を示す指標の直近3ヶ月間の月平均値が前年又は前々年の同じ月に比べて、30%以上減少している事業者
(※2)ここでいう「生産性」とは、企業の決算書類から算出した、労働者1人当たりの付加価値を指します。助成金の支給申請時の直近の決算書類に基づく生産性と、その3年度前の決算書類に基づく生産性を比較し、伸び率が一定水準を超えている場合等に、加算して支給されます。

2.支給の要件

① 賃金引上計画を策定すること
計画により、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる(就業規則等に規定)

② 引上げ後の賃金額を支払うこと
③ 生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと
( (1) 単なる経費削減のための経費、 (2) 職場環境を改善するための経費、 (3)通常の事業活動に伴う経費などは除きます。)
④ 解雇、賃金引下げ等の不交付事由がないこと など

※その他、申請に当たって必要な書類があります。

3.助成額

申請コースごとに定める引上げ額以上、事業場内最低賃金を引き上げた場合、生産性向上のための設備投資等にかかった費用に助成率を乗じて算出した額を助成します(千円未満端数切り捨て)。 なお、申請コースごとに、助成対象事業場、引上げ額、助成率、引き上げる労働者数、助成の上限額が定められていますので、ご注意ください。

4.生産性向上に資する設備・機器の導入例

・POSレジシステム導入による在庫管理の短縮
・リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮
・顧客・在庫・帳票管理システムの導入による業務の効率化
・専門家による業務フロー見直しによる顧客回転率の向上 など

5.特に業況の厳しい事業主(※1)への特例

(※1)前年又は前々年比較で売上等▲30%減

①対象人数の拡大 ・ 助成上限額引上げ

現行では、賃金引上げ対象人数について、最大「7人以上」としているところ、最大「10人以上」のメニューを増設し、助成上限額を450万円から600万円へ 拡大 。
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②設備投資の範囲の拡充

現行では自動車(特種用途自動車を除く)やパソコン等の購入は対象外。コロナ禍の影響を受ける中にあっても、賃金引上げ額を30円以上とする場合には、以下の通り、生産性向上に資する自動車やパソコン等を補助対象に拡充。
・乗車定員11人以上の自動車及び貨物自動車
・パソコン、スマホタブレット等の端末及び周辺機器(新規導入)

6.全事業主を対象とする特例

①45円コースの新設

現行で最も活用されている30円と60円の中間に45円コースを増設。選択肢を増やすことで使い勝手が向上。

②同一年度内の複数回申請

現行では、同一年度内の複数回受給を認めていないが、年度当初に助成金を活用し、賃上げを実施した事業場であっても、10月に最賃の引上げが行われ、再度賃上げを行うケースが想定されるため、年度内の複数回申請を可能とする。