社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金Q&A【大企業(中小事業主以外の事業主)に雇用される労働者向け】

バナー
Kindle版 職場の出産・育児関係手続ガイドブック~令和の常識~
定価:800円で好評発売中!!


にほんブログ村
続き

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金Q&A【大企業(中小事業主以外の事業主)に雇用される労働者向け】

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000765719.pdf

【①制度概要】

1.支援金・給付金とはどのような制度ですか。

新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により中小事業主に雇用される労働者が事業主の指示により休業し休業中に休業手当を受けることができない場合に休業前賃金の一部に相当する金額を支給するものです。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に係る対応が長期化する中で、雇用維持の支援策をさらに強化する必要があることから、緊急事態宣言や都道府県ごとの時短要請の影響が大きい時期の休業について、中小事業主以外の事業主に雇用されるシフト労働者等についても対象となりました。

2.支援金・給付金は労働者個人に支給されるものですか。

→労働者個人に支給されるものです。

【②対象労働者、対象事業主】

1.支援金・給付金の対象者の範囲はどうなりますか。

→中小事業主以外の事業主に雇用されるシフト労働者等(※)であって、事業主が休業させ、当該休業に対して賃金(休業手当)を受け取っていない方が対象となります。
※労働契約上、労働日が明確でない方(シフト制、日々雇用、登録型派遣)。なお、シフト制は、労働条件通知書に「シフトによる」などの記載のみで具体的な労働日や時間の記載がない場合や、「週○日勤務」などと記載されているが具体的な曜日や時間の記載などがない場合で、一定の期間ごとに労働日が調整され確定する(例えば毎月末に、翌月のシフト表が示されるなど)といったものが該当します。

2.学生アルバイトは対象となりますか。

雇用保険に加入していない昼間学生のアルバイトの方であっても、給付金の対象となります。

3.外国人や技能実習生は対象となりますか。

→国籍を問わず、日本国内で働く労働者であれば対象となります。技能実習生も実習先と労働契約を結んでいることから対象となります。

4.海外勤務者は対象となりますか。

→「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例に関する法律」が適用される日本国内で働く労働者のみが対象となります。

5.フリーランスでの仕事が休業状態です。支援金・給付金の対象になりますか。

→休業の前提となる雇用関係がないフリーランスの方は対象とはなりません。なお、フリーランスでの仕事のほかに、上記1に該当する労働者としても雇用されている場合は、当該雇用に係る休業が支援金・給付金の要件を満たせば支給の対象となります。

6.地方公共団体の非常勤公務員は対象となりますか。

→国、地方公共団体、行政執行法人、特定地方独立行政法人で働く方は対象とはなりません。ただし、地方公営企業雇用保険被保険者の方は対象となります。

7.新たに雇い入れられたばかりですが、対象となりますか。

→令和2年4月1日以降に新たに雇い入れられた労働者については、雇入れ日から当該日の属する月の翌月末(雇い入れ日が月の初日の場合は当該月末)までの間の休業は対象となりませんが、それ以降であれば対象となります。ただし、休業前賃金が全くない場合は支給対象とはなりません。
(例えば、4月15日採用の方であれば、6月1日以降が対象となります。)

8.新卒として4月から採用されましたが、対象となりますか。

→新規学卒者等(新たに学校若しくは専修学校を卒業した方若しくは新たに公共職業能力開発施設若しくは職業能力開発総合大学校の行う職業訓練を修了した方又はこれに準ずる方)については、上記7にかかわらず、入社時期が繰り下げられた結果、1日も勤務していなかったとしても、対象となります。この場合の休業前賃金の算定は④7を参照ください。

9.事業主が休業者以外の労働者を解雇している場合でも支援金・給付金は受けられますか。

→事業主が他の労働者を解雇しているかどうかは支援金・給付金の要件とは関係ありません。

10.○○の事業を行っている事業所で働いていますが、支援金・給付金の対象となりますか。

→対象となる産業に限定はありません。

11.休業していた事業所を既に離職しています。その場合でも支援金・給付金の対象になりますか。また、雇用保険の基本手当を受給していますが対象になりますか。

雇用保険の基本手当を受給している期間中は支援金・給付金の対象にはなりません。
一方で、休業後に当該事業所を離職し、雇用保険の基本手当を受給している場合であっても、離職前休業期間中の支援金・給付金を申請することは可能です。

12.中小事業主の範囲はどうなりますか。

→休業開始時点で、原則として、次の表の「資本金の額・出資の総額」か「常時雇用する労働者の数」のいずれかを満たす企業が「中小事業主」に該当します。
f:id:sr-memorandum:20210407210156p:plain

13.事業主が労働保険料の未納や労働関係法令違反をしています。この場合、支援金・給付金は受けられますか。

→事業主の労働保険料の未納や労働関係法令違反により、支援金・給付金が受けられなくなることはありません。ただし、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員、破壊活動防止法の暴力主義的破壊活動を行った又は行う恐れがある団体等に所属している者に対しては支援金・給付金の支給は行いません。

【③対象となる休業】

1.支援金・給付金の対象となる休業について教えてください。

→支援金・給付金の「休業」とは、事業主の指示により所定労働日に労働者を休ませるものをいい、申請に当たっては、事業主の指示により労働者を休業させていることを確認します。
また、疾病、育児、介護、母性健康管理措置、教育訓練など労働者本人の事情による休みや年次有給休暇は、支援金・給付金の「休業」ではありませんので、申請に当たっては、申請を行う労働者の方からこれらに該当する日数を申告していただきます。

2.事業主の指示により休業していることをどのように確認するのでしょうか。

→申請に当たって、事業主が当該労働者を休業させており、休業手当の支払いを行っていないことを証明していただくこととなります。具体的には労使共同で「支給要件確認書」を作成していただくことにより確認することとなります。

3.シフト制で働いています。事業主から、新型コロナウイルス感染症がなければシフトを入れる予定であったが、シフトが決まる前に休業に入ったので、申請できないのではないか。また、申請すると不正受給になるのではないか心配だと言われました。申請できますか。

→シフトが入らない状態が休業に当たるか否かは、前提となる労働契約の内容によりますが、この休業の前提となる労働契約は、労働者と事業主との合意によりその内容が決定されます。このことを簡便に確認するため、支給要件確認書を事業主にも記載していただくことにしています。
したがって、雇用調整助成金と同様に、労働基準法上の休業手当支払義務の有無にかかわらず、労働条件通知書等のほか休業前の就労の実態なども踏まえて、労働者と事業主双方において事業主の指示で休業したと認識が一致した上で支給要件確認書を作成すれば、支援金・給付金の対象となる休業として申請することが可能です。(事業主が協力してくれない場合の対応は7を御覧ください。)
また、支援金・給付金の不正受給とは、申請書類に故意に虚偽の記入を行ったり、偽りの証明を行うことをいうので、例えば、新型コロナウイルス感染症と関係なく申請対象期間に就労する予定がなかった、そもそも労働契約を結ぶ意図がなかった等の事情にかかわらず、労働者と事業主で労働契約があったと偽装して受給するような場合がこれに当たります。
なお、シフトが作成されていない場合における労働日の有無など、労働契約に関するご相談は、各都道府県労働局や労働基準監督署に設置されている総合労働相談コーナーにご相談ください。

4.労働者から休業支援金の支給要件確認書の記載を求められています。事業主の記載欄に休業手当を支払っているかどうかを確認する欄がありますが、「休業手当を支払っていない」と回答した場合、ただちに労働基準法違反となるのでしょうか。

→休業支援金は、事業主の指示により休業しており、休業手当を受け取ることができない方を対象とした制度です。
この制度の対象となるかを確認するために、支給要件確認書において事業主に休業手当の支払いの有無を記載していただく欄を設けています。
労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされていますが、使用者の責に帰すべき事由による休業に当たるか否かは、個別の事案ごとに、休業の原因や、使用者の休業回避努力の状況などを総合的に勘案し判断されます。
※支給要件確認書における、使用者の「休業手当を払っていない」旨の記述や、労働者の「休業手当の支払を受けていない」旨の記述は、労働基準法第26条の休業手当の支払義務の有無の判断に影響することはありません。
労働基準法第26条の休業手当の支払義務が認められる事案においては、雇用する労働者が休業支援金を受給した場合でも、それによって同条の休業手当の支払義務は免除されないことにもご留意ください。
労働基準法上の休業手当については上述のとおりですが、労働基準法の休業手当の支払義務の有無にかかわらず、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主に対しては、事業主が支払った休業手当の額に応じて支払われる雇用調整助成金があり、助成率や上限額の引上げ等を実施しているところです。
これを活用することにより、事業主の皆様は、高率で休業手当を支払うことも可能であり、また、労働基準法の休業手当支払義務がある場合でも義務を履行できますので、まずは雇用調整助成金を最大限ご活用いただき、労働者に休業手当の支払をお願いいたします。

5.事業主に「シフト制なのだから(日々雇用なのだから)、休業させたのではなく就労日がなかった。」と言われ、支給要件確認書を作成してくれませんでした(休業を認めてくれませんでした)。支給対象となりませんか。

→支給要件確認書で休業の事実が確認できない場合でも、
①申請対象月のシフト表が出ている等により当該月の勤務予定が定まっていた場合(労働条件通知書などで「週○日勤務」などとのみ記載されているタイプのシフト制の方については、具体的な曜日や時間帯がまだ決まっていない状態も含みます)であって、事業主に対して、その内容に誤りがないことが確認できる場合
②休業開始月前の給与明細等により、「6か月以上の間、原則として月4日以上の勤務」(※)がある事実が確認可能な場合で、かつ、事業主に対して、新型コロナウイルス感染症の影響がなければ申請対象月において同様の勤務を続けさせていた意向が確認できる場合(ただし、新型コロナウイルス感染症の影響以外に休業に至った事情がある場合はこの限りではありません。)
には、休業支援金の対象となる「休業」があったものとして取り扱います。
上記①、②の確認のため、労働条件通知書や給与明細、賃金台帳等の関係資料の提出を依頼することがありますので、ご協力ください。

なお、既に雇用関係が終了していること(日々雇用の場合にあっては以降の雇用が見込まれないこと)が客観的な資料で確認できる場合や、倒産等により勤務の継続が不可能であることがあきらかである場合は「休業」にはあたりません。
※原則、休業開始月前の直近6か月間で判断しますが、令和2年4月~6月の休業を申請しない場合であって、9②の期間を初回申請する場合には、休業開始月の直近6か月で月4日以上の勤務が確認できない場合であっても、令和2年3月以前の6か月間に月4日以上の勤務が確認できる場合はこの基準を満たすものと取り扱います。
令和2年4~6月の休業と、9②の期間を申請する場合については、令和2年4~6月からの休業前の直近6か月で判断しますので、両期間の間の期間も休業していたために当該間の期間中の勤務が確認できない場合であっても、9②の期間についてもこの基準を満たすものとして取り扱います。

6.登録型派遣で、派遣先の都合で派遣契約が解除されてしまった場合は、休業支援金の対象となる「休業」に該当しますか。

→派遣元事業主の指示により休業しており、休業中に休業手当が受けられない労働者であれば、対象となります。派遣契約が終了しても、派遣元事業主が労働契約を継続させた上で労働者を休業させ、休業手当を支払っていない場合には、対象となります。

7.事業主の支給要件確認書への記載は絶対に必要でしょうか。協力してくれない場合、個人からのみの申請は可能でしょうか。

→労働者の雇用、賃金支払いの事実や休業させていることの事実については、労働者からの申出のみで判断することは適当ではなく、この点について最低限事業主からの確認が必要です。
仮に労働者が事業主に申し出たにもかかわらず、事業主が支給要件確認書への記載を拒むようなケースが生じた場合は、支給要件確認書の「事業主記入欄」の「事業主名」の部分に、事業主の協力が得られない旨を、事業主の主張その他関連する事情とともに記載の上、申請してください。その場合、労働局から事業主に対して報告を求めます。
この場合は、事業主から回答があるまでは審査ができないこととなり、その分申請から支給までに時間を要しますので予めご承知おきください。

8.休業支援金の申請に当たって、事業主に協力が得られない旨などを記載した上で申請をしたところ、事業主から解雇や雇い止め、シフトの減少をされそうになった場合、どうすればよいでしょうか。

→会社が解雇や雇止めなどをしようとする場合でも、労働関係法令などにより、以下のような決まりがあります。
①無期労働契約の解雇については、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は無効とされており(労働契約法第16条)、有期労働契約の契約期間途中の解雇については、やむを得ない事由がある場合でなければ解雇することができません(労働契約法第17条)。
②また、有期労働契約における雇止めについても、反復更新された有期労働契約であって、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められる場合等については、使用者は従前の労働条件と同一の条件で労働者からの申込みを承諾したものとみなすとされています(労働契約法第19条)
※休業支援金の申請をしたことのみを理由として、解雇や雇止めなどを行った場合、労働契約法第16条に照らし無効となる場合等があり得ます。
③さらに、労働条件の変更については、労働契約の見直しにより行う場合には労働者の合意が必要であり、就業規則の変更により労働条件を労働者の不利益に変更する場合には、労働者の合意又は当該変更に係る事情に照らして合理的なものとである必要があります(労働契約法第8条~第10条)
解雇や雇止めなどに関するご質問やご相談については、最寄りの労働局・労働基準監督署のほか、「新型コロナウイルス感染症に関する特別労働相談窓口」や、「労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)」などをご利用ください。

9.対象となる休業はいつからいつまで対象になりますか。

→対象となる休業の期間は以下のとおりです。
①令和2年4月1日から同年6月30日
②令和3年1月8日(令和2年11月7日以降に時短要請等を発令した都道府県は以下の表の日)から緊急事態宣言(令和3年1月7日にされたものに限る。)に係る緊急事態解除宣言の翌月の末日(当該緊急事態解除宣言が令和3年2月中にされた場合にあっては、同年4月30日)
f:id:sr-memorandum:20210407210406p:plain
f:id:sr-memorandum:20210407210454p:plain
※記載のない県は令和3年1月8日より前に要請が行われていないため、対象期間は①の期間を除き、令和3年1月8日以降となります。
厚生労働省において都道府県のHP等で時短要請等の取組を確認の上、一覧化したもの

10.週5日から週3日のシフトになる場合など、月の一部分の休業は支援金・給付金の対象となるのでしょうか。

→対象となりますが、具体的な支援金・給付金の計算に当たっては、就業した実績に応じて算定することとなります。(⑤支援金・給付金の項目をご参照ください)

11.1日8時間から3時間の勤務になる場合など、短時間休業も支援金・給付金の対象となりますか。

→対象となりますが、具体的な支援金・給付金の計算に当たっては、就業した実績に応じて算定することとなります。(⑤支援金・給付金の項目をご参照ください)

12.雇用保険被保険者としてA事業所で働いているほか、B事業所で雇用保険被保険者とならない副業をしています。A事業所では引き続き勤務していますが、B事業所が休業となり、休業手当を受けられない場合、B事業所の休業に対する給付金は受けられるのでしょうか。

雇用保険被保険者とならないB事業所での副業についても給付金の対象となります。

13.初回申請時は全休業でしたが、途中から事業所の指示で何日か勤務しました。その場合、支援金・給付金が受けられなくなるのでしょうか。

→全体として休業が引き続いている場合は、何日か就労した場合でも当該就労した日を除いて支援金・給付金が受けられます。

14.職場で新型コロナウイルスの感染者が出たことから、休業となりました。対象となりますか。

→職場内で新型コロナウイルスの感染者が発生し、感染拡大防止の観点から、事業主が休業を行った場合(事業主の指示による休業の場合)、感染者以外の方は支援金・給付金の対象となりますが、患者本人の休業は支援金・給付金の対象外となります。

15.新型コロナウイルス感染症の影響により店舗が入居しているショッピングセンター等の施設全体が休館して休業となった場合でも対象となりますか。

→外的な事業運営環境の変化に起因する休業であっても、支援金・給付金の対象となる休業に該当します。

【④休業前賃金】

1.給付額の算定対象となる休業前賃金には何が含まれますか。税引き前の総支給額ですか。

→賃金とは、月ごとの給与の総支給額(税・社会保険料控除前の基本給と残業手当などの諸手当の合計。ただし、賞与は除きます。)をいいます。

2.休業前賃金日額はどのように算定されるのでしょうか。

→原則として、過去6か月のうち任意の3か月分の賃金を90で除して算定します。「休業前」の賃金とは休業を開始した月より前に実際に支払われた賃金を指します。例えば、4月からの休業であれば、3月以前に実際に支払われた賃金が休業前の賃金となります(例1)。
ただし、雇入れ日と賃金支払い日の関係で休業を開始した月より前に支払われた賃金がない場合は休業を開始した月に支払われた賃金で算定します(例2)。
これらについては、申請書に記載していただくとともに、賃金台帳や申請者の給与明細により確認させていただきます。

(例1)
●令和2年4月10日から休業
●給料(3月:30万円、2月:25万円、1月:28万円、12月:26万円)
※下線の3か月を選択
●(30万+28万+26万)÷90日=9,333円・・休業前賃金日額
※端数処理は小数点以下切り捨てとなります。

(例2)
●令和2年3月1日付採用、賃金は末日〆、翌月15日払い
●令和2年4月10日から休業
●休業前(3月以前)に支払われた賃金がない→(4月:20万円)
※休業前の労働の対価として支払われた4月支給額で算定
●20万円÷30日=6,666円・・・休業前賃金日額
※端数処理は小数点以下切り捨てとなります。

3.令和3年1月からの休業を申請予定ですが、直前の6か月(7月~12月)も新型コロナウイルス感染症の影響により仕事がありませんでした。その場合、休業前賃金が算定できないことから対象外となってしまうのでしょうか。

→令和2年4月~6月の休業を申請しない場合であって、【③対象となる休業】9②の期間を初回申請する場合には、特例的に休業開始月の直前6か月ではなく、令和元年10月から申請開始月の前月までの期間から任意の3か月分の賃金を90で除して算定することとします。

(例)
●令和3年1月8日から休業
●給料(令和2年6月~12月まで賃金なし、5月:15万円、4月:17万円、
3月:12万円、2月:18万円、1月:20万円、12月:15万円)
※下線の3か月を選択
●(17万+18万+20万)÷90日=6,111円・・・休業前賃金日額
※端数処理は小数点以下切り捨てとなります。

4.休業前に3か月分の賃金の支払を受けていない場合はどのように算定することになりますか。

→3か月分の賃金の支払がない場合は、2か月分の賃金を60で除して算定し、2か月分の賃金の支払もない場合は、1か月分の賃金を30で除して算定することになります。
なお、日割り等により1か月分に満たない賃金の支払しかない場合であっても、算定の対象となりますが、1か月分の賃金がある場合と同様の算定方法(30で除して算定)となります。

5.休業前の賃金を証明する書類は何を用意すればよいですか。

→休業前賃金を確認できる書類は、①賃金台帳、②給与明細、③賃金の振込通帳の3種類となります。

6.賃金の証明ができる資料が振込通帳しかありません。その場合、各種控除前の金額で賃金日額の算定をしてもらえるのでしょうか。

→各種控除前の金額が不明の場合、控除後の金額で給付額を算定することとなります。なるべく事業主に協力していただき、賃金台帳により休業前賃金の証明を提出していただくようお願いします。
なお、一度支給決定した後に休業前賃金を変更することはできませんのでご留意ください。

7.休業前賃金を証明する書類が何もありません。

→客観的資料により賃金額を確認できない場合は支給を行うことはできません。事業主に協力していただき、休業前賃金の証明を提出していただくようお願いします。

8.新卒で入社したばかり(休業前に内定を受けており、入社日時点で既に休業しているケースも含む。)の場合、賃金額はどのように証明すれば良いでしょうか。

→新規学卒者の場合、入社時期が繰り下げられた結果、1日も勤務していなかったとしても、対象となります。その場合、予定されていた給与額で算定することとなりますので、雇用契約書・労働条件通知書等の賃金額が分かる書類を添付してください。

【⑤支援金・給付金】

1.支援金・給付金の給付額がいくら支給されるのか知りたいのですが。

→原則として、上記④2・3により算定された休業前賃金日額の8割(支援金・給付金日額。日額上限11,000円。ただし、令和2年4月~6月の休業については6割)に休業期間の日数を乗じて得た額が支給されます。当該休業期間中に就労等(申請の対象となる事業所での就労等に限ります。)した場合、就労等日数(4時間以上の就労等であれば1日、4時間未満の就労等であれば0.5日)を当該日数から減じて算出します。
ただし、4時間未満の就労等であっても、所定労働時間が4時間未満の場合に、所定労働時間どおりに就労等している場合は1日としてカウントします。(例えば、所定労働時間が3時間の場合で、3時間就労等した場合は1日としてカウント。2時間就労等し、1時間休業の場合は0.5日としてカウント)

(例1:全期間休業しており、就労等していない場合)
●休業前賃金日額:9,333円(上記④2(例1)のケース)
→支援金・給付金日額:9,333円×0.8=7,466円
※端数処理は小数点以下切り捨てとなります。
●5月1日~5月31日まで休業
→支給額:7,466円×31日=231,446円
※端数が生じた場合は小数点以下切り捨てとなります。
(支給申請書8~11欄の記載)
f:id:sr-memorandum:20210407210624p:plain

(例2:休業中に数日就労等した場合)
● 休業前賃金日額:9,333 円(上記④2(例1)のケース)
→ 支援金・給付金日額:9,333 円×0.8=7,466 円
※端数処理は小数点以下切り捨てとなります。
● 5 月1 日~5 月31 日まで休業、10 日と14 日に6 時間(1日としてカウント)、
17 日に6 時間勤務のところ4時間休業し2時間だけ就労(0.5 日としてカウント)
→ 支給額:7,466 円×(31 日-2.5 日)=212,781 円
※端数が生じた場合は小数点以下切り捨てとなります。

(支給申請書8~11 欄の記載)
f:id:sr-memorandum:20210407210738p:plain

(例3:所定労働時間が3時間の場合)
● 休業前賃金日額:6,666 円(上記④2(例2)のケース)
→ 支援金・給付金日額:6,666 円×0.8=5,332 円
※端数処理は小数点以下切り捨てとなります。
● 5 月1 日~5 月31 日まで休業、10 日と14 日に3時間(1日としてカウント)、
17 日に3時間勤務のところ1時間休業し2時間だけ就労(0.5 日としてカウント)
→ 支給額:5,332 円×(31 日-2.5 日)=151,962 円
※端数が生じた場合は小数点以下切り捨てとなります。

(支給申請書8~11 欄の記載)
f:id:sr-memorandum:20210407210846p:plain

2.上記1の就労等には、実際に働いた場合以外に何が含まれるのですか。

年次有給休暇育児休業、介護休業、病気による欠勤などの本人の事情による休暇、休業、欠勤が含まれます。

3.支給要件確認書で指している「休業手当」とはどういうものですか。

→「賃金台帳、給与明細において休業手当と記載されているもの」、「休業日数に比例して支払われるもの」が「休業手当」となります。この「休業手当」が支払われている場合は支援金・給付金の対象にはなりません。

4.支給要件確認書で指している「見舞金」とはどういうものですか。【更新】

→上記3の休業手当に該当しないものは名称にかかわらず、月額3万円以下、かつ、休業前賃金以下であれば、支払われている場合でも支援金の対象となります。
なお、過去の労使交渉の結果の解決金など、新型コロナウイルス感染症の影響による休業とは無関係であり、賃金にも該当しないことが、労使双方による合意書等の客観的資料により確認することが可能である場合には、上記金額を超える場合であっても支援金の対象となります。この場合の申請に当たっては、こうした資料も合わせて添付いただくようお願いします。

5.休業手当として平均賃金の3割の金額が事業主から支払われています。この場合、支援金・給付金は受けられないのでしょうか。

→休業中に法定未満(6割未満)の休業手当を受けている場合も支援金・給付金の対象とはなりません。

6.休業当初は休業手当が支払われていましたが、途中から会社の経営状況が極度に悪化し休業手当が支払われなくなりました。休業手当が支払われなくなった日以降については支援金・給付金を受けられますか。

→事業主の指示により休業しており、休業中に賃金が受けられない労働者であれば、休業手当が支払われない期間について対象となります。

7.育児休業給付や傷病手当金を受けている間に事業所が休業しました。これらの給付を受けている場合は支援金・給付金の対象となりますか。

育児休業給付や傷病手当金を受けている場合、その休業の原因が事業主の指示による休業ではないことから、支援金・給付金の対象とはなりません。

8.学生支援緊急給付金を受け取っていますが、支援金・給付金は受給できますか。

→支援金・給付金は事業主の指示により休業し、休業中に賃金が受けられないことに着目した給付であり、学生支援緊急給付金とはその趣旨目的が異なることから、同給付金を受給している方も支援金・給付金の対象となります。

9.児童扶養手当を受給した場合、支援金・給付金は受給できますか。

→支援金・給付金は事業主の指示により休業し、休業中に賃金が受けられないことに着目した給付であり、児童扶養手当とはその趣旨目的が異なることから、同手当を受給している方も支援金・給付金の対象となります。

10.高年齢雇用継続給付を受けていますが、支援金・給付金は受給できますか。

→支援金・給付金は事業主の指示により休業し、休業中に賃金が受けられないことに着目した給付であり、高年齢雇用継続給付とはその趣旨目的が異なることから、同給付金を受給している方も支援金・給付金の対象となります。

11.フリーランスとアルバイトを兼業しています。フリーランスとして持続化給付金を受給した場合、アルバイトの休業に対して支援金・給付金は受給できますか。

→支援金・給付金は事業主の指示により休業し、休業中に賃金が受けられないことに着目した給付であり、フリーランスとしての収入の減少に対して支給される持続化給付金とはその趣旨目的が異なることから、同給付金を受給している方もアルバイトについて要件を満たす場合は支援金・給付金の対象となります。なお、②5もご参照ください。

12.支援金・給付金を受給した後で、事業主から対象期間中の休業に対する休業手当が支払われました。この場合、どうすればよいですか。

→支給要件確認書に記載してあるとおり、2週間以内に支給決定通知書に記載している都道府県労働局職業安定部へ申告してください。支給済みの支援金・給付金について返納していただくことになります。

13.支援金・給付金の税法上の位置づけはどうなるのでしょうか。

→支援金・給付金は非課税であるため、所得申告は不要です。

【⑥雇用調整助成金との関係】

1.事業所が全労働者を対象とした休業をしていますが、私には休業手当が支払われていません。一部の労働者には休業手当を支払い、雇用調整助成金を活用しています。この場合、私は支援金・給付金を受けられないのでしょうか。

→雇用されている事業所の雇用調整助成金の受給の有無にかかわらず、休業手当が支払われていない労働者は支援金・給付金の支給対象となります。

2.雇用調整助成金と支援金・給付金のどちらを利用したら良いですか。

→支援金・給付金は事業主の指示により休業しており、休業手当、賃金を受け取ることができない労働者の方の生活の安定及び保護の観点から直接申請が可能な制度として創設されたものです。一方、使用者の責に帰すべき事由により労働者を休業させた場合には、労働基準法上、休業手当の支払義務が生じることとなり、支援金・給付金の支払いにより、休業手当の支払義務が免除されるものではありません。
労働基準法上の休業手当の要否にかかわらず、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主に対しては、雇用調整助成金が、事業主が支払った休業手当の額に応じて支払われます。
こうしたことも踏まえ、事業主の皆様には、まずは雇用調整助成金を活用いただき、雇用維持が図られるよう努めていただくようお願いします。

雇用調整助成金新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

【⑦申請方法等】

1.申請方法について教えてください。

→郵送又はオンラインでの受付となります。なお、迅速な支給や、感染予防・3密回避等の観点から、窓口での申請は受け付けておりません。本Q&Aのほか、厚生労働省HPに資料を掲載しますのでご覧ください。また、相談受付についてはコールセンターを設置しています。

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金コールセンター
電話番号:0120-221-276
月~金8:30~20:00/土日祝8:30~17:15

2.いつから申請が可能ですか。

→2月26日から郵送およびオンライン申請の受付を開始しました。

3.郵送申請はどこへ郵送すればよいですか。

→以下の宛先に郵送してください。郵送仕分け業者が申請書類の形式的な確認を行った上で、管轄都道府県労働局の支援金集中処理センターに振り分けます。その際、必須記載事項や添付書類の漏れがある場合、該当箇所を明示した上で、返戻させていただきますので、補正の上、再度郵送いただくようお願いいたします。
なお、厚生労働省HPに郵送申請のご案内を掲載しておりますので、ご確認いただき、郵送先にお間違いのないようお願いいたします。ハローワークや労働局、厚生労働省などに郵送された場合は受け付けられませんのでご注意下さい。

〒600-8799
日本郵便株式会社京都中央郵便局留置
厚生労働省新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金担当

4.郵送申請の支給申請書などの様式はどこでもらえますか。

→支援金・給付金の申請書や要件確認書などは、厚生労働省HPからダウンロード(Word又はPDF、一部Excel)できます。なお、申請書はA4サイズで印刷していただきますようお願いします。また、インターネットを閲覧することが難しい等の場合、ハローワークにおいても配布しています。

5.支給申請書の書き方は何を参考にしたらいいですか。

→申請書の裏面や申請書の記載例をご確認ください。また、申請書の記載例を厚生労働省HPに掲載しますのでご参照ください。
また、コールセンターも開設しておりますので活用ください。

6.支給申請書以外にどういった書類を提出する必要がありますか。

→初回申請時には、支給申請書および支給要件確認書のほか①運転免許証等の本人確認書類の写し、②振込先口座を確認できるキャッシュカードや通帳の写し(口座番号及び名義が確認できる通帳を開いた1ページ目と2ページ目)、③給与明細などの休業前および休業中の賃金額が確認できる書類の写しを添付してください(「休業前」「休業中」の賃金とはその期間に支払われた賃金を指します。例えば、4月の休業であれば、3月以前に支払われた賃金が「休業前」、4月中に支払われた賃金が「休業中」です。)。また、④シフト制、日々雇用または登録型派遣であることを疎明するとともに、そのことが確認できる書類(労働条件通知書、雇用契約書等)の写しを添付してください。2回目以降の申請時には初回申請時から振込先口座の変更がなければ③のみ(休業前の賃金は不要です。)で構いません。
なお、①本人確認書類にはマイナンバー通知カードを使用しないでください。
④の疎明については、「勤務形態についての疎明書」をホームページに掲載していますので御活用ください。労働条件通知書等の確認書類がなくても申請できますが、その場合には、書類がない旨及び、どのような勤務形態であるかについての説明をできるだけ具体的に書いてください。

7.郵送申請の内容に不備があった場合はどうなりますか。

→必須項目が空欄である場合や添付書類が不足している場合は申請者あて返戻させていただきます。その際にはどこに不備があるかをお示しいたしますので、補正の上、再送していただきますようお願いします。

8.2回目以降の申請における注意点はありますか。

→郵送申請の場合、支給決定または不支給決定通知書の下部に支援金等対象者番号及び氏名(カナ)が記載されています。郵送申請の2回目以降の申請時においては、この部分を切り取って申請書に貼っていただくようお願いします。

9.支給申請はいつまで受け付けてくれるのですか。

→申請期限は令和3年7月31日(土)です。
また、申請開始日は休業した期間の翌月初日からとなります。(例:3月の休業であれば4月1日から申請可能です。)

10.支給申請後、支援金・給付金が支払われるまでにどれくらいかかりますか。

→申請後、支援金集中処理センターにおいて審査を行い、書類が整っている場合には、概ね2週間程度で支給決定(支給完了)又は不支給決定を行います。郵送申請の場合は休業者の住所または代理申請した事業主の住所に支給決定または不支給決定通知書を送付いたします。支給決定通知から入金まで数日要することがありますのでご留意ください。
なお、申請受付開始直後については、申請が集中することが考えられるため、立ち上げ当初はお支払いまで2週間以上の期間を要することも考えられますが、可能な限り迅速な支給に努めてまいります。
また、申請書類に不備等がある場合には、申請内容の確認に時間を要します。さらに、支給要件確認書の作成に事業主の協力が得られず空欄となっている場合は、労働局から企業に対して調査を行うこととなりますので、申請から支給までに時間を要しますのでご承知おきください。

11.支援金・給付金はどのように受け取るのですか。

→本人名義の銀行口座への振込みとなります。海外の金融機関やインターネット専用銀行は原則振込みができません。振込可能な金融機関のリスト(別表)をご参照ください。

12.事業主から申請してもらってもいいのですか。

→事業主経由の申請も可能です。この場合でも、支援金・給付金は申請者本人の銀行口座への振り込みになります。

13.事業主と申請者個人の両方から申請することはできますか。

→どちらか一方のみ申請を行うことができます。

14.社会保険労務士が代理申請する場合に委任状が必要ですか。

社会保険労務士が提出代行する場合は不要です。

15.郵送申請の場合、郵便料金は自己負担なのでしょうか。

→郵送の費用は申請者のご負担になります。

16.申請書を提出した後、労働局から連絡や調査があるのでしょうか。

→提出した書類について、確認のご連絡をすることがあります。また、適正な支給を行う観点から、事業所への立入検査等の調査を行うことがありますので御協力をお願いします。

【⑧その他】

1.不支給となった場合に不服申し立ては出来ますか。

→支援金・給付金の支給・不支給の決定は行政処分ではないため、不服申し立てはできません。

2.配偶者が休業していたのですが、急遽亡くなりました。亡くなる前の休業期間について代わりに申請することは可能でしょうか。

→支給申請時点でご存命の方が対象となります。

3.令和2年4月1日以降に引っ越しして住所が変わりました。申請項目にある現住所には、どの時点の住所を記載すればよいですか。

→申請日時点の住所を記載いただくようお願いします。

【⑨複数事業所分の申請】

1.複数の事業所で働いています。その複数事業所が休業している場合、それぞれの事業所の分で支給を受けられるのでしょうか。

→複数事業所の休業について申請可能です。ただし、原則として申請時に複数事業所分の情報をまとめて申請する必要があります。別々に申請することはできません(あとから申請した分は無効となります)。
(例えば、A事業所とB事業所の2か所で働いている方で、両事業所の分を申請する場合は、A事業所分とB事業所分を必ずまとめて申請してください。A事業所分のみ申請した場合、あとからB事業所分を申請しても無効となりますのでご注意ください。)
ただし、令和2年4月から6月の期間について、中小事業主に雇用される労働者としての休業の分とは給付率が異なることから、当該期間において中小事業主とそれ以外の事業主に雇用される場合については、別々に申請することとなります。
(例えば、A事業所(大企業)、B事業所(大企業)、C事業所(中小企業)の3か所で働いている方で、令和2年4月から6月の期間について3事業所の分を申請する場合は、A事業所とB事業所はまとめて申請し、C事業所分は別で申請することとなります。)
支給申請書は複数事業所申請用として、通常の申請書とは異なります。また、郵送での手続きのみとなりますのでご注意下さい。
〒600-8799
日本郵便株式会社京都中央郵便局留置
厚生労働省新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金担当

2.申請できる事業所数に上限はありますか。

→上限はありません。

3.支給申請書Aに記載する事業所はどの事業所の分を記載すればいいですか。

→最も休業前賃金額の高い事業所(賃金を一番多くもらっていた事業所)を記載してください。ただし、中小事業主以外の事業主に雇用される労働者としての休業を申請する場合は、中小事業主以外の事業主の事業所のうち最も休業前賃金額の高い事業所を記載してください。それ以外の事業所については、支給申請書Bに記載してください。

4.一部の事業所が支給要件を満たさない場合、申請全体が不支給となるのでしょうか。

→支給要件を満たすかどうかは、事業所ごとに判断します。そのため、一部の事業所のみが要件に該当しない場合は、申請全体を不支給とはせず、当該一部の事業所以外の事業所について支給することとなります。

5.休業手当や月額3万円を超える見舞金が支払われている場合は支給の対象とならないですが、複数事業所分を申請する場合はどのようになりますか。また、一部の事業所において、後から休業手当が支払われた場合はどのようになりますか。

→休業手当や見舞金が支払われる場合の取扱いについても、上記4の場合と同様に、個別の事業所ごとに判断することとなります。また、支援金・給付金が受給した後に休業手当が支払われた場合についても、当該休業手当が支払われた事業所に係る額のみ返還することとなります。

6.事業所ごとに休業している期間が異なります。どのように支給申請書に記載すればいいですか。また、休業期間が重複していない月はどうなりますか。

→最も休業開始日が早い事業所の休業開始日から、最も休業終了日が遅い事業所の休業終了日までを休業期間とします(例1)。
複数事業所の休業が全く重複していない月(支給単位期間)がある場合、その月(支給単位期間)は単体事業所として別の申請となりますのでご注意ください(例2)。
ただし、休業の期間が全く重複していなくても、休業している月(支給単位期間)が重複している場合は複数事業所分として申請することになります(例3)。

(例1)
A 事業所:休業期間4月8日~5月16 日
B 事業所:休業期間4月16 日~5月25 日
f:id:sr-memorandum:20210407212319p:plain

(複数就労用の支給申請書A の項目8の記載)
f:id:sr-memorandum:20210407212428p:plain

(例2)
A 事業所:休業期間4月8日~5月16 日
B 事業所:休業期間4月16 日~6月25 日
f:id:sr-memorandum:20210407212535p:plain

※複数事業所分としては4月、5月が対象となります。6月はB 事業所だけ休業しています
ので、B 事業所分のみで別途申請してください。

(複数就労用の支給申請書A の項目8の記載)*4月、5月分の申請(A、B 事業所分)
f:id:sr-memorandum:20210407212718p:plain
(支給申請書(労働者申請用初回)の項目8の記載)*6月分の申請(B 事業所分)
f:id:sr-memorandum:20210407212821p:plain

(例3)
A 事業所:休業期間4月8日~5月10 日
B 事業所:休業期間5月16 日~6月25 日
f:id:sr-memorandum:20210407212956p:plain
※A 事業所のみで4月、A,B 複数事業所分で5月、B 事業所のみで6月の申請をそれぞれ別途行ってください。

(支給申請書(労働者申請用初回)の項目8の記載)*4月分の申請(A 事業所分)
f:id:sr-memorandum:20210407213132p:plain

(複数就労用の支給申請書A の項目8の記載)*5月分の申請(A,B 事業所分)
f:id:sr-memorandum:20210407213224p:plain

(支給申請書(労働者申請用初回)の項目8の記載)*6月分の申請(B 事業所分)
f:id:sr-memorandum:20210407213314p:plain

7.複数事業所分を申請する場合の休業前賃金額日額の算定はどのように行うのですか。

→休業開始前の過去6か月のうち任意の3か月分の賃金を 90で除して算定するという原則は単体事業所の申請の場合と同様です。ただし、複数事業所分の申請の場合は、申請する全ての事業所について、同じ月の賃金で算定することとなります(例1)。
複数事業所としての休業が引き続かず、単体事業所としての別途申請となる場合は、それぞれ休業前賃金日額を別途算定することとなります(例2、3)。

(例1:6の例1の場合)
f:id:sr-memorandum:20210407213503p:plain

● A事業所は 12月、 11月、 10月が、 B事業所は3月、2月、 12月が金額の高い3か月となりますが、申請する全ての事業所について、同じ月の賃金で算定する必要がありますので、同じ3か月( 3月、 12月、 11月)を選択し、その月の賃金の合計額を 90で除して算定することとなります。事業所が C事業所、 D事業所・・・と増えた場合も同様です。
(3月 12月+ 11月)

●(15万+ 18万+ 15万)÷ 90日= 5,333円・・・休業前賃金日額
※端数処理は小数点以下切り捨てとなります。


(例2:6の例2の場合)
●4月および5月の休業前賃金日額は上記例1と同様に算定します。
f:id:sr-memorandum:20210407213641p:plain

●6月開始の休業の場合、休業開始前の過去 6か月( 12月~5月)から任意の 3か月を選択します。
(4月+ 2月+ 12月)
→(8万 +6万+7万)÷ 90日= 2,333円・・・休業前賃金日額
※端数処理は小数点以下切り捨てとなります。


(例3:6の例3の場合)
f:id:sr-memorandum:20210407213818p:plain

●4月の休業の場合、休業開始前の過去6か月(10月~3月)から任意の3か月を選択します。

*4月分はA事業所単体の休業としての申請となります。
(12月+ 11月+ 10月)
(11万+ 13万+ 14万)÷ 90日= 4,222円・・・休業前賃金日額
※端数処理は小数点以下切り捨てとなります。

●5月の休業の場合、休業開始前の過去6か月(11月~4月)からA,B事業所同じ3か月を選択します。

*5月分は A,B事業所複数として の 申請となります。
(4月 +3月 12月)
16万+ 15万+ 18万)÷ 90日= 5,444円・・・休業前賃金日額
※端数処理は小数点以下切り捨てとなります。

●6月の休業の場合、休業開始前の過去 6か月(12月~5月)から任意の3か月を選択します。
*6月分はB事業所単体の休業として の 申請となります。
(4月+ 2月+ 12月)
→(8万 6万+7万)÷ 90日= 2,333円・・・休業前賃金日額
※端数処理は小数点以下切り捨てとなります。

8.支給申請書の就労等した日数は何を参考に記載すればいいですか。

→支給申請書AおよびBの2枚目や厚生労働省 HPに掲載している申請書の記載案内をご確認ください。

9.既に中小事業主に雇用される分で支給を受けています。改めて既に 支給を受けた月の分

を中小事業主以外の事業主に雇用される分とまとめて複数事業所分の申請にすることは可
能ですか。
→上記1のとおり、令和2年4月から6月分の休業については、中小事業主以外の事業主に雇用される分として単独で申請してください。
それ以外の期間については、改めて複数事業所分として申請することが可能です。