社会保険労務士川口正倫のブログ

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新型コロナウイルス感染症に関する障害者雇用納付金等の申告申請のQ&A

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新型コロナウイルス感染症に関する障害者雇用納付金等の申告申請のQ&A

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構により、新型コロナウイルス感染症に関連した障害者雇用納付金等の申告申請のQ&Aが公表されています。

https://www.jeed.go.jp/disability/om5ru80000002u8f-att/q2k4vk000003oqee.pdf

制度の詳細
https://www.jeed.go.jp/disability/koyounohu/index.html


障害者雇用納付金制度は、障害者を雇用することは事業主が共同して果たしていくべき責任であるとの社会連帯責任の理念に立って、事業主間の経済的負担の調整を図るとともに、障害者を雇用する事業主に対して助成、援助を行うことにより、障害者の雇用の促進と職業の安定を図るため「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき設けられた制度です。

常用労働者の総数が100人を超える事業主において障害者法定雇用率(※)未達成の事業主に納付金を収める必要があり、その納付金を財源として障害者雇用調整金、報奨金、在宅就業障害者特例調整金、在宅就業障害者特例報奨金、特例給付金及び各種助成金を支給が行われています。

なお、障害者雇用納付金の申告・納付や障害者雇用調整金等の支給申請については、新型コロナウイルス感染症に伴う提出期限の延長や納付免除等の措置は取られていません。

(※)2021年(令和3年)3月1日より、現行の2.2%から、2.3%に引き上げられました。

新型コロナウイルス感染症に関するQ&A

月毎の実労働時間に含めるもの・含めないものについては、記入説明書のP20~21に記載しています。
併せてご確認ください。

Q1 新型コロナウイルス感染症に感染した障害者が休業し、賃金も休業手当も払っていない場合、実労働時間にどのように計上したらいいですか。

新型コロナウイルスに感染した労働者には、感染症法に基づき、都道府県知事から就業制限や入院の勧告等が行われます。そのため、新型コロナウイルスに感染した障害者の休業期間については、賃金又は傷病手当金、休業手当等の支給の有無を問わず、所定及び実労働時間に計上してください。休業期間のうち、休日を除く日数(時間)を含めます。

Q2 新型コロナウイルス感染症に感染した方の濃厚接触者となった障害者を休業させ、賃金も休業手当も払っていない場合、実労働時間にどのように計上したらいいですか。

保健所から濃厚接触者と言われた方は、上記Q1と同じ扱いとします。
そうではない場合、賃金も休業手当も払っていないのであれば実労働時間には含めることはできません。
例えば、接触確認アプリで陽性者との接触通知があったことのみを理由として障害者を休業させ、賃金又は休業手当等を支給していない場合は、実労働時間には含めることはできません。

Q3 障害者が感染を恐れて自主的に休みました。そのような休暇制度はなく、賃金も休業手当も払っていない場合、実労働時間にどのように計上したらいいですか。

記入説明書P20の実労働時間に《含めるもの》に該当する休暇制度を取得していない場合は、記入説明書P21の「傷病欠勤以外の欠勤」の取扱いのとおりとなります。

Q4 「小学校休業等対応助成金」を受給しました。この対象期間は、実労働時間に計上していいですか。

「小学校休業等対応助成金」は、対象労働者に対し有給(賃金全額支給)の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く。)を取得させた事業主が対象となる助成金であるため、実労働時間に計上します。

Q5 労働者が「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」を受給しました。この対象期間は、実労働時間に計上していいですか。(地方自治体が実施した同内容の支援金を含む。例:山梨県新型コロナウイルス対策子育て家庭休業助成金

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」は、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止を理由に事業主から命じられて当該労働者が休業したにもかかわらず賃金又は休業手当の支払がない場合に支給される支援金・給付金です。事業主が賃金又は休業手当を支給していない休業期間については、実労働時間に含めることはできません。

Q6 自治体からの要請に基づき休業し、協力金(東京都感染拡大防止協力金、大阪府の休業要請支援金等)を受給しました。この対象期間について、障害者の実労働時間に計上していいですか。

協力金は労働者への賃金や休業手当等の支払を前提とした制度ではないため、協力金を受給したかどうかは、実労働時間に含めるか含めないかに影響しません。
休業中に雇用障害者に対して賃金の全額又は休業手当や労使協定に基づき賃金の一部を支払った期間については、実労働時間として計上することができます。

Q7 コロナ禍により休業していた期間について、賃金補償として給与の6割を支払っていました。雇用調整助成金の支給は受けていません。この期間については実労働時間にどのように計上したらいいですか。

<令和3年度申告申請から取扱いを変更しました。>
雇用調整助成金の支給の有無に関わらず、休業中に雇用障害者に対して賃金の全額又は休業手当や労使協定に基づき賃金の一部を支払った期間については、実労働時間に計上します。休業した理由がコロナ禍によるものではない場合も同様です(記入説明書P20にも記載しています。)。

Q8 緊急事態宣言の発令後、勤務時間を短縮しています。この場合、短時間労働者となるのですか。

雇用障害者を除く常用雇用労働者については、所定労働時間をもって雇用区分を判断するため、就業規則雇用契約書等により、その方が通常の週に勤務すべきこととされている時間で判断できます。
雇用障害者については、所定労働時間と実労働時間との相違等を確認し判断します。詳しくは、記入説明書P18以降をご確認ください。

Q9 コロナ禍のため、雇用契約の変更は行わず、労使協定により労使合意のもと一定期間所定労働時間を短縮することとしました。この場合、週所定労働時間は、短縮後の時間となりますか。

労使協定により短縮した後の時間を週所定労働時間としてください。
「週所定労働時間」とは、就業規則雇用契約書等により、その方が通常の週に勤務すべきこととされている時間をいい、労使協定により勤務すべきこととされた時間もこれに含みます。

Q10 身体障害者手帳及び療育手帳は、再認定(再判定)の時期が1年間延長されたと障害者本人から聞きました。何か証拠書類の提出は必要ですか。

身体障害者手帳及び療育手帳の再認定(再判定)については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、自治体によっては、再認定(再判定)を実施する期日を延長する等の対応がとられています。厚生労働省が策定した「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」に留意の上、自治体等からの再認定延長に係る通知の有無や延長された期間等を確認してください。延長されたことの証拠書類の提出は不要ですが、当機構から、状況を確認させていただくことがあります。

Q11 障害者が新型コロナウイルス感染症への感染を恐れて外出を自粛し、精神障害者保健福祉手帳の更新手続を行っていません。障害者として計上できますか。

精神障害者保健福祉手帳の更新手続は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、令和2年3月1日から令和3年2月末日までの間に有効期間を迎える者のうち、更新時に医師の診断書を添えて提出する必要がある場合、診断書の提出が1年間猶予されています。
診断書の提出が1年間猶予されているだけで、更新手続は必ず必要です。手帳の有効期限が切れている期間については、原則として障害者として計上できません。詳しくは記入説明書P34をご確認ください。

【令和3年3月12日追加掲載】

Q12 新型コロナウイルス感染症によって休業を強いられ、経営が厳しいが、納付金に免除や減免の制度はないので

すか。

免除や減免の制度はありません。

Q13 会社が在宅勤務となり出社できないため、期限までに申告申請ができません。どうすればいいですか。

申告申請期間の延長は予定していません。 障害者雇用調整金等の支給金については、申請期間を過ぎた申請に対しては支給できませんので、必ず期間内に提出してください。
なお、令和3年1月以降、申告申請書等への代表者印の押印は不要となりました。

Q14 通常の週の所定労働時間が一定でない雇用契約を締結している労働者(シフト勤務者)について、休業期間中の所定労働時間(勤務計画時間(シフトを組んだ時間))は0時間になるのですか。

通常の週の所定労働時間が一定でない場合の取扱いは記入説明書P10 に記載しています。休業期間中の勤務計画をどのように計画したかは、企業によって異なりますので、0時間ではないこともあり得ます。 なお、休業期間中に休業手当を支払っていた場合などは、記入説明書P20 のとおり、休業期間中の所定労働時間(勤務計画時間(シフトを組んだ時間))を実労働時間に含めるため、例えば休業した月の勤務計画時間が120 時間であれば、実労働時間も120 時間となります。 詳しくは、次ページのQ&Aをご確認ください。

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