新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置について
新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中、働く妊婦の方は、職場の作業内容等によって、新型コロナウイルス感染症への感染について不安やストレスを抱える場合があります。
こうした方の母性健康管理を適切に図ることができるよう、男女雇用機会均等法に基づく母性健康管理上の措置として、新型コロナウイルス感染症に関する措置が新たに規定されました。
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000628247.pdf
母性健康管理措置とは
男女雇用機会均等法により、妊娠中・出産後1年以内の女性労働者が保健指導・健康診査の際に主治医や助産師から指導を受け、事業主に申し出た場合、その指導事項を守ることができるようにするために必要な措置を講じることが事業主に義務付けられています。
新型コロナウイルス感染症に関する措置について
妊娠中の女性労働者が、保健指導・健康診査を受けた結果、その作業等における新型コロナウイルス感染症への感染のおそれに関する心理的なストレスが母体又は胎児の健康保持に影響があるとして、主治医や助産師から指導を受け、それを事業主に申し出た場合、事業主は、この指導に基づいて必要な措置を講じなければなりません。
指導の例:感染のおそれが低い作業への転換又は出勤の制限(在宅勤務・休業)
・本措置の対象期間は、令和2年5月7日~令和4年1月31日(※)です。
(※)新型インフルエンザ等対策特別措置法において新型コロナウイルス感染症を適用対象とする暫定措置の期限を踏まえて設定されています。
具体的には
・妊娠中の女性労働者は、主治医等から指導があった場合、指導事項を的確に伝えるため母健連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)を書いてもらい、事業主に提出します。
・事業主は母健連絡カードに記載された主治医等の指導に基づき、次のような適切な措置を講じます。
●妊娠中の感染のおそれが低い作業への転換又は出勤の制限(在宅勤務・休業)
●妊娠中の通勤緩和
●妊娠中の休憩に関する措置
●妊娠中又は出産後の症状等に関する措置(作業の制限、勤務時間の短縮、休業等)
※このほか、妊娠中の女性労働者は、時間外、休日労働、深夜業の制限等については、主治医等からの指導がなくても、(また、新型コロナウイルス感染症に関係なく平時でも)請求できます(労働基準法)。
労働基準法66条
1.使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第32条の2第1項、第32条の4第1項及び第32条の5第1項の規定にかかわらず、1週間について第32条第1項の労働時間、1日について同条第2項の労働時間を超えて労働させてはならない。
2.使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない。
3.使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない。労働基準法66条3項
使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない。※労働基準法で、「妊産婦」とは、妊娠中の女性及び産後一年を経過しない女性をいいます。
その他
●男女雇用機会均等法により、母性健康管理措置を求めたことやこれを受けたことを理由とする解雇等不利益取扱いは禁止されています。
●また、職場におけるいわゆるマタニティハラスメントには、母性健康管理措置を求めたことやこれを受けたこと等を理由とするものも含まれ、事業主にはこれを防止するための措置を講じることが義務付けられています。