社会保険労務士川口正倫のブログ

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新型コロナウイスルによる健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額の特例改定の延長について

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新型コロナウイスルによる健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額の特例改定の延長について

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/0930.html



令和2年8月から12月までの間に、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により休業した方で、報酬が著しく下がった方のうち、一定の条件に該当する場合は、健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額を、通常の随時改定(4か月目に改定)によらず、特例により翌月から改定可能です。また、既に特例改定を受けた方のうち、一定の条件に該当する場合は、9月から適用された定時決定を特例により変更可能です。

対象となる方

(1) 新たに休業により報酬が著しく低下した方の特例(次のすべてに該当する方が対象)
新型コロナウイルス感染症の影響による休業(時間単位を含む)があったことにより、令和2年8月から12月までの間に、報酬が著しく低下した月が生じた方
□著しく報酬が低下した月に支払われた報酬の総額(1か月分)が、既に設定されている標準報酬月額に比べて2等級以上下がった方※固定的賃金(基本給、日給等単価等)の変動がない場合も対象となります。
□本特例措置による改定内容に本人が書面により同意している
※被保険者本人の十分な理解に基づく事前の同意が必要となります。
(改定後の標準報酬月額に基づき、傷病手当金、出産手当金及び年金の額が算出されることへの同意を含みます。)
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(2) 4月又は5月に休業により著しく報酬が低下し特例改定を受けている方の特例(次のすべてに該当する方が対象)
新型コロナウイルス感染症の影響による休業(時間単位を含む)があったことにより、令和2年4月又は5月に報酬が著しく低下し、5月又は6月に特例改定を受けた方
□8月に支払われた報酬の総額(1か月分)が、9月の定時決定で決定された標準報酬月額に比べて2等級以上低い方
□本特例措置による改定内容に本人が書面により同意している(上記(1)と同様です。)
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対象となる保険料

□休業により報酬等が急減した月((2)の場合は8月となります。)の翌月以降の保険料が対象となります。
※令和3年2月末日までに届出があったものが対象となります。それまでの間は遡及して申請が可能ですが、給与事務の複雑化や年末調整等への影響を最小限とするため、改定をしようとする場合はできるだけ速やかに提出をお願いします。

申請手続き

月額変更届(特例改定用)に申立書を添付し管轄の年金事務所に申請してください。
※管轄の年金事務所へ郵送してください。(窓口へのご提出も可能です。)
※届書及び申立書については日本年金機構ホームページからダウンロードできます。
※本特例措置は、同一の被保険者について複数回申請を行うことはできません。
※「対象となる方」の(1)に該当する方は「8~12月を急減月とする場合」の月額変更届(特例改定用)を、(2)に該当する方は「8月報酬による定時決定の場合」の月額変更届(定時決定の保険者算定の特例に当たっての参考資料)を使用してください。

標準報酬月額の特例改定の延長等Q&A

Q1 固定的賃金に変動がない場合でも特例改定の対象となりますか?

今回の特例改定に限り、固定的賃金の変動の有無に関わりなく、要件に該当する場合は改定の対象となります。
(例えば、日給者の日給単価に変更はなく勤務日数が減少したことにより報酬が減少した場合、休業により報酬が支払われていない場合なども対象となります。)


Q2 休業のため、給与を支給していない場合合や支援金(新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金)を受ける場合でも、特例改定の対象となりますか?

給与を支給していない場合や支援金を受ける場合でも、特例改定の対象となります。
この場合、実際の給与支給額(※)に基づき標準報酬月額を改定することとなり、報酬が支払われていない場合は、今回の特例改定に限り、最低の標準報酬月額(健康保険は5.8万円、厚生年金保険は8.8万円)として改定することとなります。
※支援金は、給与支給額には含みません。


Q3 休業のため、給与計算の基礎日数が17日未満の場合でも、特例改定の対象となりますか?

今回の特例改定に限り、新型コロナウイルス感染症の影響で事業主から休業命令や自宅待機指示などによって休業となった場合は、休業した日に報酬が支払われていなくても、給与計算の基礎日数として取り扱ってください。
その上でも、休業のあった月とその前2か月のいずれか1月でも17日未満(※)となる場合は、特例改定の対象となりません。
※特定適用事業所等の短時間労働者は11日未満。


Q4 休業が回復した場合には、届出が必要となりますか?

休業が回復した月に受けた報酬の総額を基にした標準報酬月額が、特例改定により決定した標準報酬月額に比べて2等級以上上昇した場合には、4~7月を急減月とする特例と異なり、その翌月から休業が回復した月における標準報酬月額に改定することになります。該当する場合は、固定的賃金の変動の有無に関わりなく、必ず随時改定(「休業が回復した場合」の月額変更届(特例改定用))の届出を行ってください。
※実際の報酬支払の日数が17日以上(特定適用事業所等の短時間労働者は11日以上)となった月です。
※「対象となる方」の(2)に該当する方も同様です。

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