社会保険労務士川口正倫のブログ

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厚生年金保険法の標準報酬月額の等級区分の改定等に関する政令の施行に伴う標準報酬月額の改定に係る特例的な取扱いについて

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厚生年金保険法の標準報酬月額の等級区分の改定等に関する政令の施行に伴う標準報酬月額の改定に係る特例的な取扱いについて

https://drive.google.com/file/d/1hrQAkTlcuGkpPhvfT9oBRqvO7F7RnEBf/view?usp=sharing


厚生年金保険法の標準報酬月額の等級区分の改定等に関する政令(令和2年政令第246 号。以下「上限改定政令」という。)が令和2年9月1日から施行されることに伴い、厚生年金保険の標準報酬月額等級の上限を見直すとともに、上限改定政令附則第2条第1項の規定により、令和2年9月の標準報酬月額が62万円であって、当該標準報酬月額の基礎となった報酬月額が63万5千円以上である者の標準報酬月額については、日本年金機構(以下「機構」という。)が、新たに設けられた第32級の標準報酬月額へ改定することとされている。
標準報酬月額の改定については、「健康保険法及び厚生年金保険法における標準報酬月額の定時決定及び随時改定の取扱いについて」(昭和36 年1月26 日付け保発第4号。以下「昭和36 年通知」という。)等により取り扱っているところであるが、被保険者に固定的賃金の変動がありながら、標準報酬月額に2等級以上の差が生じないために随時改定の対象とならず、機構に被保険者報酬月額変更届の提出がされないこと等により、実際に被保険者が受けている報酬と令和2年9月に適用される標準報酬月額との間に乖離が生ずる場合がある。
このため、当該乖離の解消を目的として、このような者については、令和2年9月において、下記のとおり特例的な随時改定を行うこととするので、その運用に当たっては十分に留意の上、遺憾なきを期されたい。


                            記

機構は、次の1及び2のいずれかに該当する者について申し出があった場合は、被保険者報酬月額変更届等の提出を受けることにより、同年9月に、当該者に係る標準報酬月額の随時改定を行うこととする。


1.次のいずれかに該当する者
(昭和36 年通知2(1)イ又はエに係る特例的な随時改定)

(1) 令和2年8月の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬月額が63万5千円未満であって、同年5月に固定的賃金の変動があり、同月から同年7月までの3か月間に支給された報酬を算定の基礎とした報酬月額が66万5千円以上である者

(2) 令和2年8月の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬月額が66万5千円以上であって、同年5月に固定的賃金の変動があり、同月から同年7月までの3か月間に支給された報酬を算定の基礎とした報酬月額が60万5千円以上63万5千円未満である者

(3) 令和2年8月の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬月額が66万5千円以上であって、同年6月に固定的賃金の変動があり、同月から同年8月までの3か月間に支給された報酬を算定の基礎とした報酬月額が60万5千円以上63万5千円未満である者


2.次のいずれかに該当する者
昭和36年通知2(4)イ又はウに係る特例的な随時改定)

(1) 令和2年6月の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬月額が60万5千円未満であって、同年4月に固定的賃金の変動があり、同月から同年6月までの3か月間に支給された報酬を算定の基礎とした報酬月額が66 万5千円以上であり、同年4月から6月までの3か月の間に受けた固定的賃金の月平均額に、令和元年7月から令和2年6月までの間に受けた非固定的賃金の月平均額を加えた額から算出した報酬月額が60万5千円以上63万5千円未満である者

(2) 令和2年7月の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬月額が60万5千円未満であって、同年5月に固定的賃金の変動があり、同月から同年7月までの3か月間に支給された報酬を算定の基礎とした報酬月額が66万5千円以上であり、同年5月から7月までの3か月の間に受けた固定的賃金の月平均額に、令和元年8月から令和2年7月までの間に受けた非固定的賃金の月平均額を加えた額から算出した報酬月額が60万5千円以上63万5千円未満である者

(3) 令和2年6月の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬月額が66万5千円以上であって、同年4月に固定的賃金の変動があり、同月から同年6月までの3か月間に支給された報酬を算定の基礎とした報酬月額が57 万5千円未満であり、同年4月から6月までの3か月の間に受けた固定的賃金の月平均額に、令和元年7月から令和2年6月までの間に受けた非固定的賃金の月平均額を加えた額から算出した報酬月額が60万5千円以上63万5千円未満である者

(4) 令和2年7月の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬月額が66万5千円以上であって、同年5月に固定的賃金の変動があり、同月から同年7月までの3か月間に支給された報酬を算定の基礎とした報酬月額が57万5千円未満であり、同年5月から7月までの3か月の間に受けた固定的賃金の月平均額に、令和元年8月から令和2年7月までの間に受けた非固定的賃金の月平均額を加えた額から算出した報酬月額が60 万5千円以上63 万5千円未満である者


(参考)
・標準報酬月額の上限の変更

厚生年金保険法における従前の標準報酬月額の上限等級(31級・62万円)の上に1等級が追加され、上限が引き上げられます。

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・改定通知書の送付
厚生年金保険の標準報酬月額の上限改定に伴い、改定後の新等級に該当する被保険者の方がいる対象の事業主及び船舶所有者に対して、令和2年9月下旬以降に日本年金機構より「標準報酬改定通知書」をお送りします。標準報酬月額の改定に際して、事業主及び船舶所有者からの届出は不要です。