社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



雇用調整助成金の助成額の上限額が15,000円に引き上げられました

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雇用調整助成金の助成額の上限額が15,000円に引き上げられました

https://www.mhlw.go.jp/stf/press1401_202005061030_00004.html

1.助成額の上限額の引上げ及び助成率の拡充について

(1)助成額の上限額の引上げについて

雇用調整助成金の1人1日あたりの助成額の上限額は8,330円となっていました。
今般、令和2年4月1日から9月30日までの期間の休業及び教育訓練について、企業規模を問わず上限額が15,000円に引き上げられました。

(2)解雇等を行わない中小企業の助成率の拡充について

解雇等をせずに雇用を維持している中小企業の休業及び教育訓練に対する助成率は、原則9/10(一定の要件を満たす場合は10/10など)となっていました。
今般、この助成率が一律10/10に引き上げられました。

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(3)遡及適用について(詳細は下記のリーフレットをご覧ください。)

ア (1)及び(2)の引上げ及び拡充については、既に申請済みの事業主の方についても、以下のとおり、令和2年4月1日に遡って適用となります。
  なお、労働局・ハローワークで追加支給分(差額)を計算しますので、再度の申請手続きは必要ありません。

1 既に雇用調整助成金の支給決定がなされた事業主
  ⇒ 後日、追加支給分(差額)が支給されます。

2 既に支給申請をしているが、雇用調整助成金の支給決定がなされていない事業主
  ⇒ 追加支給分(差額)を含めて支給されます。

イ 1又は2の事業主の方が、過去の休業手当を見直し(増額し)、従業員に対して追加で休業手当の増額分を支給した場合には、当該増額分についての追加支給のための手続が必要となります。


2.緊急対応期間の延長について


新型コロナウイルス感染症の感染の拡大防止のため、雇用調整助成金については、令和2年4月1日から同年6月30日までを緊急対応期間とし、各種の特例措置(※1)が講じられていました。

(※1)緊急対応期間中の特例措置
・生産量要件の緩和(確認期間3か月→1か月で5%減)
・助成対象の拡充(雇用保険被保険者でない労働者も助成金の対象)
・助成率の引上げ
・支給限度日数の特例 など

今般、緊急対応期間の終期が3か月延長され(令和2年9月30日まで延長)、上記1(2)の助成率の拡充に加え、これまでの特例措置も延長して適用されることとなりました。
なお、緊急対応期間の前から講じていた特例措置(※2)については、対象期間の初日が令和2年9月30日までの間にある休業等に適用することとされました(現行は同年7月23日までの間にあるものに適用。)。

(※2)緊急対応期間前からの特例措置
・クーリング期間の撤廃
・被保険者期間要件の撤廃 など


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3.出向の特例措置等について

   
雇用調整助成金の支給対象となる出向については、出向期間が「3か月以上1年以内」とされていますが、緊急対応期間内においては、これを「1か月以上1年以内」に緩和されました。
なお、(公財)産業雇用センターにおいては、新型コロナウイルス感染症への対応として、「雇用シェア(在籍出向制度)」を活用して従業員の雇用を維持する企業を支援するため、「雇用を守る出向支援プログラム2020」を開始されています。(詳細は下記のリーフレットをご覧ください。)。

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