社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



経済同友会による緊急アンケート「企業の新型コロナウイルス感染症対策と課題(出勤者の削減)」の結果概要

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経済同友会による緊急アンケート「企業の新型コロナウイルス感染症対策と課題(出勤者の削減)」の結果概要

集計されているの105社と少ないですが、参考となることが多い調査結果です。

https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/uploads/docs/200428a.pdf

(1)現状

国内事業所全体の出勤者削減は、「 80 %以上」が最多 (49.5%・非製造業54.4%・製造業33.3%) となり、次いで「70%~80 %」および「50 %未満」(いずれも17.5%・いずれも非製造業15.2%・いずれも製造業25%)となっています。
つまり、70%以上削減されている事業所が全体で約70%、非製造業で約70%、製造業で約60%となっています。

(2) 取り組み方法 と 課題の対処

「テレワーク推進 」が最多 (95.2%・非製造業96.3%・製造業95.8%) となり、次いで「 ローテーション勤務の実施 」 (50.5%・非製造業52.5%・製造業45.8%) 「事業所の休業、操業の停止 」 (24.8%・非製造業23.8%・製造業29.2%) の順とな っています。
課題の対処として「デジタル化の推進面談、交渉等 TV 会議。」、「一人暮らしや子育て中の社員のストレスが大きくなっている。テレワーク飲み会や社内セミナーを開催。」などのコメントが寄せられています。
※子育て中の社員のストレスはよくわかりますが、一人暮らしのストレスが大きいというのは少し意外な感じがします。家族がいるとテレワークがやりずらいわけでもないようです。また、わざわざ職場の人とテレワーク飲み会をしたい人なんているんでしょうかね。余計ストレスになりそうな気がします。

【主な業種分類による回答 から抜粋 】
(建設)
・デジタル化の推進面談、交渉等 TV 会議にて。
・対策委員会を設置し 、 政府が定める方針に対応。
(化学)
派遣社員や業務委託会社との連携。
・生産活動等で出勤せざるを得ない社員への特別手当の支給
(医薬品)
・すでにテレワーク体制のシステム投資、人事関連事項を整備済み。
・業務効率化:権限移譲の推進、業務の優先順位付け、電子署名など。
(金融)
郵送による請求書が全体の96 %に上り、出社せざるを得ない社員が数名いる。
DX(デジタルトランスフォーメーション) の徹底が重要。
・テレワークに IT システムの高度化や従業員の意識改革を促すことで対処。
・I T 投資で生産性を落とさないよう努力しているが、効率低下はある程度受け入れるように気持ちを切り替える。
(サービス)
・一人暮らし社員や小さなお子さんのいる家庭ではストレスが大きくなっている。テレワーク飲み会の開催や社内セミナーを開催。
・在宅勤務を可能にするための、業務フローや仕組みの見直し・再構築 。

(3)事態が中長期化した場合の課題

「テレワーク不可である生産部門・現場作業部門と事務部門と のギャップの対応」、「育児負担増等に対する従業員の家庭環境へのサポート」、 「行政向けの書類 への対応」などのコメントが寄せられています。

【主な業種分類による回答から抜粋】
(電気機器)
・テレワーク不可である生産部門・現場作業部門と事務部門とのギャップの対応。
・社会機能維持のための対応業務の線引きと、対応する従業員への補償。
(金融)
・テレワークの長期化を予想しており、世界中で準備。
・込み入ったやりとりは、在宅勤務では難しい。
・在宅勤務における人事評価方法の見直し。
(情報・通信)
・育児負担増等に対する従業員の家庭環境へのサポート。
・face to faceで行うことのメリットが長期間発揮できない。
助成金などの申請を含む多くの行政向けの書類で印鑑をベースとするものが多く、そのための出社が避けられない状況もある。
・職員の体調管理やモチベーション維持に向けた取り組み。
・テレワークによる生産性の低下に対する抜本的な働き方改革