社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



業務終了後、事業場施設内で2時間以上労働組合の用務を行い帰宅する途中の事故は、通勤災害か(昭49.11.15基収1881号)

バナー
Kindle版「年金復活プラン」がよくわかる本
定価:300円で好評発売中!!


にほんブログ村
続き

業務終了後、事業場施設内で2時間以上労働組合の用務を行い帰宅する途中の事故は、通勤災害か(昭49.11.15基収1881号)

(問)
 被災労働者は、被災当日の所定勤務が終了した後、引き続き自分の机上で労働組合の用務(被災労働者は、T労働組合A分会青年婦人部の会計担当で、翌日に開催される青年婦人部の年度総会に提出する決算報告書資料の作成を行った。)を青年婦人部長とともに、午後5時5分から午後7時10分までの2時間5分行った後、会社を出て通常の通勤経路を自宅に向かって歩行中、対向車に接触され負傷したものである。
 なお、被災労働者の通常の通勤方法は自転車を利用していたが、当日は、朝からみぞれ模様であったので、家族の者に自家用車で会社まで送ってもらい、徒歩で帰る途中に負傷したものである。


(参 考)
① 所定労働時間 午前8時30分~午後5時5分
② 当日の業務終了時刻 午後5時5分
③ 組合の用務時間 午後5時5分~午後7時10分(2時間5分)
④ 退社時刻 午後7時10分


(答)
 通勤災害と認められる。


(理 由)
 本件の被災労働者が業務終了後、当該事業場施設内に滞留した時間(2時間5分)から判断した場合、一般的には、その後の帰宅行為には就業関連性が失われたものといえるのであるが、本件のように就業との関連性が失われたといえる時間を超えている時間が極めてわずかであり、かつ、滞留事由に拘束性・緊急性及び必要性があり、また、事業主が事業場施設内において組合用務を行うことを許可している等の要件を充足していれば、当該被災労働者の帰宅行為に就業関連性を認めるが妥当である。
 したがって、本件は通勤災害として取扱うのが妥当である。