社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



帰宅途中に、自宅とは逆方向に200メートル離れた店で食事をし再び通常の通勤経路に復した後の事故は、通勤災害か(昭49.8.28基収2105号)

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帰宅途中に、自宅とは逆方向に200メートル離れた店で食事をし再び通常の通勤経路に復した後の事故は、通勤災害か(昭49.8.28基収2105号)

(問)
被災労働者は、午後5時に勤務を終えて帰宅しようとしたが、その日は会社のマイクロバスや大型バスの洗車を行ったために空腹を覚えたので、会社の門から200メートルほど離れたところにあるB飯店で食事をし、約20分ほどで同店を出て再び会社正門前までもどり、通常の通勤経路を徒歩で駅へ向かう途中、横断歩道を渡りかけていたところ、センターラインを越えて走行してきた乗用車にはねられ負傷したもの。
なお、被災労働者は妻帯者で、通常は自宅で夕食をとっており、また、会社から自宅までの通勤所要時間はおおむね20分であり、通常利用する私鉄も20分間隔で運行していた。


(答)
通勤災害と認められない。


(理 由)
 被災労働者が、退勤途中において食事をとった行為は、
① 被災労働者は妻帯者で、通常は自宅で夕食をとっていたこと。
② 就業の場所から住居までは、片道20分程度の所要時間であり、たとえ空腹であったとしても帰宅途中に食事をとらなければならない合理的な理由がないこと。
などにより、「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行うための最小限度のもの」には該当しない。

マイカー通勤の労働者が、自勤務先より450メートル先の妻の勤務先を経由した後で戻る途中の事故は、通勤災害か(昭49.3.4基収289号) - 社会保険労務士川口正倫のブログ