社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



業務終了後、事業場内施設で1時間ほど慰安会を行い帰宅する途中の事故は、通勤災害か(昭49.8.28基収2533号)

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業務終了後、事業場内施設で1時間ほど慰安会を行い帰宅する途中の事故は、通勤災害か(昭49.8.28基収2533号)

(問)
被災労働者達(Eは除く。)は夜勤で、夜勤明けの当日、職場のレクリエーション行事(出勤扱いとされない。)でK海岸へ汐干狩りに行くこととなっていたが、雨のため中止となり、当該行事のために用意した弁当の処分会を会社の食堂で行うことになった。
被災労働者達は、午前6時終業後、入浴・着替えを済ませ、午前6時50分から開催された処分会に参加したが、処分会は開始後55分(午前7時45分)で閉会となった。
K駅方面を経由して帰宅する被災労働者達は、Eのマイカーに同乗し、市道を進行中対向車と衝突し、負傷したものである。
なお、Eは当日、休暇でレクリエーション行事に参加するために出社したもので就労の事実はない。また、被災労働者達が帰宅のためにとった経路は、通常の通勤経路である。


(参 考)

① 所定労働時間 午後9時~午前6時

② 当日の業務終了時刻 午前6時

③ 終業後は、入浴・着替えをして帰宅することになっている。入浴は、風呂の広さに制限があり、順番制となっているので全員が終了するのは約1時間後である。

④ 就業規則では、終業後速やかに退社することが定められている。

(答)
① 被災労働者A、B、CおよびDの4名については、通勤災害と認められる。
(理 由)

イ K海岸に行くレクリエーション行事は、取り止めになっていたこと。

ロ 当該帰宅行為は、業務を終えたことにより行われるものであること。

ハ 業務終了後、事業場施設内で行われた慰安会(処分会)に参加した時間も約1時間程度であり、就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど、長時間とはいえないこと。

ニ 帰宅のためにとった経路は、通常通勤に利用している経路であり、合理的な経路と認められること。

② 被災労働者Eについては、通勤災害とは認められない。
(理 由)
 本件については、会社主催ではあるが、参加することが労働者の任意とされているために、業務とはいえないところのレクリエーション行事に参加するため出社したものであり、休暇で就業の事実もなく、当該往復行為に就業との関連性は認められないので、労災保険法第7条第2項の通勤には該当しない。