ゲートウェイ21事件(東京地判平20.9.30労判977号74頁)
参照法条 : 労働基準法41条2号、労働基準法3章、労働基準法9章
裁判年月日 : 2008年9月30日
裁判所名 : 東京地
裁判形式 : 判決
事件番号 : 平成18(ワ)20926
1.事件の概要
Xは、留学・海外生活体験商品を扱うY社に、支店長として勤務して、役員に次ぐ最高の職位(シニアブランチマネージャー)であった。XがY社を退職後、未払の残業代等を請求したのが本件である。
2.判決の概要
Xの職務内容は、部門の統括的な立場にあり、部下に対する労務管理上の決定権等はあるが、それは小さなものにすぎないといえる。また、時間外手当が支給されないことを十分に補うだけの待遇を受けておらず、出退勤についての自由も大きなものではないといえる。これを総合すれば、Xは、経営者との一体的な立場にあり、労働時間等の枠を超えて事業活動することを要請されるような地位とそれに見合った処遇にある者とはいえず、労働時間等に関する規定の適用を除外されることが適切であるとはいうことができない。したがって、Xは管理監督者には当たらないというべきであるから、Y社はXの時間外労働に対する手当の支払を免れないというべきである。
3.解説
支店長という肩書きで、かつ、役員に次ぐ職位ではあったが、管理監督者性を否定された判決。
なお、余談であるが、この「株式会社ゲートウェイ21」は、2008年10月に破産し、その際に約1800人の方が留学費用(総額9億5000万円)を支払ったのに渡航できなくなるなど大きな問題となった。
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