門司港運事件(福岡地小倉支判昭和47.11.24判時696号235頁)
参照法条 : 民法415条、民法1条2項
体系項目 : 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任
裁判年月日 : 1972年11月24日
裁判所名 : 福岡地小倉支
裁判形式 : 判決
事件番号 : 昭和45年 (ワ) 30
1.事件の概要
日雇港湾労働者であるXが、使用者である船舶荷役会社Y社に雇用され、荷役作業中に船底に転落し、後遺症の残る障害を負った。そこで、Xは、Y社が安全に運行できる設備を設けるべき義務に違反したとして、債務不履行に基づく損害賠償責任を請求した。
2.判決の概要
昭和47年改正前の労基法と、その趣旨を受けた労働安全衛生法規則の規定の趣旨からも窺えるように、使用者は労働者との雇用契約上の義務として右契約関係特有の労働災害による危険に対して労働者をして安全に就労せしめるべき安全保証義務を負うものと解するのが相当であり、・・・(中略)Y社にはXら作業員が船底の作業場所に安全に到達することのできる通行設備の設置義務があることは明らかである。本件の場合、Y社はXを安全に就労せしめなかった債務不履行によりXの蒙った損賠を賠償する責任がある。
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