社会保険労務士川口正倫のブログ

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代替休暇と年次有給休暇との関係(平成21.5.29基発0529001号)

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〔代替休暇と年次有給休暇との関係〕 平成21.5.29基発0529001号

代替休暇は、労働基準法37条第3項において「(第39条の規定による有給休暇を除く。)」と確認的に規定されており、年次有給休暇とは異なるものであること。
なお、同法第39条第1項は、6か月継続勤務に対する年次有給休暇の付与を規定し、その際の当該期間における全労働日の8割出勤を要件としているが、労働者が代替休暇を取得して終日出勤しなかった日については、正当な手続により労働者が労働義務を免除された日であることから、年次有給休暇の算定基礎となる全労働日に含まないものとして取り扱うこと。


要約すると、

2010年度の改正労働基準法により、1か月60時間を超える時間外労働に対する法定割増賃金率を現行の25%以上から上乗せして、50%以上に引き上げた(中小企業を除く)。

代替休暇とは、この上乗せ部分(25%に25%を上乗せ)の割増賃金の支払いに代えて、有給の休暇を付与するしくみであるが、この代替休暇は年次有給休暇とは異なるものであり、代替休暇を付与しても有給休暇を利用したことにならない。

また、代替休暇を付与されて出勤しなかったとしても、年次有給休暇の付与に係る出勤率の算定において、分母(全労働日)に算入しない。


労働基準法37条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
2 前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。
3 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く。)を厚生労働省令で定めるところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しない。