社会保険労務士川口正倫のブログ

都内の社会保険労務士事務所に勤務する社会保険労務士のブログ



年次有給休暇請求権と解雇(昭和23.4.26基発651号)

バナー
Kindle版 職場の出産・育児関係手続ガイドブック~令和の常識~
定価:800円で好評発売中!!


にほんブログ村
続き

年次有給休暇請求権と解雇〕 昭和23.4.26基発651号

照会内容
労働基準法20条によって解雇予告をしようとしたとき当該労働者が20日間の有給休暇の権利を有する場合、同法39条による労働者の権利をいかに取扱うべきか。
年次有給休暇雇用契約上の権利であるから解雇によって一応消滅するとも考えうるが、雇用契約上の権利としては未払いの賃金に対する請求権と何等差異なく権利は消滅するものではないから予告期間中に有給休暇を与えるべきを至当と考えるがどうか。
また即時解雇の場合は有給休暇の付与を会社側の都合により延期している場合にはその休暇日数に応じ平均賃金を支払った上解雇手当を支払うことが妥当と認めるがどうか。

回答
年次有給休暇の権利は予告期間中に行使しなければ消滅する。

要約すると、

解雇予告をされた場合は、予告期間中に利用しなければ有給休暇は消滅する。

即時解雇の場合は、有給休暇も即時に消滅する。

なお、解雇予告した労働者に有給休暇が30日以上あり、利用を申し出た場合は、使用者は時季変更権を行使することができない。使用者が指定できる時季がないため。